2012年6月8日金曜日

「再審=開かずの門」のブラックユーモア

昨日、東電社員殺害事件の再審が決定した。
無期懲役が確定して15年も拘束されていたマイナリ氏は自由になった。
喜ぶ家族の姿をテレビで目にし、本当に良かったと思う。
同時に失われた15年はだれが償うのかと思うとやりきれない。

ここ数年、これでもかこれでもかというほど警察・司法のでたらめさを見せつけられてきた。
今回の再審決定を聞いても驚きはしない。
やはりそうかというだけだ。

それにしても警察・司法関係者の無反省・無神経はどこから来るのだろう。
彼らのインタビューコメントを聞いても、あのときはもう確実にまちがいないとだれもが思ったと苦笑いしながら証言する。
今まで問題になった強引な取り調べなどなく、緻密に証拠を積み上げ有罪になったと。
「だからこわい」と人ごとみたいに判決に関わった元裁判官がしゃべっている。

しかしだ。
素人が聞いてもなぜと思うDNA鑑定の未実施。
1審で「疑わしきは被告人の利益に」のもと無罪判決を出したのに、2審3審では新たな証拠もなく「疑わしきはすべて被告人の不利益に」して有罪に。
どこに裁いた奴らを弁護する余地があるだろう。

大阪地検特捜部主任検事証拠改竄事件(長い!)のとき、NHKで元検事総長だったと思うがそいつと江川紹子が対談した。
そいつはしきりに前田検事が証拠(フロッピー)を改竄した事実を嘆いた。
昔はそんなことは考えられないことであり、今でも信じられないというのだ。
江川は冷ややかな態度で、「でもそれが検察の昔からの体質であり、それが今問題になっているのでしょ」と返した。
そいつは当惑して言葉を失った。

再審はハードルが高く「開かずの門」といわれている。
再審が安易に認められれば司法への信頼が揺らぐというのだ。
このブラックユーモアは笑えるが、被害者のことを思えば笑えない。

物的証拠が無く自白調書と状況証拠のみで有罪になった事件は、本人が今でも否認し続けているのであればすべて再審にしてほしい。
できれば検察・裁判官を総入れ替えして。


オオキンケイギク 2012.5.31撮影
◆数年前まではとても野草には見えなかったが、最近は生える場所からして野草っぽくなってきた。生育場所がみるみる拡大している感じ。調べてみると、他の植物を駆逐する勢いなので、特定外来生物に指定され、栽培・補完・運搬・輸入・植栽が禁止されているらしい。植物に罪はないのだが。

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