2012年9月8日土曜日

御嶽山 山行記 ⑦

2日目 8/23(木) その3


11:30 五の池と三ノ池の分岐点に出ると、目の前に美しい三ノ池が広がる。
5~6m先の岩の上でライチョウが鳴いている。

三ノ池とライチョウ 2012.8.23撮影
中央やや右の大きな岩のさらに右奥の岩の上に背を向けたライチョウがいる。
人が現れたから警戒してヒナを呼び寄せているのだ。
じっとしていると、3分もすれば警戒を解き、2mぐらいまで近寄っても大丈夫。

このときはライチョウのほうから私の方へ近づいてきて、左に見える大きな岩の上までやってきた。
今回の山行でのベストショットになりそうだなと思い写真をとったが、腕が悪いのでそうはいかなかった。
家族や友人にリアルタイムの画像をメールで送ろうと思い、携帯でとった写真(画質が悪い)がベストショットになった。

低画質の携帯写真 2012.8.23撮影
ちょっと大きめのヒナが3羽いた。

ライチョウのヒナ 2012.8.23撮影
羽の色が、まわりの岩礫と保護色になっているのがよくわかる。
冬には真っ白になって雪にまぎれこむ。

ライチョウ親子 2012.8.23撮影
親と3羽のヒナがいっしょにいるところが写せなくて残念。
後ろ姿なのがさらに残念。

ライチョウ 2012.8.23撮影
両足に黒白と赤の標識がついている。
調査の対象になっているのだろう。

30分ぐらい休憩をふくめて雷鳥を観察していたが、そのうち親子そろってハイマツにかげに消えた。
それで私も三ノ池のまわりを時計回りに動き始める。
直後にバサバサっと音がして、先ほどのライチョウ親子が登山道に現れる。
私の方が驚いて気を取られたとき、何かにつまづいて横倒しにどさっと倒れる。
大きな音がしたのにライチョウはまったく動じない。
私は左足のすねと左手の手首上に大きなすり傷をつくってしまった。
倒れた方向が一歩まちがえば滑落ということになる。
また、岩に頭でもぶつければ重傷ということも。

12:20 三ノ池の水ぎわまで下りる。

三ノ池 2012.8.23撮影
二ノ池と同じように、素足になって池に入る。
そうすると、写真の左の方に写っている青年がやってきて、この水は聖水(御神水だったかな)であり、飲料水でもあるので入ってはいけませんと叱られた。
内心まあいいではないかと思いながら、それは知りませんでしたと言ってそそくさと上がった。

青年はポリ容器に水をくみ、かついで去っていった。
思うにどこかの小屋の従業員ではないだろうか。
私も用意されているひしゃくで聖水を一杯いただいた。

それからさらに時計回りに登っていって五の池小屋にもどるのだが、この登り道がお花でいっぱいだった。

イワオトギリとヨツバシオガマ 2012.8.23撮影
イワオトギリは山野に咲くオトギリソウの高山型だが、「弟を切る」という意味の名だ。
「この草を原料にした秘薬の秘密を漏らした弟を兄が切り殺したという平安時代の伝説によるものである。この不吉な伝説のため、付けられた花言葉も『怨み』『秘密』と縁起が悪い」とWikipediaにあるが、イワオトギリはあざやかな黄色と長い雄しべ、そしてすっきりした対生の葉が特徴的で、とても縁起の悪い花には見えない。

モミジカラマツ 2012.8.23撮影
葉がモミジの形、花がカラマツの形でモミジカラマツ。
右の赤い茎はコイワカガミの散ったもの。

三ノ池に向かう信者 2012.8.23撮影
剣が峰以北で初めて信者さんを見た。
こっそり後ろ姿を撮らせてもらった。
つくづく昨日の凛々しい女性信者さんを撮らなかったことが悔やまれる。
左の建物は三ノ池避難小屋。

三ノ池 2012.8.23撮影
三ノ池と剣が峰の分岐あたりからながめた三ノ池だ。

ミヤマコウゾリナ 2012.8.23撮影
舌状花(キク科の特徴)の黄色と黒の筒状の総苞とのコントラストが特徴的なミヤマコウゾリナだ。
奥のコバルトブルーはイワギキョウ。

クジャクチョウ 2012.8.23撮影
クジャクチョウは東北や北海道では平地でも見られるそうだが、中部では高山でしか見られない。
花にとまっているのもたくさん撮ったが、ピントが合っていなかったりで没だ。

チシマギキョウ 2012.8.23撮影
この場所ではチシマギキョウとイワギキョウが共存していた。

13:15 五の池小屋着。
静かな山旅、美しい池、ライチョウ、お花、クジャクチョウ、山歩きの楽しみを満喫した。
下山のつもりで二ノ池新館を出た朝が信じられない。
御岳百草丸に感謝すべきか。


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