熊沢誠という大学の名誉教授が事故の背景を分析している。
規制緩和という遠因が過当競争、格安バスサービスとつながり、最後は運転手のむちゃくちゃな働き方ということになる。
今回はこの記事の紹介ではない。
2年前にフランスをツアーで旅したときのことを思い出すのだ。
高速道路をツアーバスが移動する。
何時間かたってSAに入る。
私は自分で運転するときはなんでもないのだが、人の車に乗るとよく気分が悪くなる。
そのときも気分不良でバスの中で横になっていようとした。
すると、添乗員がバスから降りてくれという。
客にとってはトイレ休憩だが、運転手にすれば労働条件としての休憩だ。
バスの中に客が一人でもいると、運転手にとっての休憩にならないというのだ。
まあそんなこといわずにという世界ではない。
断固とした態度だ。
バスではないが、別の日のこと。
午後5時だったか7時だったか、ホテルの横にある小さなスーパーに入った。
店員は一人しかいない。
その店員が5~6人いる客一人一人に「閉店まであと2分だ」といってまわっている。
レジに並んだころは閉店時間が過ぎたみたいで、店員はいらいらした雰囲気でレジを打っている。
そこへ新たな客がドアから入ろうとした。
店員は「マダム!」と叫びながらレジから飛び出てその客をドアから押し出した。
そのときの店員の動きで、私の買った商品が床にばらまかれた。
それに対しての謝罪は一切なし。
私の方もあっけにとられて怒ることも忘れている。
冒頭の熊沢氏も労働条件、労働者の発言権、労働組合のことを問題にしているのだが、日仏のちがいを身をもって体験した。
ネムノキ 2012.6.20撮影 |
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