弱肉強食の新自由主義によって格差社会をつくりだし、それをどこまでも広げようとする自公政権。
アベノミクスで富裕層は何億、何百億と資産を増やし、最貧層である生活保護受給者は生きる価値はないと言わんばかりにさらに痛めつける。
最近の一連の従軍慰安婦に関する橋下徹発言の端緒になった5/13の「『慰安婦制度』は必要だ」発言について、共産党の市田書記局長は当日の記者会見で次のように述べた。
「これほど人間の尊厳をおとしめる発言はない。人間の血が流れているのかと思うぐらいだ。公党の党首の資格がないだけでなく、市長たる資格も、国政を語る資格もない」
私は「人間の血が流れているのか」という市田氏の言葉を、満身の怒りを込めて自公安倍政権の面々に投げつけたい。
宮武嶺のブログ:「生活保護法『改正』案をわかりやすく解説する 生活保護は事実上利用できず、餓死者・自殺者が続出する!」
赤旗5/18 一面
生活保護 入り口で締め出し
法改悪案を閣議決定
安倍政権は17日、生活保護の申請を厳格化して申請者を入り口で締め出すことなどを盛り込んだ生活保護法改悪案と生活困窮者自立支援法を閣議決定し、国会に提出しました。
改悪案は、本人の資産や収入、扶養義務者の扶養状況を記した申請書と、判定に必要な書類の提出を申請時に義務付けます。
現行法では、役所で口頭で意思を表明すれば生活保護を申請できますが、実際には書類の不備などを理由に申請書を交付せず追い返す違法な「水際作戦」が問題になっています。改悪案は、すべての書類が整わないと申請できないと条文化することによって、「水際作戦」を合法化し、申請者を入り口で締め出すものです。
また、親族の扶養を事実上の要件とすることも盛り込みました。生活保護の実施機関が扶養義務者や同居の親族に「報告を求めることができる」と規定。官公署などに「必要な書類の閲覧もしくは資料の提出を求め」、銀行や雇い主に「報告を求めることができる」としました。
現行法では、扶養は保護の要件ではなく、扶養できるかどうか親族に照会が行われるだけですが、それでも「家族には知られたくない」と保護を辞退する人が出ています。
改悪案は、生活保護利用者に対し、「健康の保持および増進に努め、収入、支出その他生計の状況を適切に把握する」との責務を新たに課しています。生活保護利用者への差別的待遇を助長する内容です。
また利用者には「可能な限り後発医薬品の使用を促す」と法律上明確化しています。
自公政権は、生活保護法改悪は2014年4月から、後発医薬品の使用などは今年10月から実施することを狙っています。生活困窮者支援をうたう生活困窮者自立支援法案は、15年度から実施するとしています。
赤旗5/18 主張
生活保護改悪案
戦後最悪の安全網破壊許すな
生活保護費の大幅カットを盛り込んだ2013年度予算を成立させた安倍晋三政権が、生活保護法改定案と「生活困窮者自立支援」法案を国会に提出しました。
1950年に制定された現行生活保護法の本格的な改定は初めてです。提出された案は、生活困窮に陥った人をとにかく救うという現行法の仕組みを根底から覆す前代未聞の異常な法案です。
憲法25条が保障する国民の生存権の“最後の安全網”を切り裂く生活保護大改悪は絶対に許されません。
違法な申請拒否を合法化
安倍政権が発足以来すすめている生活保護の大改悪は、規模も内容も戦後の歴代政権のなかで最大・最悪のものです。
まず13年度予算で手をつけたのは、生活保護受給者の食費・光熱費などにあてられる生活扶助費の過去最大の削減の強行です。3年かけて総額740億円の生活扶助費を削減する計画が、今年8月から始まります。9割以上の受給世帯が収入減に追い込まれ、月2万円以上も減らされる子育て世帯も生まれます。そのうえ受給者数を強引に減らすなどして年450億円も生活保護費をカットする施策も盛り込んでいます。「アベノミクス」による生活必需品の値上げラッシュのなか、生活困窮者の生存を危険にさらす暴挙です。
続いて安倍政権が持ち出したのが改悪法案です。行政に助けを求めてきた人たちを窓口で追い返す仕組みを初めて条文化する重大な内容です。現行法は本人や家族らが口頭で申請することも認めているのに、改悪案は預金通帳などの書類提出を必須としたのです。住まいのない人や、配偶者からの暴力から逃げて着の身着のままで助けを求めてきた被害者の申請を事実上不可能にするものです。
いまでも行政窓口では申請をなかなか受け付けず、保護を断念させる対応があとを絶ちません。しかし、それらの窓口対応は生活保護法にてらして違法であると政府自身も裁判所も認め、自治体に是正を求めてきたはずです。いままでの違法を「合法化」する“クーデター的改悪”に、大義も道理もありません。
法案が、親族による扶養義務の強化を明記したことも受給者を排除する狙いです。保護を申請した人の親族らの収入や資産を調べるため、税務署や銀行、場合によっては勤務先にまで報告を求めることができる権限を与えました。親族の身辺を洗いざらい調査されることを避けるために、保護申請をあきらめる人が続発する事態をもたらしかねません。「生活困窮者自立支援」法案も、過度に「自立」を強調することで生活保護利用を妨げる危険をはらんでいます。
いまこそ世論と運動広げ
今回の改悪は、制定以来60年以上にわたって生活困窮者の命と生活を守り支えてきた現行生活保護法の理念を百八十度転換させ、「安全網」としての役割を機能不全に陥らせる、時代逆行の暴走です。生活保護をはじめ社会保障大改悪を阻む国民の共同した運動がいよいよ重要となっています。
保護が受けられず餓死・孤立死を多発させる危険な法案は撤回すべきです。保護が必要なのに保護から締め出されている人たちをなくし、生活困窮者の暮らしと健康を支える生活保護制度の充実こそが急がれます。
赤旗5/18 全国生活と健康を守る会・安形義弘会長 談
餓死・孤立死増やすのか
今回の生活保護法制の改悪案は、権利としての生活保障を否定するものです。
厚生労働省は3月に「(生活保護の)申請権を侵害していると疑われるような行為は厳に慎み」懇切丁寧な対応を自治体に指示していました。ところが改悪案は、口頭での申請を認めず、多くの書類の提出を義務づけるなど、これまで違法とされてきた申請者を追い返す「水際作戦」を合法化するものです。
人間らしい暮らしを求める人に対して、申請という入り口で生活保護の門戸を閉ざしてしまうことになります。国民の命綱を断つやり方は人間として許されない。貧困がよりいっそうひどくなり、札幌や北九州で起きた餓死・孤立死が増えることを懸念します。
家族・親族に扶養困難な理由の報告を義務づけたり、利用者の家計支出の調査を行ったりすることなどは、基本的人権の侵害です。
生活保護水準以下の生活を送る国民は推計で1000万人ともいわれます。本来は生活保護をもっと受けやすくすべきなのに、これまでの悪いやり方を「合法化」して利用者を減らす改悪案は、憲法を無視して申請権・生存権をふみにじるものです。
国民の土台を突きくずす生活保護法制改悪案の撤回、廃案を強く求めます。
赤旗5/18 解説
人権侵害 廃案しかない
自公政権は今回の生活保護法改悪案について、“必要な人には確実に保護を実施する基本的な考え方を維持”などと説明していますが、全くのごまかしです。自公政権が今回の改悪案に、社会保障審議会の特別部会でも議論されなかった申請の厳格化を盛り込んだのは、生活保護費を削減するためです。
これまで違法だった「水際作戦」を合法化するのは、受給抑制策の最たるものです。
親族の扶養では、福祉事務所の調査権限を拡大し、扶養義務者に報告するよう求めています。親族の収入や資産について直接報告を求められ、官公署や銀行などの情報も調査され、さらには勤め先にまで照会が行く―。親族の絆さえ引き裂かれかねません。
生活保護利用の入り口でこれほど高いハードルを設ければ、困窮している人たちを「確実に保護」するどころか、ますます保護から排除することになります。
現行法でも、“必要な人に確実に実施する”制度になっていません。生活保護を利用できる資格のある人のうち、実際に利用している人の割合(捕捉率)は、わずか15%前後です。先進欧州諸国の9割と比べて桁外れに低い捕捉率のもとで、餓死や孤立死が相次いでいます。
2012年1月の札幌市白石区での姉妹孤立死事件では、姉が相談窓口を3回も訪れているにもかかわらず、行政側は「懸命な求職」を求め、申請を受けつけなかった問題が明らかになっています。改悪案が実施されれば、餓死者や自殺者をさらに増加させることになるのは火を見るより明らかです。
憲法25条がうたう「健康で文化的な生活」を国が国民に保障するのが生活保護法です。この国民の権利を入り口から制限する今回の改悪案は、廃案にするしかありません。(鎌塚由美)
赤旗5/18 緊急行動
生活保護法改悪案に抗議
官邸前「生存奪うな」
生活保護利用者などが集まり、「申請できなかった人は死ねばいいの?」「貧者に対する攻撃を許すな」などと書いた横断幕やプラカードを手に訴えました。
同会幹事長で「自立生活サポートセンター・もやい」代表理事の稲葉剛さんは「ますます申請をさせづらくさせ、餓死や孤立死を誘発するものだ」と批判。「生活保護制度を解体する法案であり、廃案を求めて徹底的にたたかう」と話しました。
労働者を使い捨てにするブラック企業で働いていたという青年も発言。仕事が原因で病気になり、飛び降り自殺をはかり、足に障害が残ったと言い、「『これ以上生きるな』というのか。生存権を奪うな」と声をあげました。
◆ レンゲ(マメ科ゲンゲ属) ◆
レンゲ 2013.4.19撮影 |
0 件のコメント:
コメントを投稿