ニュースで、同じように体罰で子どもを亡くした方がインタビューで次のようにこたえていた。
「体罰でスポーツがうまくなったり、勉強ができるようになればいいのですが、そうならなくて死んでしまう子どもがいる。そのことを知ってほしい」
元プロ野球の桑田真澄の発言。
「体罰で野球はうまくならない。自分も中学校の時体罰を受けてきたが、そのときは野球はうまくならなかった」
1/11付の赤旗で尾木直樹の発言。
「体罰は教育と相いれない。…教育効果がないことははっきりしています。教育とは無縁の体罰は決して、許されてはいけません」
同じ赤旗の紙面で、編集局のスポーツ部長という人の発言。
「本来、部活やスポーツに、暴力や体罰は相いれません」
などといろんな意見を聞く。
もっともらしく聞こえるが、じゃあ教育効果があれば体罰は認められるのか、部活やスポーツ以外では体罰はいいのか、などと突っ込みを入れたくなる。
体罰にも程度はある。
殴る蹴るは暴力ではないか。
教育効果があろうがなかろうが、スポーツが強くなろうがなるまいが関係ない。
暴力であり、犯罪だとまず声を大にして言ってほしい。
他の国はいざ知らず、日本では教育における体罰容認の空気ははっきりとある。
橋下徹も次のように言っている。
赤旗 2013.1.12付 |
学校教育法の第11条に次のように書いてある。
「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、学生、生徒及び児童に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」
学校教育法で体罰が禁止されているというのもおかしい。
学校でなくても社会のすべての分野において(家庭内においても)暴力は人権侵害であり、法律違反であり、犯罪なのだ。
わざわざ学校教育法で体罰禁止を定めている趣旨は、私の解釈では、例えば正座させるとか、立たせるとか、橋下が言っているようなビンタとかもみ上げをつまんで云々とか、一般社会では犯罪とまでは解釈しにくいようなことまで体罰と規定し、禁止しているのだ(そういえば橋下は弁護士だった)。
殴る蹴るは体罰以前の問題で、何度も言うが犯罪だ。
このような体罰容認の教育界の中で、親が子どもを守らなくて誰が守るのかと思う。
我が子が暴力を受けていると知ったら、直ちに親は行動をしなければいけない。
モンスターペアレントといわれようと我が子の命には替えられないのだ。
実態はどうか。
「先生、うちの子はなぐってでもいいですからびしびしやってください」という親の何と多いことだろう。
実際に自分の子どもが体罰にあうと、またその親の態度も変わってくるのだが。
子どもが学校で体罰を受けたとき、私ならどうするかを考えてみた。
①授業中に立たされるとか正座をさせられた
理由A 体罰の理由が授業道具を忘れたとか宿題を忘れたとか質問にうまく答えられなかったとかであれば、まずそのようなくだらない教師に我が子が遭遇した身の不運を嘆く。
このような子どもを傷つける指導が何度も続くようであればその教師と話し合いの場を要求し、改善を求める。
理由B 体罰の理由が授業中の私語だとか、掃除をさぼっただとか、他人に迷惑をおよぼすようなことであれば、黙ってようすを見ておくだけにとどめる。
②ビンタをされた
理由Aの場合、すぐに学校へ抗議の声を上げる。
学校と教師が反省しない限り、絶対に許さない。
理由Bであれば、子どもの非を認めた上で教師の対応のまちがいをきちんと指摘しておく。
③ビンタや殴られてけがをしたり、蹴られた
理由ABにかかわらず、学校側が誠実に謝罪・反省しない限り絶対に許さない。
最終的には告訴まで考える。
ただし、子どもが先に教師に暴力をふるったとか、ひどい暴言を吐いたとか、つばを吐きかけたとかの場合、体罰の不当性は訴えながらも事を荒立てることはしない。
といったことになるだろうか。
今回の大阪市の件では、生徒は1回につき何十発も殴られ、それが何度もくり返されている。
しかもそのことを親も承知している。
子どもを亡くした親を責める気はないのだが、親が子どもを守らなくて誰が守るのかと思う。
なお、赤旗には次のような記述もある。
「どんな体罰も暴力。決して許してはならない。そう覚悟をもたなければ愛のムチはなくならないでしょう。人間の尊厳を守るたたかいは、私たち一人ひとりの問題でもあります」(1/11付1面コラム「潮流」から)
「体罰に是非論はありません。体罰は暴力であり、絶対に使ってはいけない“禁じ手”です。力の行使による指導は人権の否定であり、動物の調教と同じです。発達期の子どもの人格を傷つけ将来に負の影響を及ぼします」(1/12付 中京大学教授 近藤良享 談から)
体罰に教育的効果があるとかないとかいう前に、「体罰は暴力、人権侵害であり犯罪だ」とみんなが声を大きくすれば状況は飛躍的に改善すると思う。
以上、過去の自分を忸怩たる思いで振り返りながら書いてみた。
*今回の事件に関しての橋下徹の態度については以下の宮武嶺のブログを読んでほしい。
体罰を容認してきた橋下市長のあるべき反省と謝罪のしかた 追伸あり
◆ 南イタリアシリーズ② ◆
2012.12.26撮影 カプリ島 |
同上 |
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