2013年4月20日土曜日

山梨県・早川町 義務教育費全額無償化

新聞は必要な記事をスキャーナーでパソコンに取り込んだあとは処分している。
どういうわけか切り抜いたままでスキャンしていない去年の記事が出てきた。
そのなかに気に入ったものがあったので紹介する。

2012.7.1付の赤旗日曜版だ。

山梨・早川町 義務教育費全額無償化
修学旅行も対象

 「子育て世代を応援しよう」。そんな町民の思いが義務教育の全額無償化という実を結びました。南アルプスの麓、厳しくも豊かな自然が広がる山梨県巨摩郡早川町。人口1200人余の小さな町の画期的なとりくみです。 本吉真希記者

 「家計を預かる親としてうれしいです」。そう語るのは鞍打佳子さん(49)。早川町に移り住んで16年。夫・大輔さん(38)と小学3年、5年、中学1年の娘たちとにぎやかな5人家族です。

 1人年間8万円

 今年度からの無償化で、子ども1人あたり年間約8万円の負担軽減になります。

 これまでも町は小中学校生の給食や教材費の一部を補助してきました。町の負担は子ども1人当たり平均4万円でした。

 それをさらに給食費、ドリルやテストなどの教材費、修学旅行や社会科見学の費用なども負担します。保護者の負担は文房具や体操着などに限られます。

 対象となる児童・生徒は2小学校(生徒数40人)、1中学校(同25人)の計65人。予算は年間約500万円です。

 「わが家は2才違いの3人の子が、同時期に教育を受けるので大変です。修学旅行代は積立金、教材費は月謝として分割して払っていたからそれなりにやってこられたけど、今回、義務教育でこれだけお金がかかるんだと改めて感じた」と佳子さんは語ります。

 より良い環境で

無償化をめぐって町は2011年6月、教育委員、町議、PTA代表者ら計11人からなる検討会を設置し、議論してきました。その背景には深刻な過疎化の問題があります。林業の衰退や水力発電所の自動無人化により、人口は1960年の1万679人をピークに現在の1234人にまで激減。小中学生は人口比で5.3%にすぎません。

 検討会では「現在も手厚く補助を行っているのでこれ以上は必要ない」などの意見の一方、「義務教育のあり方に一石を投じる施策」だという意見もありました。

 協議を重ねた結果、同年11月、「全額公費で負担していくことが望ましい」との報告書を辻一幸町長に提出しました。報告書では「未来を担う子どもたちは町民全体で育てていく」という「早川教育」の原点に立ち返り「より良い教育環境を整えていく必要がある」としています。

 町は議会に関連議案を提出。町議会も可決しました(日本共産党の議席はなし)。その後、県内の丹波山村でも実施を決めました。

 家計助かります

 厳しい自然と向き合った先人たちの知恵がつまった早川町。そこでNPO「日本上流文化圏研究所」の事務局長として町づくりに携わる大輔さんは言います。

 「家計が助かるのはもちろんですが、仕事柄、早川に興味、関心を持ってくれる人が増えるんじゃないかと期待します。子どもが1人でも2人でも増え、教育環境が少しでもよくなればいい」

 佳子さんも「早川の自然に魅力を感じ、移り住んできてくれる人が増えたらうれしい。次の子育て世代や子どもたちのことを、これ
からも考えられる町にしていきたい」と語ります。

 子どもは地域の宝 早川町教育長 深沢肇さん

 早川町は「地域の子どもたちは地域の手で育てる」という意識が強い町です。子育て世代は消防団や祭りなど過疎地域の中で一番の力になっています。町づくりという点からも、厳しい経済状況の中、へき地でがんばってくれている若い世代を応援したいと思いました。

 無償化のための予算は一部スクールバスを路線バスに切り替えたり、スキーをはじめ校外授業の統一実施や消耗品の無駄をなくすなど、学校運営費を見直したりし、小さなことを積み上げていくことで捻出できました。

 子どもたちは地域の宝、国の宝です。日本の経済を維持し、社会保障を充実させていくためにも、将来を担う子どもたちに公費を使うのは当然のことだと私は思っています。

 日本共産党はこう考えます

 教育の無償化について、日本共産党は次のように主張しています。

 子どもを持つ上での不安のトップはどの世代も、「経済的負担の増加」です(内閣府調査)。高校も大学も無償化していくことは、国際人権規約で定められている世界のルールであり、ヨーロッパでは教育費負担がほとんどかからない国が少なくありません。日本共産党は義務教育、専門学校を含むすべての段階で教育費の軽減・無償化を進めます。(2010年参院選政策から)


◆ カワウ(ペリカン目ウ科ウ属) ◆
カワウ 2013.3.23撮影
見方によっては不気味な感じがするカワウだが、なかなかの茶目っ気でにくめない。写真のように翼を乾かしている場面はよく見るが、この写真では目の緑(緑っぽい青?)がうまく撮れていたので満足。

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