2013年5月29日水曜日

桜木紫乃 「ラブレス」なのに愛があふれている

1年以上前に知人から紹介されていたのを思い出し、先日桜木紫乃の「ラブレス」を読んだ。

映画ではしょっちゅう使われる手法だが、現在の出来事からはじめて過去にさかのぼり、現在と過去が同時進行で展開されるパターンだ。
慣れるまでは、登場人物の関連性や年齢などをイメージするのに混乱するような読みにくさがある。
荒さが気になる文章表現も見られる。
弟たちの人物造形にはまったく納得いかない。
小夜子の不倫という設定も何の意味があるのかと思う(不快)。

そのようなマイナス要因を差し引いても、この本にはあふれるほどの愛がつまっている。
意表を突くようなストーリーの展開もすばらしく、最後は圧倒されてしまう。
高く評価されていい作品だと思う。

2013年5月25日土曜日

志位委員長のツイッターから「原爆投下は神の懲罰」を考える

赤旗2013.5.25付
韓国・中央日報の「原爆投下は神の懲罰」記事が話題になっている。

NHKニュースで菅官房長官が「断じて許せない」といっているのを見て、日本政府としてはそのように抗議するのはあたりまえだし理解もできた。

しかし、今日(5/25)の赤旗の右のような囲み記事を見て、どうなんだろうかと違和感を持った。

日本が終戦(敗戦)記念日とする8/15を韓国は「光復節」として祝う。
36年におよぶ過酷な日本による植民地支配からようやく脱した日だから、韓国が祝うのは当たり前だし、日本人もそれは理解できるのではないか。

それでは「原爆投下は神の懲罰」は理解できないのだろうか。

2013年5月23日木曜日

琉球新報が橋下徹を糾弾する見事さ

橋下徹の「慰安婦は必要だった」発言からはじまった一連の騒動により、彼らの正体が一般人にもやっと理解されてきたようで、その意味では喜ばしいことだ。

先日宮武嶺のブログ「橋下氏が沖縄米軍に性欲発散のため買春を勧めた事を論証する 橋下市長は公職を辞任・維新は解党すべきだ」を読んでいて、そのコメント欄に、「この社説は見事にまとめられています。ぜひ、このページでも大きく取り上げてください」とあるのに気づいた。
貼り付いているアドレスをクリックすると、琉球新報のサイトが開かれ、5/18付の社説が掲載されていた。

一読して驚いた。
たしかに見事なまでに橋下徹を徹底批判している。

2013年5月22日水曜日

共産党参院選比例区を考える

参議院選挙が7月に迫ってきたが、公示日には選挙が終わっているという話もある。

2003年に公職選挙法が改定され、従来の不在者投票の要件が緩和されて期日前投票制度ができた結果、多くの人が公示日の翌日から投票をすることになった。
Wikipediaには「2007年(平成19年)の参議院議員選挙では、東京都の当日有権者のうち10.81%, 投票者のうち18.68%が期日前投票を利用した」とある。

つまり、さあ選挙だと張り切って政策を訴え、投票依頼をすると、すでに他党に投票したという人がけっこういるのだ。
何のために選挙運動期間があるのかわからなくなってくる。

2013年5月18日土曜日

「人間の血が流れているのか」 生活保護法改悪案を閣議決定

安倍政権は昨日(5/17)、生活保護法改定案と生活困窮者自立支援法を閣議決定し、国会に提出した。

弱肉強食の新自由主義によって格差社会をつくりだし、それをどこまでも広げようとする自公政権。
アベノミクスで富裕層は何億、何百億と資産を増やし、最貧層である生活保護受給者は生きる価値はないと言わんばかりにさらに痛めつける。

最近の一連の従軍慰安婦に関する橋下徹発言の端緒になった5/13の「『慰安婦制度』は必要だ」発言について、共産党の市田書記局長は当日の記者会見で次のように述べた。

「これほど人間の尊厳をおとしめる発言はない。人間の血が流れているのかと思うぐらいだ。公党の党首の資格がないだけでなく、市長たる資格も、国政を語る資格もない」

2013年5月17日金曜日

「母さん助けて詐欺」とアポロ11号

赤旗2013.5.13付
「振り込め詐欺」に代わる新名称が「母さん助けて詐欺」に決まった。
なんだこれは!?

決定に先立つこと何日前だったか、テレビで警視庁が「振り込め詐欺」の新名称を一般から募集しているというニュースが流れた。
それは警視庁の仕事なのか? 他にすることはないのか、と不審に思った。

で、決定したのがこの名称。

詐欺にあうのは母さんだけなのか、「じいさん助けて詐欺」ではいけないのか、ママと呼んでいる家庭は困るのではないか、などとどうでもいいことをつい考えてしまう。

警察も一般人もこれから「母さん助けて詐欺」という言葉を会話の中で使っていくのだろうか。

2013年5月14日火曜日

「ら抜き言葉」の何が悪いのか!

昨日(5/13)の赤旗「読者の広場」に68才の女性が「言葉は時代とともに変化して不思議はないが、最近の『ら』ぬき言葉や、やたらと○○的という言葉は気になる」という一節からはじまる投稿があった。
ら抜き言葉に対する非難をしばらく聞いてなかったので、久しぶりに聞いて朝から不愉快になる。

と思ったら、午後に観た映画「舟を編む」の最初の方で、敬愛すべき松本先生がいきなり「ら抜き言葉」を誤った日本語と決めつけて話を展開するので、本当にむかついた。

「舟を編む」雑感

タイトルに「雑感」などと書いたが、考えてみるとこのブログそのものが雑感だ。
お恥ずかしい。

昨年、三浦しおんの「舟を編む」が本屋大賞を受賞した。
本屋大賞とは「全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本」と本屋大賞のホームページにある。
今まであまり気にしなかったのだが、どういうわけか気になって、去年の5月頃図書館に予約を入れておいた。

予約を入れた時点で300人を超える人が予約待ちをしていた。
これじゃあ4・5年先になるなと忘れかけていた頃、今年の4月、映画の方が封切りになった。

原作を読む前に映画を見るというのも気が進ます、けっきょく映画は見ないだろうと思っていたところ、思いがけず10日ぐらい前に本が確保できましたと図書館からメールが来た。

2013年5月11日土曜日

ウクレレ奏者 ジェイク・シマブクロ 超絶技巧と人間性に敬服

昨日の赤旗(5/10)文化面に、音楽ライター中島ますみの記事が載っていた。
以下引用。

注目のウクレレ奏者 ジェイク・シマブクロの世界
ハッピーを伝えたい

 ウクレレ一本で世界中を魅了するジェイク・シマブクロは、1976年にハワイ・ホノルルで生まれ、4歳からウクレレを弾き始めた。さまざまな演奏者からインスピレーションを受け、クラシックやジャズ、ロック、ブルースなどあらゆるジャンルの音楽を、卓越したテクニックと独自のフィーリングで表現する。

2013年5月10日金曜日

NHK7時のニュースが憲法96条についてまともな報道をした!

昨夜のNHK7時のニュースだ。

安倍首相が出てきて、憲法を変えるのに国会議員の3分の1を超えて1人でも反対したら発議もできないというのは常識的にはおかしいなどと言っていた。

おかしいのはあんただろうと思いつつ、次の画面に出てきた右下のテロップを見て本当に驚いた。
「自民党は96条を改正した後第9条を改
正しようとしている」といった文だったからだ。

2013年5月9日木曜日

生活保護 最近のいくつかの出来事

先日日曜日深夜のNNNドキュメントは「生活保護 自立をめざして 釧路・豊中…先進自治体の挑戦」というものだった。

釧路ではケースワーカーが、豊中では就労支援コーディネーターが生活保護受給者を支援する活動を追った番組。
どちらも限られた予算の中で行政としてできることを精一杯やろうと努力している姿に好感が持てた。

どこかの自治体とは雲泥の差だ。

どこかの自治体の1つ、兵庫・小野市の条例についてはすでに本ブログで触れたが、それ以外に次に2つの件が前後してニュースになった。

2013年5月7日火曜日

サッカーくじ 海外まで拡大しようとする異様さ

4/26、超党派のスポーツ議員連盟が提出していたサッカーくじ改定法が国会で成立した。


2001年から始まったサッカーくじの正式名称は「スポーツ振興投票」で、その目的は次のようになっている。

2013年5月6日月曜日

ASEANは人類の希望

ソ連・東欧が解体して20数年、資本主義もさまざまな困難に直面し、世界中に閉塞感が漂っている。
そんな中、アメリカの支配を打ち破りながら社会主義的政策を重視して変革を進める中南米の動きが一条の光となっている。

それに対して資本主義の枠内であっても平和を求める強い意志で存在感を示しているのがASEANだ。
中南米とASEAN、この2つの潮流が人類の希望といえば大げさすぎるだろうか。

日本もさっさと安保条約を破棄し(対米追従をやめ)、このASEANの流れに乗っかってアジアの一員として世界平和に貢献してほしい。

2013年5月5日日曜日

「こどもの日」にイタリア映画「鉄道員」を観る

「こどもの日」にふさわしいものを何か書きたいなと思ったところ、映画「鉄道員」が思い起こされた。
1956年に制作されたピエトロ・ジェルミ監督・主演のイタリア映画だ。


この映画は去年の7月にNHK・BSプレミアムで観た。
いい映画だと思い、★が3つついている(観賞後の自己評価)。

2013年5月4日土曜日

リンカーンとアウンサンスーチーと憲法96条


スティーブン・スピルバーグ監督の「リンカーン」を先日観た。

リンカーンはアメリカ歴代大統領のなかでも際だって有名で立派な大統領という評価はだれも否定できないだろうし、私も尊敬している。
それは、「人民の人民による人民のための政治」という有名な言葉以上に、奴隷解放の偉業を成し遂げたことにあると思う。

映画を観てあらためてリンカーンの偉大さをかみしめたかというとそうでもなかった。
逆に幻滅した部分があるかも知れない。

それは大義のためなら手段を選ばないという政治手法を赤裸々に描いた映画だからだ。

2013年5月3日金曜日

憲法96条改定 改憲論者・小林節も怒った

憲法記念日だ。

安倍首相が参院選の結果を待たずして憲法を変えようと前のめりの姿勢を打ち出したため、今日は例年以上に各地でさまざまな動きがあることだろう。

昨夕、1週間遅れの赤旗日曜版を見ていたら、1面に「改憲論者も怒った 96条改定は憲法破壊!」という見出しで小林節という憲法学者が意見を述べていた。
これがとてもおもしろいので、最後に引用する。

この赤旗日曜版の記事を読み終えた直後、NHKの7時のニュースが始まり、憲法に関する世論調査の結果を紹介しはじめた。