2012年7月21日土曜日

「津波てんでんこ」の真意

毎週金曜日に赤旗で連載している片田教授の「子どもたちに生き抜く力を―津波防災」。
昨日の第3回には「津波てんでんこ」のことが書かれていた。

「津波てんでんこ」という言葉は昨年の大震災以来何度も聞いたり目にしてきた。
意味は理解していたつもりだったが、今回それをよりはっきり納得させてくれた片田氏の文章を引用する。

――ここから引用(赤旗2012.7.20付)

 三陸沿岸には「津波てんでんこ」という言い伝えがあります。津波が来たら家族のこともかまわず自分一人だけでも生き延びろという教えです。過去に、家族を助けようとして一家全滅という最悪の事態を繰り返してきた当地ならではの、苦渋に満ちた教訓ですが、そんな非情なことができるはずはありません。この言葉の真意は「てんでんこが可能な家庭たれ」ということだと思います。その条件は、家族それぞれが自らの命に責任を持ち、それを家族同士で信頼し合えていることです。それができていれば、子どもは親が避難先に迎えに来ることを信じて逃げることができ、親は子どもがちゃんと避難していることを信じて逃げることに専念できます。

 震災後、釜石で私に声をかけてきたお母さんに「ちゃんと逃げましたか」と聞くと「逃げましたよ。うちの子は逃げるなって言っても逃げる子ですから」と答えてくれました。しかし、このような対応は一朝一夕ではできません。防災教育モデル校での授業では、こんなやりとりがありました。

 私が「君たちは逃げてくれると思うが、そのあとお母さんはどうするだろう?」と問いかけると、子どもたちの表情は一斉に曇りました。お母さんは自分を心配して迎えに来て、その結果どうなるかも想像できるからです。私は続けて「今日家に帰ったら、お母さんに『いざというとき僕は必ず逃げるからね』と、信じてくれるまでちゃんと伝えるんだ。お母さんは、君たちが逃げてくれると信じられなければ、きっと迎えに来てしまうよ』と伝えました。


◆2011年夏 北アルプスシリーズ ③ 登山口から蝶ヶ岳

ギンリョウソウ 2011.7.25撮影
登山道の林の中。全体の形から「銀竜草」というわけだ。ユウレイタケという別名もあって、こちらの方がわかりやすいかも。腐生植物で葉緑素を持たない。

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