2013年1月14日月曜日

冬の探鳥会

地域の公民館主催の探鳥会が1/12(土)にあった。
この公民館の探鳥会は昨年の6/6(雨で座学だった)以来だ。
私的な探鳥会には何度か参加したことがあるが、このような組織だったものに参加するのは初めてだ。

ウミアイサ(カモ目カモ科アイサ属)

集合場所に行く途中、水に潜っている鳥を見つけた。
カワウにしては小さいし色もちがうので、カモかなと思っていた。
そのとき液晶で確認していればカモでないことは明らかだったが。

ウミアイサ(メス) 2013.1.12撮影 以下すべて同じ日
探鳥会で先生がカモの話をしているとき、カモは水に潜らないと言われた。
そうするとあの鳥は何だったのだろうと口にしたら、となりのご婦人がそれはカイツブリにちがいないと教えてくれた。

帰ってパソコンで見てみると、見たことのない不思議な鳥だった。
もちろんカイツブリではない(カイツブリじたいよく知らないのだが)。
水に潜る鳥の幼鳥だろうと見当をつけていろいろ調べてみるがわからない。

こういうときはいつもの手段で友人の鳥博士に聞くに限る。
携帯用に縮小してEメールで問い合わせる。

帰ってきた返事はカワアイサのメスで、この川では博士も見たことがないらしい。
聞いたことのない名前だが、ちょっとめずらしい鳥を撮影できたみたいでうれしい。

そこでネットでカワアイサを検索してみる。
確かによく似ている。
よしカワアイサで決定、と思っていたら、たまたまウミアイサの画像が目に入った。
こちらの方がより近いのではないか。

そこでまたいろいろ検索してみる。
そうするとけっこうカワアイサとウミアイサのちがいで苦労している人がいるみたいで、「ほっと野鳥」というブログに行き当たった。

これでウミアイサに決定、と思ったのだが、この人はウミアイサは名前の通り海にしかいないと言っている。
川にいたという証拠がないかとまたまた検索。
そこで見つけたのがまさに「川のウミアイサ観察記」。
もうまちがいないだろう、ウミアイサだ!
集合場所の親水護岸には十数人集まっていた。

50代がいるかどうか、ほとんどが60以上だろう。
しばらくその場所で先生の話を聞きながら見える範囲の鳥を観察する。

カモ類はいつでもどこでもいたるところで目にするので写真に撮る気もしない。
先生が上を見て、あれはキジバトですねといわれる。
キジバト(ハト目ハト科キジバト属)
キジバトとはよく聞く名で、めずらしくも何ともないのだろうが、私などはキジバトだと認識して実物をじっくり見るのは初めてだ。
ふだんはドバトと区別なしで見過ごしているのだろう。

先生が集合場所で長話をしている理由は、カワセミが視野に入ってくるのを待っていたのだ。
そしてただ一人30代と思われる公民館の館員が対岸にカワセミを見つける。

集まった人たちはカワセミを見たことがない人がほとんどだった。
そこでしばらく大騒ぎで観察だ。
私は自宅前の観察ポイントで毎日のようにカワセミを見ている。
ただ距離があるのでいい写真が撮れないでいる。
一眼の望遠など持っていないのだ。

そのときもカワセミは対岸から近寄ることはなかった。

シメ(スズメ目アトリ科シメ属)

下流に向かって移動を始めたとき、突然男の人が「あれは何?」と対岸を指さして声を上げた。

先生はすぐに「今日一番の鳥だな、めったにみれないシメだ」と言われた。

対岸の木の枝にとまっていたのだが、私は確認できないままどこかへ飛んでいった。
残念、と思った直後、こちらの岸の目の前の木に飛んできた。
みんなシメシメと言いながら観察を始める。

シメシメなどというダジャレは鳥の専門家たちは決して口にしないだろうなと思いながら、私も夢中でシャッターを押す。

シメ
鳥の方は赤い実(ノイバラと思われる)に夢中になってこんなに近くに大勢の人がいても逃げようとしない。
しかし何枚撮ってもまわりの小枝に隠れていい写真にならない。


ヒドリガモ(カモ目カモ科マガモ属)

移動しながら先生の話にみんな「へぇー、へぇー」と言いながら聞き入る。
スズメ、カラス、トビぐらいしか知らないものにとっては何を聞いても「へぇー」という感じで感心してしまうのだ。

カモの話になって、この川で一番多いのはヒドリガモだといわれる。
ここで私の目が点になる。
ヒドリガモという名前からにして初めて聞くのだ。

私の先入観では、マガモが一番多くて次にオナガガモ。
コガモは子どものカモでなくコガモという種だということを最近知ったぐらいで、そのカモもいるだろう。
キンクロハジロもいるだろうが見たことはない。
これぐらいの認識で、この川のカモのことはだいたいわかっているつもりだった。
それがもっとも数の多いヒドリガモを知らないとは。
われながら自分の無知さかげんにあきれてしまう。

マガモは頭が緑色なのだが、茶色のヒドリガモもマガモだと思っていた。
何度も見ているのだが、マガモとヒドリガモの区別をしていなかったわけだ。
写真はあとでカワウのところで掲載。

カモメ類(チドリ目カモメ科カモメ属)

河口まで移動してきた。
数え切れないぐらい浮かんでいるカモメや飛びまわっているカモメを見ながら次のような先生の話を聞く。

カラスという名前のカラスはいない。
ふつう見られるカラスはハシブトガラスかハシボソガラス。
だが、カモメというカモメはいる。
カモメ、セグロカモメ、ユリカモメ、ウミネコの4種類がこの河口にいる。
ユリカモメが一番小さい。
カモメが中ぐらいの大きさ。
セグロカモメが一番大きい。
ウミネコはくちばしが赤・黒・黄で、日本で唯一繁殖するカモメ。

これだけの説明ですぐには見分けることができない。
次の写真の中に何種類のカモメが写っているのだろう。

カモメ類
くちばし全体が赤い3羽はユリカモメだ(自信がある)。
一番奥にいる大きいやつは下くちばしに赤い斑点がひとつだけあるのでセグロカモメにちがいない(これもけっこう自信がある)。
その手前の右を向いているやつはくちばしが黄色いし大きさも中ぐらいだからカモメだろう(ちょっと自信がない)。
中央の正面を向いている1羽と左から2番目のやつが何かわからない。

同じ種でもオスとメスで少しはちがうだろうし、若いのと年寄りとでもちがうだろう。
その辺の区別がつくには10年早いかな。

ウミネコ
ウミネコは黄色いくちばしの先に赤と黒の模様でわかりやすい。
それにしてもウミネコの目は微妙だ。

鳥合わせ

2時間ちょっとの探鳥会が終わり、最後にみんなが見た鳥を確認する。
鳥合わせというのだそうだ。

最初にもらった「探鳥会の記録」というA4の用紙には170種類の鳥の名前が書いてある。
その中でいくつ観察できたかというと、

カンムリカイツブリ、カワウ、コサギ、アオサギ、マガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ミサゴ、トビ、イソシギ、ユリカモメ、セグロカモメ、カモメ、ウミネコ、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、メジロ、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス

の28種だった。

ところで、その記録用紙の鳥名の欄外にドバト、アヒル、セキセイインコの3つが書かれている。
この3種は野鳥ではないという理由だ。

ここでも「へぇー」とうなってしまう。

ニワトリは野鳥ではないと言われればすぐに納得できるのだが、ドバトも除外するのはちょっとどうだろうかと思ってしまう。

アヒルはマガモを家畜化したもので、生物学的にはマガモと同種だ。
しかし野生化しているのだし、なにより容姿がマガモと全然ちがう。
マガモ、ヒドリガモ、カルガモなどの区別のつかないようなものを野鳥の別種にしているのだから、アヒルなどは文句なしに野鳥の仲間に入れてほしいと思う。
アヒルからすればどうでもいいことだろうけど。

私としてはドバトを含めて29種。
そして集合前に私だけが見たウミアイサを含めてちょうど30種としておく。
この数は友人の鳥博士に言わせると、たくさん見れたねということで、満足している。

解散後、河口近くの公園をぶらぶらしながら鳥の写真を撮った。

ムクドリ(スズメ目ムクドリ科ムクドリ属)
めずらしくもないムクドリ(まちがってないよね)だろうが、白い実のなる木(おそらくナンキンハゼ)の中でなかなかいい写真だろう(自画自賛)。

ショウビタキ(メス)(スズメ属ツグミ科ショウビタキ属)
この鳥(ジョウビタキ)もありふれた鳥なのだろうが、私としては名前と姿を初めて一致させた。

カワウ夫婦(ペリカン目ウ科ウ属)

川土手をさかのぼって国道近くに来たとき2羽のカワウがいた。

カワウとマガモ、ヒドリガモ
右のやつはカワウの習性で翼を乾かしているのだ。
左のやつは首から上がまっ白で、足の上の方も白い。
どういうことだろうかといろいろ調べてみたのだが、はじめはカワウの幼鳥だろうと推測した。
次にウミウかなと思ったりもした。
そして最後にカワウの婚姻色だという結論に達した。
つまり、カワウ親子ではなくてカワウ夫婦というわけだ。

ネットでいろいろ調べているうちに、カワウは広島県では害鳥あつかいになっていることを知った。
この件では今のところ見解を控えておいた方が良さそうだ。

さて、この写真には偶然マガモとヒドリガモが写っていた。
左の頭が緑色のやつがマガモ、右の茶色いのがヒドリガモだ。

ハクセキレイ(スズメ目セキレイ科セキレイ属)
国道を越えて自宅の方へゆるゆると歩いて行く。

イソシギ(チドリ目シギ科)

カワセミ(ブッポウソウ目カワセミ科カワセミ属)

最初にシメを見たあたりまでもどってきた。
カワセミが目の前をすっと飛んでいった。
じっと動かずに待っていると、帰ってきて5メートルぐらいの距離で木にとまった。
今までで一番の近距離だ。
ドキドキしながらたくさん写真を撮った。
しかし手前の小枝に焦点が合ってしまって、どうしてもピントが合わない。
シャッターを半押ししてカメラがピントを合わせようとしてレンズが動いている途中で強制的に全押ししてみた。
そうして1枚だけ何とか見れる写真が撮れた。
(手動でピント合わせがさっとできればいいのだが)

カワセミ
ややピンぼけだが、カワセミの写真としては今までで一番いい写真だ。
また一歩進歩したなと喜んでいる。

こうして冬の探鳥会は終わった。
なかなか充実していたなと思う。
とくに探鳥会の前後が。

2 件のコメント:

  1. 今晩は。
    ほっと野鳥管理人のdoudesyoです。
    ご丁寧にリンクのご連絡ありがとうございます。
    探鳥会に私は行ったことがないのですが、とても充実しているようですね。
    これからますますいろいろな野鳥たちと出会えることを祈ります。

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  2. doudesyoさんのブログは鳥好きにはたまらなく魅力的だと思います。これからもお世話になると思いますのでよろしく。

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