2013年2月2日土曜日

生活保護費削減 政治は何のためにあるのか

生まれて初めてインフルエンザにかかった。
胸痛、高熱、頭痛の苦しみは3日ですんだが、咳・痰がなかなかおさまらず、何かをしようとする意欲のわかない日々が続いた。

政府は生活保護の扶助基準(おおざっぱにいえば医療費と家賃を除いた生活費)を下げるといい、来年度予算もそのように編成したらしい。
生きる意欲がなくなるような話だ。

基準引き下げの根拠は厚生労働省社会保障審議会(社保審)の生活保護基準部会が1/18に出した報告書(リンクはPDF)だ。
その報告書に基づいた厚労省の試算が下表。
赤旗日曜版2013.1.27付


低所得世帯とは、もっとも所得の低い10%の層(生活保護世帯は除く)のこと。
つまり、60才未満の生活保護世帯は低所得世帯よりいい暮らしをしているではないかといっている。
だから生活保護の基準を下げろとなる。
赤旗2013.1.29付
町村部に住む60代単身及び夫婦世帯を除くすべての世帯(96%)が減額になる。
これを3年かけて段階的に減額するという。
特徴的なことは、子どもを持つ世帯ほど減額が大きいということ。

このようなむごいことを本当に実施するのだろうか。
ここまで露骨に弱い者いじめができるのか。

低所得世帯10%の中には生活保護基準以下で暮らしている人がたくさんいると報告書はいっている。
あくまで比較検証しただけであり、その検証方法においても自信はなさそうだ。

…具体的にどのような要因がどの程度消費に影響を及ぼすかは現時点では明確に分析できないことなどから、全ての要素までは分析・説明に至らなかった。
 今回の手法についても専門的議論の結果得られた透明性の高い一つの妥当な手法である一方、これが唯一の手法でもない。今後、政府部内において具体的な基準の見直しを検討する際には、今回の検証結果を考慮しつつも、同時に検証方法について一定の限界があることに留意。
報告書概要から(リンクはPDF)
赤旗2013.1.29付 記事抜粋レイアウト変更
それゆえにか、報告書は生活保護基準を下げろとはいえず、

 厚生労働省において生活扶助基準の見直しを検討する際には、検証結果を考慮し、その上で他に合理的説明が可能な経済指標などを総合的に勘案する場合はそれらの根拠についても明確に示されたい。なお、現在生活保護を受給している世帯及び一般低所得世帯へ見直しが及ぼす影響についても慎重に配慮されたい。(概要)

などと厚労省に責任転嫁している。

社保審部会の比較検証が正しいものだったとしよう。
であれば、生活保護基準以下で暮らす多くの低所得世帯を救うことが政治の責任ではないか。
まずはその人たちが生活保護を受けられるようにすること。
それではじめて欧州並みの社会保障だ。

最低賃金の大幅引き上げも必要だ。
赤旗2012.12.2付
生活保護を受けなくても人間らしい暮らしができるようにするのが政治の仕事だろう。
神奈川県の労働組合が最低賃金1000円以上を求めて裁判を起こしているが、同組合によると、「生活保護を下回らない水準」にするには全国どこでも時給1100円以上になるとしている。

日弁連なども今回の政府案に対して厳しく批判の声を上げている。
赤旗2013.1.28付
このようにどう考えても生活保護基準を下げるなどということは暴挙としかいいようがない。
しかし、自民党にとってはそれは選挙公約だったのだ!

昨年末の総選挙において、自民党は生活保護基準の10%削減を公約にあげている。
今回の暴挙は3年間で8%近くの削減だから、自民党としては公約の実現だと胸を張っているのだろう。
ウソかほんとか知らないが、今回の件で自民党は支持率が上がったともいう。
何という政党だろう、何という国民だろう!

社保審部会は報告書概要で「一般低所得世帯へ見直しが及ぼす影響についても慎重に配慮されたい」といっている。
これについては以前私もブログに書いた(「生活保護基準引き下げはみんなが困る」)。
2つほど触れておきたい。

最低賃金は生活保護との比較で近年少しずつではあるが上がってきた。
それが生活保護の方が下がってしまうと、最低賃金を上げる根拠を失ってしまう。
生活保護受給者とワーキングプアを対立させる自民党の分裂支配にのせられる愚をおかしてはいけない。

貧困家庭の子どもたちはどうなるのだろう。
赤旗2013.1.15付
就学援助の基準は生活保護基準の1.1倍の世帯をめやすにして地方自治体が決めている。
小泉・竹中路線で一気に拡大した貧富の格差は、安倍自民党政権によってますます広がろうとしている。

安倍自民党がいう「日本の危機」から脱出するためにも、また「美しい日本」を取り戻すためにも、この格差社会の是正こそ急務ではないか。
赤旗2013.1.15付
生活保護基準を上げることは、今もっとも求められている国民の暮らしを底上げすることであり、それが政治の役割だと強調したい。

◆ ロウバイ(ロウバイ科ロウバイ属) ◆
ロウバイ 2013.1.31撮影
民家の裏庭。1月も終わりになると、いくつかの花が少しずつ目につき始めた。

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