2019年6月1日土曜日

日米首脳会談 日米の揺るぎない絆は自慢できるのか 恥ずかしくないのか

2019.5.25 トランプ大統領来日
今回の安倍首相の日米首脳会談は11回目になるそうだが、会談をするたびにこれまで以上に「日米同盟の絆が深まった」「日米同盟が深化した」などと自慢げに言う。
いったいどこまで一体化したら気がすむのだろう。

2015年に安倍が米国両院合同議会で演説したときには、次のような言葉で演説をしめくくり、世界中を赤面させた(まさか私だけではないよね)。

「私たちには、トモダチがいました。被災した人々と、一緒に涙を流してくれた。そしてなにものにもかえられない、大切なものを与えてくれた。希望、です。米国が世界に与える最良の資産、それは、昔も、今も、将来も、希望であった、希望である、希望でなくてはなりません。
米国国民を代表する皆様。私たちの同盟を、『希望の同盟』と呼びましょう。アメリカと日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこうではありませんか。
希望の同盟―。一緒でなら、きっとできます」


このときのアメリカ大統領はオバマだったのだが、いまはオバナなどよりはるかに安倍と親和性の高いトランプだ。
安倍は、世界の多くのリーダーから疎まれているトランプとどこまでも深い絆と一体化をめざし、そこに至上の喜びを感じ、そのことが国民への自慢になると思っているらしい。

さて、このように裸の王様のような安倍が今回行った日米首脳会談とはどのようなものだったのか。

トランプが来日したのが5月25日。
翌日のサンデーモーニングでは「風をよむ」のコーナーで各コメンテーターから次のような発言があった。

 関口  日本というのは本当に独立国かということをときどき考えさせられるよね。

2019.5.26 サンデーモーニング
 寺島実朗  いままさに日米蜜月をアピールする状況を目撃していることになる。
例えば、ロン・ヤス関係以来、ゴルフだとかキャッチボールとかで蜜月をアピールするというのがくり返されている。

日米関係の専門家とずっと向き合ってきているが、フロリダでのゴルフ以来、彼らが僕に言うのは「トランプは安倍さんの目を見てないよね」と。
目を見るというのは、男として、あるいはリーダーどうしとして、相手の目を見てね、この男はどういう信念を持っているのかなという意味で目を見るというのだが。

日本がアジアに対して、世界に対して譲れない価値観、例えばアジアの非核化ということに対してどういう構想とかどういう理想をもって引っ張っていくのかということになったら、刮目してぐっと目を見ますよね。

ですからいま日本に問われているのは、リクエスト外交、なんとかその場をこなして頼み事をするとか、頼み事を聞くとかいう力学の外交ではなく構想力ですよ。
いったい日本はどういう世界をつくっていこうとと思っている国なのか、例えば資本主義社会の未来についてもという意味においてもですね。
日本人としてこれはものすごく大事な局面に来ていると思います。

寺島って男は本当に頭のいいやつだなと思う。
分析力、発言力、説得力など感心してしまう。
ただ、最近は頻度は減ったが、一時は毎回のごとく国会議員の数を減らせと言いつのるのには閉口している。

次の登場は幸田真音だが、いつもたいしたことは言わないので飛ばす。

2019.5.26 サンデーモーニング
 谷口真由美  日本がアメリカの属国であるのか、それとも主権国家として対等な関係にあるのかについては、こういうとき私は日本国憲法をちゃんと読むべき。

憲法の前文の3段目にすごく大事なことが書いてあって、「われらはいづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務である」と書いてある。

だからアメリカファーストとかなんとかファーストと言ってる国はダメだよと日本国憲法は言っているし、各国の責務であるんだったら、日本のリーダーは自国ファーストになったらダメだよと言わなければいけない。
それが日本のとるべき道なのではないかと思う。

「全日本おばちゃん党」代表代行と名のるだけの庶民性をもつだけでなく、大阪国際大学准教授としてのするどい見識を持つ彼女にはとても好感が持てる。

次の涌井雅之は造園家のくせにやけにいろんな事にくわしく、立派なことを言うので私もどちらかというと気に入っているが、今回はちょっとパス。

2019.5.26 サンデーモーニング
 青木理  政治とか外交は理想と現実の間で揺れ動くものだと思う。
理想だけを追求したり、押し付けたりしてももちろんダメだし、一方、現実に追随するだけだとイノベーションも起きないし、進歩も起きないし、主体性も保てないし、それから尊敬も受けられない。

日本のいまの外交、やってる感だけは日ロにしても満載だったんだけど、とくに日米に関していうと、このゴルフもそうですが、ひたすら現状を追認する、現実を守り抜くんだみたいなものしか見えない。

こういう状況を見て、今回の相撲の枡席もそうだけど、ノーベル平和賞もそうなんだけど、国際的な信用とか信頼というものが日本はどうなっていくのか。
中長期的に見たとき、日本の◌◌はどうなるのか、あるいは子どもがこの外交を見ていて、こういうふうにふるまうべきなんだと思うことを含めて言うと、相当な損失が将来的に生まれるのではという恐怖感を抱く。
*◌◌はよく聞き取れなかった。

青木理は前回登場してもらった白井聡と同様とても気に入っている。
ただ、青木は昨年カジノ法案が論議されているとき、このサンデーモーニングで、「個人的にはカジノは好きなんだけど」と言ったので、ちょっと点数が下がってしまった。

白井聡といえば、今回のサンデーモーニングのこの「風をよむ」のコーナーでもビデオ出演し、次のようなコメントを寄せた。

2019.5.26 サンデーモーニング
戦前の国体は天皇中心、天皇が国民を愛してくれている、というのが常識だったが、戦後はその物語がすり替わった。
アメリカは日本を愛してくれている、アメリカに対して敗北をして、「おいおまえ言うことを聞け」となった。
ところがいつの間にかアメリカの存在が日本にとって慈悲深いありがたい存在であるかのようになってしまった。

といつもの持論を述べた後、

会談は1回だけ?
アメリカの属国だよねと見られている限り、日本の存在が重く見られることは決してない。
どうやって主体的にビジョンを紡ぎ出せるのかというところに今後の日本の国運がかかっている。

とごく常識的は見解を述べた。
ところがこの常識のわからない日本人が多すぎるのが一番の問題だ。

言わずもがなだが、青木が触れた「ノーベル平和賞」というのは、米朝首脳会談などで功績があったとして安倍がトランプをノーベル平和賞に推薦したという笑えない笑い話だ。
人間ここまで卑屈になれるものかと世界中をあきれさせた。
日本人の私としては、またもや赤面するしかなかった。

そうしてトランプは来日したのだが、いったいこの3泊4日の滞在中になにをやったのか、そしてマスコミはそれをどのように伝えたのか。
赤旗 2019.5.28付 レイアウトは編集した
上記赤旗記事はサンデーモーニングを評価しているが、この番組にしてゲストの発言中だろうが何だろうが番組の流れを無視して、何度もトランプの生の動静映像(たとえば「今トランプを乗せたヘリがゴルフ場に到着しました」など)を挿入する始末だ。
ええかげんにせえー!

何から何まで宗主国の元首をお迎えしているような異常な行事が続いたが、なかでも大相撲観戦には許せないものがあった(私は大相撲は嫌いだが)。
赤旗 2019.5.27付
崇高でなくてもいい。
恥とか屈辱とかを感じるふつうの精神はないのだろうか。

SankeiNewsのYouTubeから
この写真を見るだけで屈辱感と怒りで体が震えてきそうだ。
こいつらはいったい何様だ!
赤旗 2019.2.27付 レイアウトは編集した
「日米の揺るぎない絆を内外に示す機会にしたい」という安倍の思惑はこのようなシーンを想定してのことだったのだろうか。
なんという精神の腐敗だろう。
かつてこれほどひどい売国的・奴隷根性的な首相がいただろうか。

赤旗はスポーツ面でもこの大相撲観戦を批判する記事を載せている。
赤旗 2019.5.28付
この大相撲の件については「読者の広場」にも読者の声がのっているがしつこくなるので引用はやめておく。

赤旗はさらに手厳しい。
スカイツリーのライトアップまでかみついた。
赤旗 2019.5.26付
けっきょく首脳会談はどうなったのか。
何が話し合われたのか。
赤旗 2019.5.29付 レイアウトは編集した
会談後の共同会見(5月27日)で安倍は冒頭次のように発言した。

「安保法制により日米は互いに助け合うことのできる同盟となり、その絆は盤石なものとなった。
日米同盟の絆はもやは揺るぎようのない世界で最も緊密な同盟となった。
揺るぎない絆を内外に鮮明にする絶好の機会となった」

まあ最初の安倍の思惑は達成できたということだろうが、もうバカにつける薬はない。

今回は今までにもまして引用があふれた投稿となった。
ちょっと恥ずかしいが、なんとか明日のサンデーモーニングの前に投稿しようと焦ったせいもある。
あしからず。


 五島列島シリーズ⑥  ◆ オオバコ(オオバコ科オオバコ属)◆


オオバコ 2018.5.5撮影 福江島鐙瀬溶岩海岸
実はこれがオオバコの群生なのかちょっと自信がない。葉が写っていれば、その大きな根生葉からはっきりわかるのだが、この写真ではそのようすがわからない。ちょっと前までそこら中にオオバコは咲いていたが、今頃は町中ではほとんど見ることがない。オオバコは車前草という漢字が当てられている。道路の真ん中に咲いていて車にひかれても負けずに咲き続けるとかいった意味だったと思う。が、Wikipediaには「車(牛車・馬車)が多く通る轍(わだち)によく生えることからこの名がつく」とある。

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