2013年4月27日土曜日

山田洋次が選んだ日本の名作100本 喜劇編 私的評価

NHK・BSプレミアムで2年ぐらい前からはじめていた「山田洋次が選んだ日本の名作100本」シリーズが今年の3月で終了した。
前半の50本が「家族編」で後半の50本が「喜劇編」、合わせて100本、できるだけ観ようとがんばった。
ここでは「喜劇編」について書く。

このシリーズをはじめるにあたって、山田洋次監督は次のようなメッセージを視聴者に送っている。

かつて、映画館には喜劇があふれていた。
正月は満員の映画館で観客がみんな笑っていた。
寂しいことに、今は笑える映画が少なくなっている。
そんな思いを抱きながら、喜劇50本を選びました。
日本映画がどれだけ素敵な喜劇を作ってきたか、その笑いの数々をこの機会に体験してほしい思います。

山田洋次監督には「幸福の黄色いハンカチ」をはじめ、「学校」シリーズなど私も大好きな映画がたくさんあり、尊敬している。
その監督が選んでくれた50本ではあったが、結論を先に言うと、がっかりした。

ブログを書くに当たって、私が観た作品をまとめてみると、50本のうち46本を観ていた。
その各映画の私の評価が下表(制作年順)だ。

山田洋次監督が選んだ日本の名作100本 喜劇編
作 品 名監 督主 演制作年評 価
マダムと女房五所平之助渡辺篤1931年
大人の見る繪本 生れてはみたけれど小津安二郎斎藤達雄1932年★★
丹下左膳余話 百萬両の壺山中貞雄大河内傳次郎1935年
有りがたうさん清水宏上原謙1936年★★
エノケンのちゃっきり金太山本嘉次郎榎本健一1937年
東京五人男斎藤寅次郎古川緑波1945年
狐の呉れた赤ん坊丸根賛太郎阪東妻三郎1945年★★
お嬢さん乾杯!木下惠介佐野周二1949年
東京キッド斎藤寅次郎美空ひばり1950年★★
カルメン故郷に帰る木下惠介高峰秀子1951年
三等重役春原政久小川虎之助1952年
とんかつ大将川島雄三佐野周二1952年
プーサン市川崑伊藤雄之助1953年
次郎長三国志 第三部 次郎長と石松マキノ雅弘小堀明男1953年
二等兵物語 女と兵隊・蚤と兵隊福田晴一伴淳三郎1955年★★
夫婦善哉豊田四郎森繁久彌1955年
警察日記久松静児森繁久彌1955年★★
台風騒動記山本薩夫佐田啓二1956年★★
幕末太陽傳川島雄三フランキー堺1957年
抱かれた花嫁番匠義彰望月優子1957年
社長三代記松林宗恵森繁久彌1958年
源氏九郎颯爽記 白狐二刀流加藤泰中村錦之助1958年
お早よう小津安二郎笠智衆1959年
独立愚連隊岡本喜八佐藤允1959年★★
ひばりの森の石松沢島忠美空ひばり1960年
好人好日渋谷実笠智衆1961年★★
豚と軍艦今村昌平長門裕之1961年★★
夕陽に赤い俺の顔篠田正浩川津祐介1961年
ニッポン無責任時代古澤憲吾植木等1962年
雲の上団五郎一座青柳信雄フランキー堺1962年
喜劇 にっぽんのお婆あちゃん今井正ミヤコ蝶々1962年
拝啓天皇陛下様野村芳太郎渥美清1963年
馬鹿まるだし山田洋次ハナ肇1964年★★★
喜劇 女は度胸森崎東花澤徳衛1969年
男はつらいよ山田洋次渥美清1969年★★★
神様のくれた赤ん坊前田陽一桃井かおり1979年★★
蒲田行進曲深作欣二風間杜夫1982年
転校生大林宣彦小林聡美1982年
時代屋の女房森崎東渡瀬恒彦1983年★★
タンポポ伊丹十三山崎努1985年
釣りバカ日誌3栗山富夫西田敏行1990年
12人の優しい日本人中原俊相島一之1991年★★
シコふんじゃった。周防正行本木雅弘1992年★★
お日柄もよくご愁傷さま和泉聖治橋爪功1996年
ラヂオの時間三谷幸喜唐沢寿明1997年
ウォーターボーイズ矢口史靖妻夫木聡2001年★★
下妻物語中島哲也深田恭子2004年★★
ALWAYS 三丁目の夕日山崎貴吉岡秀隆2005年★★★★
ディア・ドクター西川美和笑福亭鶴瓶2009年★★
トイレット荻上直子もたいまさこ2010年★★★

評価基準はだいたい次のような感じだ。

★…くだらない  ★★…多少観るところはあった  ★★★…なかなかいい
★★★★…とてもいい  ★★★★★…超すばらしい

★3つ以上の作品が「馬鹿まるだし」「男はつらいよ」「トイレット」「ALWAYS 三丁目の夕日」の4作品しかない。
残りはとても名作とはいえないと思うし、★1つはこういっちゃあなんだが○○だ。

当時の時代や俳優を懐かしんだりの感傷にひたるのはけっこうだが、純粋に映画としての名作が日本に20本(家族編も合わせて)もあるのか。
というちょっと悲しい事実を突きつけられた「山田洋次が選んだ日本の名作100本」であった。

おそれを知らずに書いてしまったが、またの機会に家族編を含めてもう少しくわしく書いてみたい。


◆ クサイチゴ(バラ科キイチゴ属) ◆
クサイチゴ 2013.4.11撮影
野生のイチゴをまとめて「野いちご」と呼べばすむが、けっこう種類がある。私もくわしくは知らなかったのだが、この白い大きめの花をつけるイチゴはクサイチゴらしい(参照)。

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