NHK・BSプレミアムで2年ぐらい前からはじめていた「山田洋次が選んだ日本の名作100本」シリーズが今年の3月で終了した。
前半の50本が「家族編」で後半の50本が「喜劇編」、合わせて100本、できるだけ観ようとがんばった。
ここでは「喜劇編」について書く。
このシリーズをはじめるにあたって、山田洋次監督は次のようなメッセージを視聴者に送っている。
かつて、映画館には喜劇があふれていた。
正月は満員の映画館で観客がみんな笑っていた。
寂しいことに、今は笑える映画が少なくなっている。
そんな思いを抱きながら、喜劇50本を選びました。
日本映画がどれだけ素敵な喜劇を作ってきたか、その笑いの数々をこの機会に体験してほしい思います。
山田洋次監督には「幸福の黄色いハンカチ」をはじめ、「学校」シリーズなど私も大好きな映画がたくさんあり、尊敬している。
その監督が選んでくれた50本ではあったが、結論を先に言うと、がっかりした。
ブログを書くに当たって、私が観た作品をまとめてみると、50本のうち46本を観ていた。
その各映画の私の評価が下表(制作年順)だ。
山田洋次監督が選んだ日本の名作100本 喜劇編 | ||||
作 品 名 | 監 督 | 主 演 | 制作年 | 評 価 |
マダムと女房 | 五所平之助 | 渡辺篤 | 1931年 | ★ |
大人の見る繪本 生れてはみたけれど | 小津安二郎 | 斎藤達雄 | 1932年 | ★★ |
丹下左膳余話 百萬両の壺 | 山中貞雄 | 大河内傳次郎 | 1935年 | ★ |
有りがたうさん | 清水宏 | 上原謙 | 1936年 | ★★ |
エノケンのちゃっきり金太 | 山本嘉次郎 | 榎本健一 | 1937年 | ★ |
東京五人男 | 斎藤寅次郎 | 古川緑波 | 1945年 | ★ |
狐の呉れた赤ん坊 | 丸根賛太郎 | 阪東妻三郎 | 1945年 | ★★ |
お嬢さん乾杯! | 木下惠介 | 佐野周二 | 1949年 | ★ |
東京キッド | 斎藤寅次郎 | 美空ひばり | 1950年 | ★★ |
カルメン故郷に帰る | 木下惠介 | 高峰秀子 | 1951年 | ★ |
三等重役 | 春原政久 | 小川虎之助 | 1952年 | ★ |
とんかつ大将 | 川島雄三 | 佐野周二 | 1952年 | ★ |
プーサン | 市川崑 | 伊藤雄之助 | 1953年 | ★ |
次郎長三国志 第三部 次郎長と石松 | マキノ雅弘 | 小堀明男 | 1953年 | ★ |
二等兵物語 女と兵隊・蚤と兵隊 | 福田晴一 | 伴淳三郎 | 1955年 | ★★ |
夫婦善哉 | 豊田四郎 | 森繁久彌 | 1955年 | ★ |
警察日記 | 久松静児 | 森繁久彌 | 1955年 | ★★ |
台風騒動記 | 山本薩夫 | 佐田啓二 | 1956年 | ★★ |
幕末太陽傳 | 川島雄三 | フランキー堺 | 1957年 | 未 |
抱かれた花嫁 | 番匠義彰 | 望月優子 | 1957年 | ★ |
社長三代記 | 松林宗恵 | 森繁久彌 | 1958年 | ★ |
源氏九郎颯爽記 白狐二刀流 | 加藤泰 | 中村錦之助 | 1958年 | ★ |
お早よう | 小津安二郎 | 笠智衆 | 1959年 | 未 |
独立愚連隊 | 岡本喜八 | 佐藤允 | 1959年 | ★★ |
ひばりの森の石松 | 沢島忠 | 美空ひばり | 1960年 | ★ |
好人好日 | 渋谷実 | 笠智衆 | 1961年 | ★★ |
豚と軍艦 | 今村昌平 | 長門裕之 | 1961年 | ★★ |
夕陽に赤い俺の顔 | 篠田正浩 | 川津祐介 | 1961年 | ★ |
ニッポン無責任時代 | 古澤憲吾 | 植木等 | 1962年 | ★ |
雲の上団五郎一座 | 青柳信雄 | フランキー堺 | 1962年 | ★ |
喜劇 にっぽんのお婆あちゃん | 今井正 | ミヤコ蝶々 | 1962年 | ★ |
拝啓天皇陛下様 | 野村芳太郎 | 渥美清 | 1963年 | ★ |
馬鹿まるだし | 山田洋次 | ハナ肇 | 1964年 | ★★★ |
喜劇 女は度胸 | 森崎東 | 花澤徳衛 | 1969年 | ★ |
男はつらいよ | 山田洋次 | 渥美清 | 1969年 | ★★★ |
神様のくれた赤ん坊 | 前田陽一 | 桃井かおり | 1979年 | ★★ |
蒲田行進曲 | 深作欣二 | 風間杜夫 | 1982年 | 未 |
転校生 | 大林宣彦 | 小林聡美 | 1982年 | ★ |
時代屋の女房 | 森崎東 | 渡瀬恒彦 | 1983年 | ★★ |
タンポポ | 伊丹十三 | 山崎努 | 1985年 | ★ |
釣りバカ日誌3 | 栗山富夫 | 西田敏行 | 1990年 | 未 |
12人の優しい日本人 | 中原俊 | 相島一之 | 1991年 | ★★ |
シコふんじゃった。 | 周防正行 | 本木雅弘 | 1992年 | ★★ |
お日柄もよくご愁傷さま | 和泉聖治 | 橋爪功 | 1996年 | ★ |
ラヂオの時間 | 三谷幸喜 | 唐沢寿明 | 1997年 | ★ |
ウォーターボーイズ | 矢口史靖 | 妻夫木聡 | 2001年 | ★★ |
下妻物語 | 中島哲也 | 深田恭子 | 2004年 | ★★ |
ALWAYS 三丁目の夕日 | 山崎貴 | 吉岡秀隆 | 2005年 | ★★★★ |
ディア・ドクター | 西川美和 | 笑福亭鶴瓶 | 2009年 | ★★ |
トイレット | 荻上直子 | もたいまさこ | 2010年 | ★★★ |
評価基準はだいたい次のような感じだ。
★…くだらない ★★…多少観るところはあった ★★★…なかなかいい
★★★★…とてもいい ★★★★★…超すばらしい
★3つ以上の作品が「馬鹿まるだし」「男はつらいよ」「トイレット」「ALWAYS 三丁目の夕日」の4作品しかない。
残りはとても名作とはいえないと思うし、★1つはこういっちゃあなんだが○○だ。
当時の時代や俳優を懐かしんだりの感傷にひたるのはけっこうだが、純粋に映画としての名作が日本に20本(家族編も合わせて)もあるのか。
というちょっと悲しい事実を突きつけられた「山田洋次が選んだ日本の名作100本」であった。
おそれを知らずに書いてしまったが、またの機会に家族編を含めてもう少しくわしく書いてみたい。
◆ クサイチゴ(バラ科キイチゴ属) ◆
クサイチゴ 2013.4.11撮影 |
野生のイチゴをまとめて「野いちご」と呼べばすむが、けっこう種類がある。私もくわしくは知らなかったのだが、この白い大きめの花をつけるイチゴはクサイチゴらしい(参照)。
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