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赤旗 2021.12.26付 |
コロナの第7波感染状況の推移を見ていて、どうも合点がいかないことがある。
赤旗には、毎週日曜日に右表のようなジョンズ・ホプキンス大学のデータが載る。
直近4週間のデータ集計というところに注意が必要だが、なぜか赤旗にはこの表を国際面に載せるだけで、ここではこの世界の感染状況についての論評がいっさいない。
右表は昨年末の状況だが、日本の感染死者数は世界の中でも極端に少ない。
15位(表の最下位)のイタリアと比較しても100分の1だ。
致死率も0.7%と非常に低い(ちなみにフィリピンの致死率は40%!?)。
とはいえ、死者数トップのアメリカの致死率も1.0%なので日本とたいして変わらない。
この表はその国の人口を無視しているので注意が必要だ。
この世界16位ランクに日本が初めて入ったのは今年3月5日現在で11位だった(死者5475人)。
その後上がり下がりしながらも常に16位圏内を維持し続け、8月20日現在においては、米国ブラジルに続いて3位の地位を占めるにいたった。
さらに、感染者数においては、8月6日現在において、すでにアメリカを抜いて世界トップの座に躍り出ているのだった。
このあたりの衝撃的な実態はどの程度国内でニュースになったのだろう。
死者数は、8月27日現在では米国に次いで2位になり、以降7週連続2位をキープしている。
毎週日曜日に赤旗を開いてこの表を見ながら、今週も日本のコロナ死者数は世界で第2位!
人口あたりでみると、日本の死者数をざっと3倍(アメリカの人口は日本の3倍弱なので)すれば毎週アメリカを抜いて世界1位ではないか! とひとり驚きの声を上げる。
その驚きは、私の周りではいっさい聞こえてこない。
7時のNHKニュースでも聞いたことがない。
赤旗でさえ、上述したように表を載せるだけで、「ついに日本はコロナ感染者、死亡者とも世界で最多に!」とかいった見出しや解説はないのだ。
確認のために、面倒とは思いながら赤旗の表を元にして自分で推移の表を作ってみた。
まず死者数だ。
8月下旬から10月上旬にかけて日本はずっと米国に続いて死者数は2位だ。
国別の二酸化炭素排出量とかGDPとかいろいろな指標があるが、これらの中には人口あたりで比較しなければ大きな誤解を生むものがある。
このコロナによる死者数や感染者数も人口あたりでで比較しないと正確な姿は見えてこないと思うので、上記表を人口10万人あたりで計算し、その多い順に並び替えてみた。
この人口あたりの表は、実数で上位16カ国のみを対象にしたものだから、現実には16位以内に他の国がいくつも入ってくることはあるだろう。
(例えば人口100万の国で死者が100人出たら、実数では16位の圏外だが、人口10万人あたりでは10人の死者になり、1位か2位になる)
米国はパンデミック以来、死者数の首位を2~3回ブラジルやロシアに譲ったことはあるが、ほぼ一貫して世界トップの座は揺らいでいない。
が、この上記期間、人口比で見ると一度も首位になったことはない。
かつて優等生と思われていた台湾がトップになっていることや、オーストラリアやフィンランドなどが世界一なんてのも意外だ。
日本はというと、9月17日現在においてはまさにトップだが、それを挟んで1カ月ぐらいは死者数において世界最多だったといってもいいのではないか。
直近4週間の数字なので、実質2カ月近くはオーストラリアと並んで世界一の死者数を出していたといえるだろう。
次に同じ方法で同じ期間の感染者数を見てみる。
赤旗の表の感染者の欄でソートした。
この16カ国は死者の多い上位16カ国のみなので、感染者においては、実際にこの16カ国以外に16位以内に入る国はいくつかあるだろうことに留意。
感染者数は実数においては日本が世界最多を3カ月ぐらい続けていたようだ。
驚くべき実態ではないだろうか。
日本中が大騒ぎになってもおかしくないと思うのだが。
それでも人口あたりで見てみないと本当のことはわからないと思って、死者数と同じように10万人あたりの感染者数を計算して、多い順にソートしてみた。
人口あたりで見ると、日本が世界最多だったのは8月20日現在のみだったが、前後2カ月ぐらいはまあ世界最多の国の一つといっていいだろう。
つまり、コロナ感染第7波においては、日本は死者数、感染者数とも2~3カ月間世界最多が続いている国だったのだ。
この期間、日本のコロナ禍はどのようなものであったのか、赤旗記事の見出しをいくつか抜き出してみる。
8月12日 感染 累計1500万人 厚労省助言組織「医療体制の深刻化懸念」
8月12日 高齢者施設 クラスター最多 現場悲鳴「政府無策・弱者が犠牲」
8月17日 救急搬送困難 3週連続最多
8月18日 繰り返される医療逼迫 背景に絶対的な医師不足
8月20日 死者増と医療体制懸念
8月27日 コロナ「第7波」医療・介護・保健所の苦悩 次々
赤旗は死者や感染者が世界最多になったことについてはあまり大きく報道してはいないが、具体的なコロナ禍の惨状についてはけっこう力を入れて報道している。
この危機的状況下、政府はどのような対策をとってきたのか。
参院選後の岸田改造内閣が発足した日(8月10日)の首相の記者会見について赤旗は次のように報道した。
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赤旗 2022.8.12付 |
8月10日といえば、上記表を見ればわかるように、日本の死者、感染者がともに世界最多のフェーズに入った時期ではないか。
ひどすぎる。
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赤旗 2022.9.27付 |
さらには、9月26日にはあの「GO TO トラベル」を10月11日から始めると発表し、事実その通り始めた。
9月26日といえば、死者、感染者ともに世界最多の真っ最中の時期だ。
さらにさらに、入国時の水際対策を大幅に緩和すると発表。
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赤旗 2022.8.28付 |
正気か?
安倍の国葬のことで頭がいっぱいだったのだろうか。
8月27日には感染者の全数把握の見直しを全国一律で導入と発表。
感染者数を少なく見せたい?
9月7日、感染者の療養期間の短縮をこの日から実施すると厚労省が発表。
科学軽視の乱暴な決定だと全日本民主医療機関連合会の会長(増田剛)は言っている。
コロナについては次のように述べた。
「3年ぶりに、緊急事態宣言等の行動制限を行わずに、今年の夏を乗り切れたのは、国民の皆様お一人おひとりが、基本的な感染対策を徹底してくださったおかげです。
また、日々の感染リスクがある中で、医療、福祉の現場を支えていただいている方々に、厚く御礼申し上げます」
「今年の夏を乗り切れた」って?
気は確かか?
国民の感染対策のおかげ? 医療・福祉の現場の方々に感謝?
おまえはいったい何をしたのかって話だろう。
と怒りのためについ下品になってしまう。
今、第8波が襲ってこようとしている。
第7波を超える状況になるのではという専門家の声が多い。
岸田政権で国民の命は守れるのか。
自民党のコロナ対策本部長はあの瀬戸際大臣として名をはせた山際元経済再生担当相だ。
統一協会問題でグチャグチャの自民党政権はコロナ対策でも無為無策。
無為無策ならまだしも、いまだに
病床削減に固執して実行しているしまつ。
これからも国民の一人ひとりが基本的な感染対策を徹底するしかないのか。
コロナ感染で医療も受けられずに死んでも自己責任ってワケだな。
国は何をなすべきか、岸田は今日の赤旗を読めといいたい。
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赤旗 2022.11.11付 |
冒頭「合点がいかない」と述べたのは、この第7波の危機的状況をなぜメディアがきちんと取り上げなかったのかということだった。
私が勝手に合点がいかなかっただけなのかもしれない。
◆ サラサウツギ(アジサイ科ウツギ属)◆
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サラサウツギ 2018.5.21撮影 近くの川土手の植え込み |
何度も歩く散歩コースだが、このように美しく咲いていた時期があったのかと初めて知った思い。何とかネットで調べてサラサウツギという落葉低木だと同定した。
ウツギの園芸品種。