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日本には世界と見比べてみて異常な点が多々ある。
子どもを持つ家庭では異常に高い教育費が切実な問題になっている。
(私も昨年9月に 国際人権A規約 「無償教育の漸進的導入」留保を撤回 というブログを書いた)
ついに我が子(中3生)も塾へ通うことになった。
週2回、1回80分、個別指導で月謝は3万円少し。
目が飛び出そうなぐらい高い。
息子が「金がないと勉強できないのはおかしい」とつぶやいた。
学校の図書館でそんな資料を目にしたらしい。
せめて息子が大学へ進学する(と思うのだが)までには教育費の負担が軽減されることを祈っている(自己中)。
2013/4/8付の赤旗「日本の異常」シリーズは、大学の学費・奨学金を取り上げた。
以下その引用。
4年で700万の借金 「何のための大学か」
若者苦しめる高学費・奨学金返済
新入生が希望に胸をふくらませる春です。しかし高すぎる日本の学費は、充実した大学生活を望む若者の前に立ちふさがり、子育て世帯に過重な負担を強いています。学費問題を通して「日本の異常」に迫ります。
「公認会計士の資格をとろう」
東京都内の私立大学に入学したとき、田原真人さん(23歳=仮名)は意欲に燃えていました。「商学部の勉強はおもしろい」。順調に簿記2級に合格しました。しかし1年目の冬に、挫折しました。
両親は自営業。1990年代のバブル崩壊後、経営が悪化しました。「大学には行くといい」。進学を後押ししてくれましたが、費用は奨学金に頼らざるをえませんでした。
大学の学費急騰
入学金と4年間の授業料で約400万円。生活費が4年分で約300万円。合わせて700万円を超す借金を背負いました。
それでも生活費は足りませんでした。居酒屋で週3~4回、午前3時か5時まで働きました。授業に出られずアパートで眠る日が増えました。自由な時間が限られ、簿記1級の分厚いテキストをこなせませんでした。
わずかな貯金ができても、実地調査の授業の交通費と宿泊費に消えました。友人から映画館に誘われても断り、趣味の映画は100円のレンタルビデオを借りて見ました。
「高い学費で学生生活が台なしにされる。何のための大学なのか。おかしな国です」
日本の大学の学費は70年代以降、急騰しました。初年度納付金は60年と比べ、国立大学で約82倍、私立大学で約19倍になっています。(グラフ)
給付奨学金なし
世界に目を向けると、日本の教育政策の異常さは際立ちます。
OECD(経済協力開発機構)加盟34カ国のうち、半数の17カ国は大学の授業料が無償です。
フランスは登録料171ユーロ(約2万4千円)のみ。スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークは登録料もない徹底した無償制です。
そのうえ32カ国で、返済義務のない給付制奨学金が支給されています。授業料が比較的高いアメリカでは65%の学生が受給。授業料が無償の国でも、低所得の家庭の学生に生活費を保障するなどの目的で支給されています。
授業料が有料で給付制奨学金さえないのは、日本だけ。文字通りの「例外国家」です。
進学阻む 学力よりも障害に
日本では、若者の夢にとって高い学費が最大の妨害物になっています。大学に行きたくても行けない生徒に関して「学力より学費の制約が強くなってきたと思うか」との問いに対し、全国で進路指導を担当する高校教員の多くが「とてもそう思う」(19%)、「ややそう思う」(53%)と答えています。(2011年、ライセンスアカデミー調査)
両親の年収別に高校卒業後の進路をみると、このことは歴然としています。年収1000万円以上では4年生大学の進学率が6割を超えます。他方400万円以下では3割です。(グラフ1)
憲法と教育基本法が禁じる「経済的地位による教育上の差別」が生じているのです。
公的支出 国も「かなり低い」
日本の公財政からの教育支出は「他のOECD加盟国に比べてかなり低い」。
日本の高等教育予算はGDP(国内総生産)比で0.5%。OECD加盟国中、最下位です。自民党型政治が教育予算を抑制してきたためです。
同調査結果は、公費負担と私費負担に分けて、教育支出(学校外教育は除外)の割合を調べています。
大学などの高等教育段階では「私費負担30%」がOECDの平均です。ところが日本の私費負担は、64.7%にも達しています。
サラ金化 取り立てを強める
現在、学部生の50.7%が奨学金を利用しています。(2010年度、日本学生支援機構調べ)
前出の田原さんは医療事務の仕事が決まり、自力で奨学金の全額を返済する計画です。大半は有利子です。
「社会人になった時点で700万円以上のハンデがある。伸び伸びできません。将来の結婚も考えるけど、その資金もためられそうにありません」
雇用の悪化で、奨学金を「返したくても返せない」人が増えています。延滞開始理由の75.3%が「家計の収入が減った」ことです。
ところが政府は救済策を講じるのではなく、取り立てを強化してきました。2010年以降、延滞3カ月で個人信用情報機関(いわゆる「ブラックリスト」)に載せ、延滞9カ月で機械的に裁判所への支払督促申立など民事訴訟法に基づく法的措置をとっています。
ブラックリストへの登録は1万2281人(12年5月)にのぼります。訴訟に至った件数は5年間で4倍に急増。学生支援機構による財産の差し押さえも増えています(グラフ2)。「奨学金」の名に値せず、「サラ金と同じだ」との声が上がっています。
「サラ金化」の背景に奨学金のローン化への変質があります。1990年代後半から奨学金受給者はうなぎ上りに増えていますが、ほとんどが有利子です。
「ローン化」のきっかけは、1999年の自民・公明両党の合意です。有利子奨学金の受給者を2.5倍に増やすことなどを決めたのです。
これは財界の要求に応えた合意でした。財界は「学費をある程度高くするいっぽう、奨学ローンを充実させることが必要」(99年、社会経済生産性本部)などと提言。教育予算の抑制と同時に、若者に借金を負わせて利子でもうけることを狙ったのです。
救済策の実現早く 宮本岳志衆院議員の話
「サラ金化」した奨学金の被害にあう若者の深刻な実態を告発した私の質問(1日)に対し、下村博文文科相は「真に困窮している方への適切な対応を考える時期」だと答えました。ならば、奨学金の返済猶予期間の5年上限の撤廃、ブラックリスト化の中止、延滞金(年利10%)の撤廃などの救済策を早く実現すべきです。
そもそも日本政府は昨年9月、中等・高等教育の漸進的無償化という国際人権規約の条項の留保を撤回しました。高校・大学までの段階的無償化の具体化を迫りましょう。
給付制奨学金の創設、有利子奨学金の無利子化、国公立大学の授業料減免の拡大、私立大学の授業料直接助成の制度の創設を実現させましょう。参院選に向け、これらを求める世論と運動を広げるときです。
このグラフのみ赤旗2012.12.22付から |
◆ ツルニチニチソウ(キョウチクトウ科ツルニチニチソウ属) ◆
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