一瞬、民主党が実施した数少ないマニフェストの高校授業料無償化を早々と撤回したのかと思った。
そうではなくていいニュースだった。
国際人権規約は1966年に国連で採択され、日本は1979年に批准した。
しかし、中・高等教育への「無償教育の漸進的導入」を規定しているA規約13条2項b、cを日本は留保した。
2005年の段階でこの条約の締約国は151か国だったが、この規定を留保している国は日本、マダガスカル、ルワンダの3国のみだった。
当時からこれはとても恥ずかしいことだと思っていた。
そしてルワンダが2008年に留保を撤回したとき、締約国160か国のうち残された国は日本とマダガスカルだけになっていた。
日本が留保している最後の国になって世界中に恥をさらすことになるのではないかと心配していた。
ちなみに2007年の国内総生産の世界順位は
日本 2位
マダガスカル 125位
ルワンダ 150位
言わずもがなだが、高等教育とは高校教育のことではない。
高校は中学といっしょで中等教育だ。
高等教育とは大学以降の教育を指す。
日本の大学教育費の高さは異常だ。
私が大学(国立)に入学したときは、ちょうど学費を3倍に値上げする時期にぶつかり、それまでの年間12,000円が36,000円になった。
もう1年早く入学していれば(つまり浪人せずに現役で入っていれば)卒業するまで年12,000円ですんだのに。
いきなり3倍に値上げしても年36,000円。
当時でもちょっときついアルバイトをすれば1日で1万円近い給料をもらえた。
4日もアルバイトをすれば1年間の授業料を稼げた。
私はいわゆる苦学生で、生活もふくめて親の援助なしで大学を卒業した。
それができたのだ。
今はとても無理だ。
国立大学の授業料は毎年のように値上げされ、今年度は535,800円だ。
めちゃくちゃとしか言いようがない。
貧乏人は大学へ行くなということだ。
野田内閣は「留保撤回」を閣議決定し、国連に通告した。
ところが、自公は民主党に高校授業料無償を撤回しろと迫っている。
同じ「撤回」でもえらいちがいだ。
まったく自民党・公明党は何を考えているのだろう。
特に「福祉の党」の看板を掲げている公明党のやっていることはひどすぎる。
赤旗9/12付に次のような記事があった。
赤旗9/12付 |
◆2011年夏 北アルプスシリーズ 39 三俣蓮華岳から高瀬ダム
ミヤマオダマキ 2011.8.1撮影 |
0 件のコメント:
コメントを投稿