2022年2月22日火曜日

国際ホロコースト記念日 ①世界では

ホロコースト記念碑(ベルリン)
1月27日は国際ホロコースト記念日だった。

Wikipediaには次のようにある。

2005年11月1日、国連総会はナチス・ドイツ政権により、600万人以上のユダヤ人、20万人のロマ人、25万人の身体及び精神障害者、1万5千の同性愛者が迫害され大量に殺害されたホロコーストを確認し、憎悪、敵対感情、人種差別、偏見がもつ危険性を永遠に人々に警告することを目的とした国際連合総会決議60/7を採択した。
1月27日はアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所がソ連軍によって解放された1945年1月27日を基準としている。

「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」ともいう。
つまり、あのホロコーストを決して忘れまいと世界中で毎年確認する日だ。
この日の前後、世界各地で記念行事が行われている。

国連ではこの日、次のような式典が行われた。

赤旗 2022.1.29付
グテレス国連事務総長は

無知は無関心と歩調を合わせて不寛容へと進んでいく
すべての社会が反ユダヤ主義と徹底的にたたかう行動を取らねばならない

と呼びかけ、シャヒド議長は

皆が歴史を記憶し、語り継がねばならない
人類が経験した最悪の時期を振り返り、二度と繰り返さないと毎年誓うことが、ホロコーストの否定のいかなる現れにも立ち向かうことになる

と指摘した。

またこれに先立つ24日、国連総会において次のような決議が行われている。
赤旗 2022.1.22付
決議は、「ホロコーストの否定や歪曲がますますふりまかれている」ことに懸念を表明し、「ホロコーストが歴史的事実であることの否定は、いかなる留保もなく拒絶、非難する」と強調。
そのために、各国の将来世代にホロコーストを教える教育プログラムを発展させることを勧告している。

当事国であるドイツとイスラエルの両外相が、「われわれにはホロコーストを記憶し学び、修正主義とたたかう義務がある」と決議採択に歓迎の共同声明を出したことに感銘する。

なんと日本と真逆の光景だろう。
日本では、靖国派(日本会議や維新の会など)が切り込み部隊になって、政府自身がいわゆる修正主義の旗を振り、教科書から南京大虐殺、従軍慰安婦や強制連行の歴史を抹殺しようとしている。

ヨーロッパでは、欧州議会が記念行事を行い、ホロコースト生存者が証言を行った。

ホロコースト加害国のドイツでは、ユダヤ人団体が主催する記念行事でドイツのベーアボック外相がオンラインで演説した。

赤旗 2022.1.26付
記事最後にあるように、「ドイツはナチス・ホロコーストの責任を負う立場にあることから、第2次世界大戦後、伝統的にイスラエルを支持して」いることは、今後ドイツの大きな課題になることだろう。

それにしても、中国が主催する南京大虐殺の記念行事に日本の外相が出席し、「数十万人の中国人犠牲者を決して忘れてはならない。彼らを記憶することは道徳的な義務だ」と演説することはあるのだろうか。

さらに当然のことながら、ドイツは国としての記念行事も行われている。
赤旗 2022.1.29付

イタリアでは
赤旗 2022.1.28付
オランダ?では
赤旗 2022.1.19付
この最後の記事は、国際ホロコースト記念日とは直接関係ないが、今年の1月の赤旗に載っていたホロコースト関連の記事をすべて転載してみた。
アンネ密告者を特定することがどれほどの意義のあるものかわからないが、そのために最近まで国際チームが6年間にわたって調査を続けていたことにちょっとした驚きを感じてしまう。

このように、国際ホロコースト記念日前後では、毎年欧米を中心にさまざまな公的イベント(私的なものもたくさんあるだろう)が行われているわけだが、その内容は、犠牲者の追悼とともに、その事実を忘れない、語り継ぐ、繰り返さないという誓いの場になっている。

さらに、ホロコーストはなかったというナチズム賛美の極右的潮流とは断固としてたたかうという決意も込められている。

では日本はどうなのか。
次回でとりあげよう。


◆ オオキンケイギク(キク科ハルシャギク属) ◆
オオキンケイギク 2018.5.4撮影 近くの川土手
このブログ2度目の登場。北アメリカ原産で、1880年代に日本にやってきた。繁殖力が強く、今では特定外来生物に指定され、栽培・補完・運搬・輸入・植栽が禁止されている。元は栽培種で、ドライフラワーに利用されていたそうだが、今ではほぼ野生化して大きな群落を作っている。ちょっと嫌われ者扱いされているようだが、なかなか華やかな感じで美しい。

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