背景が白い中での字幕が多く、映画の中身とは関係ないところでちょっと疲れた。
が、映画そのものは期待通りのすばらしいものだった。
児童移民をテーマにした映画だ。
私もこの映画で初めて知った児童移民とは次のようなものだ。
児童移民とは、養護施設の子供たちを長い間イギリス連邦の旧植民地に移住させた事業。作中におけるオーストラリアでは収容施設での重労働、暴力、性的虐待がはびこったが、教会により長く隠されてきた。児童移民の数は13万人を上回ると推計され、2009年11月にオーストラリア首相が、2010年2月にイギリス首相が事実を認め、正式に謝罪をしている。マーガレット・ハンフリーズは原作の印税をもとに基金を設立し、現在も児童移民だった人々の家族を探す活動を続けている。
自国民である子どもが被害者であったこと、つい最近までそれが行われていたことへのイギリス人の驚きは大きかったと思われる。
衝撃的に思えるオーストラリアのキリスト教会が果たした恥ずべき役割も、やはりキリスト教の長い歴史の中で行われてきた非人道的な所行からすればその延長に過ぎない。
この映画は国家やキリスト教会の悪業に傷つき打ちのめされてきた人々の尊厳を回復する物語であり、それに命をかけた一人の女性の物語である。
マーガレット・ハンフリーズの活動には人間に対する信頼、希望が見いだされる。
だからこの映画は感動的ですばらしいのだ。
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