2013年1月21日月曜日

続・安倍首相がさっそく「河野談話」見直し発言

前回はちょっと中途半端で終わってしまった。
もう少し事実や経過を整理してみたい。

そもそも今回話題になった見直し発言の出発点は昨年12/31付の産経新聞だったみたいだ。
赤旗2013.1.5付 レイアウトは変えた
「村山談話」と一体になっているが、ここでは「河野談話」に重点を置いて考える。
靖国派が従軍慰安婦の事実を否定できず、苦し紛れに「狭義の強制性」に焦点を当てようとしているわけだが、前回の赤旗掲載の西野瑠美子の談話はその欺瞞性をじゅうぶんにあばいている。

安倍たち靖国派はあのアジア太平洋戦争(彼らに言わせれば今でも大東亜戦争)はアジア解放のための正義の戦争、聖戦だという。
聖戦に従軍慰安婦問題も南京大虐殺もあったら困るのだ。

民間人や一政治家なら聞き流すことができても、首相や閣僚がそれを言ったら大変なことになる。
大変なことになるということがなぜわからないのだろう。
わかっていてやっているのならまさに自虐的だ。

今回も国際的な批判が巻き起こった。
赤旗日曜版2013.1.13付
米紙ニューヨーク・タイムズの3日付社説は次のような内容だ(赤旗1/5付から)。

●犯罪を否定し、謝罪を薄めようとするいかなる試みも、日本の野蛮な戦時支配を受けた韓国、中国、フィリピンを憤激させるだろう。
●安倍晋三氏は韓国との緊張をかき立て、協力をさらに困難とするような深刻なまちがいで、彼の在職期間を開始したいと思っているように見える。
●安倍氏がいかに謝罪を改訂するのかは明らかではないが、これまで、自国の戦争時の歴史を書き直したいとの願望を隠そうとはしていない。
●そのような修正主義は、過去の偽造ではなく長引く経済停滞の改善こそに集中すべき国を窮地に陥れるものだ。

このニューヨーク・タイムズの社説全文(訳)は、「日々雑記」というブログが紹介している。

実は安倍は2007年に首相だったときも同じことをしている。
アメリカから押しつけられた憲法は変えなければいけないと叫ぶ安倍が、アメリカに批判されたらすぐに「慰安婦」に対しておわびを表明し、ブッシュ大統領にもわびる。
恥というものを知らないのだろうか。

そのときのアメリカ議会の決議はその後どうなったかというと、

 旧日本軍の「慰安婦」問題で日本政府に公式な謝罪を求める決議は07年7月30日、米下院本会議で採択されました。
 同決議は、日本軍「慰安婦」を「身体的損傷や死、自殺をもたらした集団強姦、強制中絶、屈辱、性的暴力など、その残酷さと規模において未曾有のもの」と断罪。「慰安婦」の悲劇、第2次世界大戦における他の日本の戦争犯罪を軽視しようとしていること、戦時中の日本軍「慰安婦」問題をめぐり強制性と日本軍の関与を認めた河野官房長官談話を「無効にしようとする願望」に警鐘を鳴らしています。
 その後も決議可決の動きは続きました。オランダ下院、カナダ下院、欧州連合、フィリピン下院、韓国国会、台湾立法院が米議会決議と同様の決議を採択・可決するとこととなりました。
赤旗2013.1.6付から

このように安倍としてはたいへん屈辱的な体験をしている。
しかし安倍の「恥ずべき欲求」は自分自身でおさえることができない。

昨年11月、安倍が政権を握る前の話(安倍は自民党総裁に選出されている)だが、懲りない連中がアメリカで意見広告を出した。
赤旗(日曜版)2013.1.13付から

赤旗2013.1.6付 レイアウトは変えた
記事に書かれているように、2007年に安倍総理がブッシュにわびた時もその直前に今回と同様の意見広告を出している。
赤旗日曜版2013.1.13付 レイアウトは変えた
つまり今回もほとんど同じような経過をたどっているわけで、必然的に国際的な非難は高まり、アメリカはまた決議をあげようとしている。
皮肉にも、このような経過は、靖国派が歴史から何も学ぼうとしないという体質だということを証明している。

安倍は今夏の参議院選挙が終わるまでは爪を隠しておかなければいけないのに、自分の「恥ずべき欲求」をどうしてもおさえることができないのだ。

◆ 南イタリアシリーズ⑥ ウミネコ(チドリ目カモメ科カモメ属)◆
ウミネコ 2012.12.26撮影 カプリ島
「黄色いくちばしに赤と黒の模様」。ウミネコだ。カプリ島の港で、まったく人を恐れようとしない。2メートルぐらいの距離で撮影した。

0 件のコメント:

コメントを投稿