山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞を受賞した。
iPS細胞の研究成果は本当にすばらしいものだし、ノーベル賞に異論のある人はいないだろう。
しかし、ここで述べたいのは山中教授の人柄だ。
彼の偉ぶった態度や発言を聞いたことがない。
これだけでも賞賛に値するが、彼の言動は本当に立派なものだ。
彼は彼の研究所で働く非正規の研究者のことを考える。
待遇改善のために自らフルマラソンにも出場する。
もっとも私が尊敬してしまうことは、iPS細胞の特許取得に対する彼の態度だ。
彼は何よりも世界に先駆けて特許を取得したいという。
ふつうは自分や企業の権益を守るために特許を取る。
アメリカの製薬企業などは、世界中から人類共通の財産である野生植物から薬を作り出し、特許を取り、金もうけをしている。
そのもとになっている野生植物の原産地などでは、高価なその薬の恩恵にはあずかれない。