尖閣諸島が日本の領土だということは疑いのない歴史的事実だ。
日本共産党はそのことを具体的論理的にはっきりと示している。
中国人といえど、この事実をきちんと知ればぐうの音も出ないだろう。
しかし、そのことだけで中国の反日行動を批判しても的外れのような気がする。
反日という言葉に表れているように、尖閣諸島はあくまで契機に過ぎず、根っこは反日なのだ。
なぜ反日なのか。
それは日中戦争だ。
中国の民は傷ついた民族の誇りを回復できないままでいるのだ。
なぜ回復できないのか。
その理由は2つあって、1つは日中戦争で日本から受けた仕打ちがあまりにひどすぎたということ。
中国の民は日本軍によって1千万人も殺された。
この数は想像を絶するものだ。
そしてその殺され方も想像を絶する。
百人切り競争、試し切り、南京大虐殺、731部隊、三光作戦…。
三光作戦とは「焼き尽くし、奪い尽くし、殺し尽くす」という作戦だ。
それまでの虐殺が単発的、突発的なものであったかもしれないが、三光作戦は組織的な作戦だ。
理由の2つめは、その日本による侵略の事実を当の日本がきちんと認めていないことだ。
のみならず、いまになってもアジア解放の戦争だったなどと美化する。
当然謝罪や補償もほとんどできていないに等しい。
そして日米同盟だ、テニアンでの米軍・自衛隊共同訓練だ、与那国島への自衛隊配備だ、憲法改正だなどと無反省なことばかりする。
これで中国の民衆がおさまるはずがない。
その怨念といってもいい反日感情は、何がきっかけであっても吹き出してくるのは私には理解できるような気がする(もちろん暴力・破壊的な行動は容認できない)。
赤旗 2012.9.17付 |
1932年、日本軍は中国東北部平頂山の住民3000人(数については諸説あり)を虐殺した。
記念写真を撮るとだまして崖下に集め、機関銃による一斉射撃で射殺、生き残りを銃剣で刺し殺し、火をつけて燃やし、最後は崖を爆破して埋めた。
1931年9/18の15年戦争(アジア太平洋戦争)のきっかけとなった柳条湖事件(満州事変、明日がその記念日)からわずか1年後のことだ。
1937年7/7の盧溝橋事件(日華事変)で日中全面戦争に入り、南京大虐殺はその年の暮れに起きた。
15年戦争の初期は平頂山、そして南京、最後は三光作戦、間に731部隊の悪魔の所行。
起こった歴史の事実は変えようがない。
しかし、その事実と真摯に向き合い、反省し、学び、平和へむけての教訓を引き出すことはできる。
たとえばドイツだ。
ドイツも第2次世界大戦でひどいことをした。
旧ソ連は2千万もの死者が出ている。
ユダヤ人は600万人のホロコーストだ。
しかし、ロシアやイスラエルで反ドイツ抗議行動とかあまり聞いたことがない。
それはドイツが戦後自らの戦争責任とまじめに向き合ってきたからだ。
日本は1日も早く日米安保条約を破棄し、アジアの一員として憲法第9条を高く掲げて歩んでほしい。
それが中国や韓国・北朝鮮をはじめとしてアジア、ひいては世界の信頼を得ることになるだろう。
◆2011年夏 北アルプスシリーズ 40 三俣蓮華岳から高瀬ダム
ミヤマアキノキリンソウとミヤマシロチョウ 2011.8.1撮影 |
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