再稼働の理由付けは夏の電力使用ピークを乗り切れないという1点だ。
この1点の脅しに多くの人が屈していく。
しかしそれはあくまで脅しであって、事実はどうなのかを考えなくてはいけない。
去年の3.11までは日本の発電量の3割は原発であり、原発に反対するやつは電気を使うなといわれてきた。
この脅しははたとえば3割が2割になったらもう今までのような生活はできないぞという論調だった。
フクシマが起こったとき、この脅しを正当化するために東電は計画停電を実施した。
計画停電をしなかったら、原発がなくなるとおまえたちが困るぞという脅しがウソだったことになるからだ。
去年の4月、姉に「今原発がなくなっても電力はまかなえる」といったら、絶対に信じようとしなかった。
ほとんどの国民はムラのウソを信じていたと思う。
今でもあのときの計画停電が本当に必要だったと思っている人はいるのだろうか。
去年の夏、国民の節電という努力のおかげもあるが、東電は電力を余らせ他の電力会社に融通している。
計画停電もなかった。
次々に原発は定期検査に入り、発電量に占める原発の割合はゼロに近づいていった。
それでも電力はまかなえた。
原発推進のために眠らせていた発電設備を順次稼働させはじめたからだ。
ムラの人々は焦る。
「原発稼働ゼロになったら大変だ。俺たちのウソがばれてしまう」ということで、泊原発が定期検査に入る前にどうしても再稼働したかった。
ついに原発稼働ゼロの時が来た。
それでも電力に不足はなく、日常の生活に不便はない。
ウソをついてはバレ、ウソをついてはバレをくり返しているのだが日本人はなかなか我慢強い。
次の脅しが今いわれている夏の電力使用ピーク時の電力不足だ。
関西電力は15%の不足だといい、ムラは総力を挙げて脅しにかかっている。
では聞きたい。いつ15%不足するのか。
国民は去年の3.11以来ずっと節電に気をつかっている。
15%不足は困るからと今でも24時間体制で節電している人も多い。。
しかしよく考えてみよう。
今節電した電力が貯金通帳にたまって、夏場のピーク時に引き出せるのか。
関西電力はつい最近まで電気をたくさん使えばつかうほどポイントがたまる制度を続けていた。
発電できる量の範囲内ではできるだけたくさん使ってほしいのだ。
つまり電力は余っている。
節電などされたらもうけが減るではないか。
しかしムラの人たちは原発がなくなったら元も子もないからもうけが多少減っても電力が不足するぞと脅す。
夏場のピークとはいつなのか。
去年の夏もそうだったが、庶民は自身の健康を犠牲にしてまでもクーラーの使用を控えた。
しかし電力は余っていたのだ。
厳密には2週間か3週間かの午後の数時間のみが不足する可能性があっただけだ。
それ以外は電力は余り、ムラの人たちは電気を使ってほしかっただろう。
今年も同じだ。
誤解を恐れず言うと、今節電しても、夏の暑い日の午前、夕方、夜節電しても意味はないのだ。
揚水発電等いくらかの貯金(蓄電)する方法もあるが、現時点ではその効果も限定的だ。
むしろしっかり使ってほしいというのが電力会社の本音だろう。
関西でこの夏15%不足というのは、そうだとしてもある限られた期間の限られた時間帯だけだ。
それ以外は心配ない。
そこのところを知ってか知らずかマスコミは正確に報道しない。
もう一度言う。
夏の2~3週間、午後1時から4時ぐらいまでのみ国民は無理のない範囲で節電に励み、電力会社や民間企業は稼働能力を最大限に追求し、融通しあえば原発無しで乗り切れる。
もし原発無しでこの夏を乗り切ったらムラにとっては大変な事態だ。
なんとしてもそれだけは阻止したいとなりふり構わず再稼働に動く。
またしても国民はダマされるのだろうか。
*私は理科系の人間ではあるが、原発には素人に産毛が生えている程度だ。数字など細部ではいくつものまちがいがあるだろう。そこは大目に見てほしい。それと、日常の節電を否定しているわけではなく、むしろ大切なことだと思っている。
追記(2012.6.9) 野田首相が大飯原発再稼働の表明(6/8)をした翌日の赤旗から部分引用する。
エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議世話人代表 鈴木悌介氏
「夏に向けて電力が足りないと騒いでいますが、ピーク時と総電力使用量をごちゃ混ぜにしています。差し迫った問題は、真夏の数日の数時間のピーク時の電力需給です。そのときは大いに節電に努めればいい」
気候ネットワーク東京事務所長 平田仁子氏
「電力が足りなくなる恐れは、真夏の平日の昼間の数時間だけの話」
サツキ 2012.5.31撮影 |
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