前回(2009年)の総選挙で惨敗したときと比べ、自民の得票率はやや増えたものの同じ水準だった。
赤旗2012.12.18付 レイアウトは変えた |
それなのに今回は圧勝である。
圧勝の要因が小選挙区制にあることはテレビも新聞もすべてが指摘している通りだ。
そのことを自民党自身もよく理解しているとみえ、前回圧勝した民主党のように浮かれた会見はなかった(と思う)。
それでは前回民主党が獲得し今回失った大量の票はどこへ行ったのか。
日本維新の会とみんなの党へ行った。
次の政権は民主、自公、第3極のどれを選択するかの政権枠組み選挙だというマスメディアによる大キャンペーンに国民は踊らされた(と思う)。
結果国民は第3極を支持した。
第3極とは日本維新の会、日本未来の党、みんなの党の3つだ。
未来の党の敗因はよくわからない。
みんなの党の勝因もよくわからない。
維新の会はもっと増えるかなと思っていた。
とにかく国民は維新の会とみんなの党を選んだのだ。
ところで共産党は1議席減の8にとどまった。
社民党は5から2という衰退だ。
共産党も社民党もマスメディアがいう第3極に入っていない。
つまり、共産党と社民党は投票の対象外というわけだ。
今回の選挙は大きな争点がたくさんあった。
それらに国民はどのような判断をしたのだろうか。
消費税。
野田は増税を実施する前に民意を問うと言っていた。
自民党は増税法案採決前に民意を問えと言っていた。
民主惨敗自民圧勝だからどうなるのだろう。
増税法案は民自公3党の合意で成立したのだから何とも言いようがない。
みんなの党は「増税の前にやるべきことがある」だし、日本維新の会は地方税化で11%に増税だ。
民意はいつだって増税反対が過半数だ。
原発。
「福島」があってまだ2年も経っていないし、事故も収束したとは言い難い。
避難者数もいまだに16万人レベルだ。
「みんな」は「20年代にゼロ」、維新は「ゼロは公約でない」。
つまり再稼働には反対ではないのだ。
TPP。
国民レベルでの意識はよくわからないのだが、農業関係、医療関係、自治体など大きな組織の多くが反対・慎重姿勢を示している。
何より農水省自身の試算で食糧自給率が今の40%から13%になるといっている。
「みんな」も維新も「交渉参加」だし、維新は「混合診療解禁」とまでいっている。
憲法。
朝日新聞5/3付憲法世論調査では9条について「変えるほうがよい」30%にたいし、「変えないほうがよい」は55%。(憲法全体については改正する「必要がある」が51%と多い)
「みんな」は集団的自衛権行使を容認し、「憲法改正の前に公務員制度改革が必要」と条件はつけているが要は改憲派だ。
維新はすさまじい。
集団的自衛権の行使は強く主張、「憲法改正では自民党と連携する」と石原が明言。
都知事時代に「憲法を命がけで破る」と公言し、核武装が持論の石原が代表だ。
その超右翼、超時代錯誤、超自己中心では右に出るものがいないぐらい。
これらの争点に明確に民意にそうよう公約を掲げているのは共産党と社民党ではないか。
その党が停滞、衰退ではいったい民意はどこに行ったのか。
◆ キミガヨラン(リュウゼツラン科キミガヨラン属) ◆
キミガヨラン 2012.12.6撮影 |
0 件のコメント:
コメントを投稿