2012年5月22日火曜日

金環日食を見に行った

日本列島を東西に横断し、大阪や関東でも見られる金環食。
なぜ広島では部分食なのか!
部分食は過去何度も見てきたが金環食は見たことがない。
今回のチャンスを逃せば死ぬまで見られないだろう。
ということで、どうしても見たかった。

広島に近いところは高知だが、天気は近畿の方が少しよさそう。
とりあえず和歌山をめざす。

家からデータ放送の3時間ごとの天気予報を知らせてもらい、近畿道の岸和田SAで車中泊。
朝の5時半、太陽が見える。雲もある。
南に行けば金環食がいい形になるが天気は悪くなる。
一般道におりて、とりあえず大阪方面に向かう。
空を見上げながら、東に進路を取り、最後は堺市のコンビニの駐車場へ。
青空の中に一部雲が混じるがここに決める。

日食が始まる。日食グラスでよく見える。
写真を撮る。
三脚なし、フィルターは日食グラスを手でレンズに押し当てる。
カメラはニコンのコンパクトカメラ18倍ズーム。
オートで撮るがどうしてもピントが合わない。
マニュアルで焦点距離を無限大にしたり、いろんなモードで撮ってみるがどうしてもダメだ。
このへんが素人の悲しさである。

金環食が始まるころ、一部のうすい雲の塊が太陽にかかりはじめる。

金環食が始まったときの空のようす
なんで! と思わず叫びそうになったが、日食グラスを通してみると問題なくくっきりと見える。
本当に感動してしまう。
じっと見ていると、1億5千万キロ離れた太陽と38万キロにある月が3Dの感覚でイメージされ、壮大なスケール感で宇宙にたたずむ自分を感じる。

ところで、周りの人たちのようすはいったいどうしたわけだ。
一人の男性が携帯電話で家族か誰かに実況中継しながら日食グラスで観察しているのをのぞけば、誰一人として知らんぷり。*この日本語は正しいか?

道を歩いている人はそのまま何事もないように歩いているし、コンビニに買い物に来た人は車からおりてそのまま店内に入るし、配達に来たトラックの運チャンは仕事に熱心だ。
レジにいる女の子もこのときばかりは仕事を放り投げて観察に来てもいいだろう。
せめて一秒だけでも見たらどうだろう。
わざわざ広島から高速代ガソリン代あわせて2万円近くはたいて来ているのに、地元の人たちのこの無関心ぶりはいったい何だろう。

事前報道、広島に帰ってから見た事後報道の過熱ぶりとのギャップ。

わずか3分ぐらいのショーなのに、人にも見てもらいたいという気持ちが抑えられない。
車からおりてきた中年のご婦人に「見ませんか」と声をかける。
無視される。
2人目の老年のおじさんに「死ぬまで見られませんよ」と声をかける。
「おっ」という感じで私が差し出した日食グラスをのぞく。
けっこう感動して感謝される。
堺市で見た金環食 2012.5.21撮影

写真はなぜこのように赤っぽいかさをかぶったような写り方をするのかよくわからない。
うすい雲が関係しているのかも。
2枚目のとがっている部分などけっこうピントがあっているのかな。
金環食はぶれているが、はっきりと輪になっている。
この素人写真もけっこう味があるなと我ながら思っている。

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