野田が街頭で突然「脱原発!」と叫びはじめてあっけにとられる。
今日の赤旗一面には、「自主投票」の沖縄2区を除く299選挙区で候補者の擁立を決め、候補者擁立で日本共産党は第1党です、と誇らしげに書いてある。
そう言われても私としては違和感がある(共産党熱烈支持だが違和感も多いのだ)。
小選挙区制が敷かれて最初の総選挙(1996年)では共産党も小選挙区で2議席を獲得した。
京都3区の寺前巌と高知1区の山原健二郎だ。
以後現在に至るまで小選挙区での当選はない。
私は共産党が選挙のたびに全選挙区へ立候補者を出すことに疑問をもっていた。
革新票を分断して自民党を利するだけだということではない。
単純にお金のムダ使いではないかということだ。
小選挙区に立候補するためには供託金が300万円必要だ。
比例区では、比例区のみの立候補には600万円、小選挙区との重複立候補では300万円となっている。
小選挙区だけで考えると、全選挙区立候補では、300万×300人で9億円だ。
供託金は得票率が1割を超えるともどってくる。
300人が全員落選しても全員が1割以上の得票を得れば9億円は返ってくるのだ。
では共産党は今までどうだったのか。
Wikipediaから |
それ以後は8割が没収だ。
あきれかえるほど共産党には票が集まらない。
他の党は供託金を政党助成金から支出していると思う。
没収されたってもともと国庫から出たものを国庫へ返すだけだ。
共産党は政党助成金を受け取っていない。
だから選挙のたびにたいへんな苦労(募金活動)をしている。
集める方もたいへんだが、出す方も余裕があって出しているわけではない。
そうして庶民からかき集めた何億というお金が国に没収されていくのだ。
疑問を持たない方がおかしいのではないだろうか。
2004年の暮れの中央委員会だったか、共産党は今までの全選挙区立候補の方針を転換した。
私は心から歓迎した。
それでも2005年の選挙では275人も立候補している。
私はせいぜい50人ぐらいだろうと思っていたので、がっかりした。
前回の2009年は立候補者は152人と減ったが、それでも3億円以上没収されている。
そうして今回、また全選挙区立候補だ(正確には299人)。
かなり赤旗など熟読しているのだが、この辺の経緯は理解しにくい。
納得のいく総括がじゅうぶんなされているようには思えない。
今回の選挙は今までとはまたちがった情勢があって、今回こそ全選挙区出さないでどうするという声が聞こえてきそうだ。
それは理解できる。
理解できるが、たとえ共産党が議席倍増したところで、供託金没収が莫大なものになることは目に見えるようだ。
志位委員長は全国決起集会の報告で、神奈川県の女性の話をした。
共産党に1000万円寄付することが夢で、しんどい仕事をしながら、こつこつと20年間ため続けて、このたび目標額に達したので、喜び勇んで共産党に届けに来たという話だ。
この話は全国の党員に決起を呼びかけるための絶好の話題だと判断したのだろう。
後のいろんな場面で紹介されていると思う。
ここでも違和感を覚える。
その女性の純粋な心がけには頭が下がるが、党としてそのお金を受け取っていいのだろうか。
その女性の行為に報いるだけの活動ができるのだろうか。
その女性にとっての1000万円はかけがえのない大切なものに思える。
しかし、小選挙区立候補者4人分の供託金にも足らないのだ。
しかも当選はおろか金は没収される(失礼)。
比例区の供託金についてもいろいろ思うことがあるが、ここではおいておく。
供託金制度そのものについても見直しが必要であろう。
他の国の例がいくつかWikipediaに載っていた。
Wikipediaから |
ここにも日本の異常がある。
最後に付け加えておきたいことは、私は熱烈な共産党支持者だ。
今回の選挙では、目標の議席倍増をぜひ果たしていただきたい。
◆ サボテン(サボテン科) ◆
サボテンの花 2012.11.29撮影 |
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