2019年3月1日金曜日

3・1朝鮮独立運動100年 ①赤旗社説のまっとうな「主張」

赤旗日曜版 2019.2.24付
きょうは3月1日。
3・1といえば、ビキニデーだということは日本人なら誰でも知っていると思う(?)が、朝鮮独立運動の日だということも決して忘れてはいけない。
しかも今年の3・1は100周年という節目というか、とても意義のある日だ。

最近では朝鮮人徴用工の韓国大法院(最高裁)判決をめぐって、すさまじい反韓、謙韓の嵐が巻き起こった。

安倍政権の

「日韓請求権・経済協力協定にによって完全かつ最終的に解決している」(安倍首相)
「日韓請求権協定違反」(菅官房長官)
「国際法に照らしてあり得ない判断だ。日本政府として毅然と対応していく」(安倍首相)
「判決は暴挙であり、国際法に基づく国際秩序への挑戦だ」(河野外相)
「和解に応じるな」(政府が企業に圧力)
「国際司法裁判所へ提訴もありうる」(政府方針)

といった断定的な韓国批判が繰り広げられ、さらにそれに輪をかけたようなマスコミの韓国バッシングだ。

また、従軍慰安婦をめぐってもことあるごとにこれまたすさまじい韓国バッシング。

これらの歴史の事実をみない無知蒙昧の傲慢な暴言は本当に日本人として恥ずかしい。
日本共産党は、国会での論戦や記者会見、志位委員長の声明など、ことあるごとに理を尽くして正論を述べてきた。

赤旗も、何度も紙面を割いてこの問題を記事にし、また特集をくんで歴史の事実と問題の本質を論じてきた。

その共産党の主張を端的にまとめたのが今日付の赤旗社説「主張」だ。

赤旗のHPをみればその主張は全文載っているので、改めてということではあるが、ここでも全文引用しておきたい。

――ここから引用(赤旗2019.3.1付「主張」)

朝鮮三・一運動100年

歴史の過ち直視し未来志向へ

100年前の1919年3月1日、日本の植民地支配下にあった朝鮮の京城(現・ソウル)で独立宣言書が発表され、街頭で「独立万歳」を叫ぶ示威行動が全土に広がりました。
「三・一独立運動」です。
宣言書は、独立が民族自決の正当な権利であるだけでなく「東アジアの平和を重要な一部とする世界の平和、人類の幸福に必要となる階段」であり、「日本を正しい道に戻して、東アジアを支えるための役割を果たさせようとするもの」と強調しました。
三・一独立運動は、日本との真の友好と平和のための協力に向けた展望までも先取りしたことを示しています。

国民間の理解と交流深め
赤旗日曜版 2019.2.24付

三・一独立運動は激しい弾圧を受けましたが、45年の日本の敗戦による朝鮮の解放、65年の日韓国交正常化を経て、98年に金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相が発表した「日韓パートナーシップ宣言」で三・一独立運動が示した展望は実現へ大きな一歩を踏み出しました。
植民地支配に対する「痛切な反省と心からのお詫(わ)び」を日韓の公式共同文書として初めて明記するとともに、「和解と善隣友好協力に基づいた未来志向的な関係を発展させる」ことを約束したのです。

日本が歴史の過ちを直視した上で、友好と協力を深めようと合意したという点で、真の「未来志向的な関係」に向かう出発点に立った画期的な共同宣言でした。

しかし、日本の首相や閣僚による靖国神社参拝、日本軍「慰安婦」に加え、最近では徴用工問題が浮上し、歴史問題が日韓関係をこじらせています。
日本政府は65年の日韓請求権協定、2015年の「慰安婦」問題についての日韓外相合意を挙げて、植民地支配下の朝鮮半島出身者の被害は全て「解決済み」の一言で片づける態度です。

政府間の外交合意があるとはいえ、被害者一人ひとりが抱える深刻な心の傷を癒やしてこそ「解決」と言えるはずです。
日本政府の姿勢は、そこからかけ離れていると言わざるを得ません。

政府間関係が冷え込んでいる一方、国民レベルの交流と相互理解は著しく進展しています。
赤旗日曜版 2019.2.24付
「韓流」はすっかり日本に定着し、世界的スター「防弾少年団(BTS)」が昨年11月から日本で行った9公演には、38万人のファンが詰めかけました。
韓国の最大手書店で09年から10年間に最も売れた小説は東野圭吾の127万部、2位は村上春樹の100万部です。
昨年、訪韓した日本人は295万人、訪日した韓国人は753万人、初めて合計1000万人を超えました。

日韓パートナーシップ宣言が指摘している通り、「政府間交流にとどまらない両国国民の深い相互理解と多様な交流」が日韓協力の基礎になります。

協力し平和への大転換を

困難を抱えつつも朝鮮半島で平和への激動が始まりました。
朝鮮半島の非核化、恒久的な平和の構築が進めば、戦争の脅威にさらされてきた北東アジアは、平和と繁栄の地域へと一変します。
三・一独立運動が目指した「東アジアの平和を重要な一部とする世界の平和」への旅程が始まろうとしています。
日韓両国政府も協力して、北東アジアの平和と安定に向けた大転換を促進すべきときです。
三・一独立運動100年を機に、日本政府が歴史を直視する誠実な姿勢を取り戻すことを求めます。

引用ここまで――(改行と画像は太陽が編集した)

「歴史の過ち直視し未来志向へ」という見出しがすべてを表している。
歴史を直視しない輩が日本の中枢を占めているかぎり、日韓の、そして東アジアの本当の和解はおとづれない。

このブログでも微力ではあるがこの先、日韓の歴史に少しずつ触れていきたいと思う。

ところで、3・1独立運動において、パゴダ公園(現タプコル公園)で読み上げられた宣言書とはどのようなものだったのだろうか。
私も全文を読んだことはなかったので、この機会に読んでみた。

宣言書

我らはここに我朝鮮が独立国であることと朝鮮人が自主民であることを宣言する。
これをもって世界万国に告げ人類平等の大義を克明にし、これをもって子孫万代に教え民族自存の正当な権利を永久に保有させる。
半万年歴史の権威によってこれを宣言し、二千万民衆の誠忠を合わせてこれを布明し、民族の恒久一の如き自由発展のためにこれを主張し、人類的良心の発露に基因する世界改造の大機運に順応併進するためにこれを提起するものである。
これは天の明命、時代の大勢、全人類共存同生権の正当な発動であり、天下何者といえどもこれを阻止抑制することはできない。
旧時代の遺物としての侵略主義、強権主義の犠牲となり有史以来数千年で初めて異民族に束縛される痛苦を嘗めてからここに十年が過ぎた。
我が生存権が剥喪されたのはどれほどか、心霊上発展が障礙されたのはどれほどか、民族的尊栄が毀損されたのはどれほどか。
新鋭と独創によって世界文化の大潮流に寄与、補裨できる機縁をわれらはどれほど遺失したであろうか。
噫旧来の抑欝を宣暢しようとすれば、時下の苦痛を擺脱しようとすれば、将来の脅威を芟除しようとすれば、民族的良心と国家的廉義の圧縮銷残を興奮伸張しようとすれば、各個人格の正当な発達を遂げようとすれば、可憐なる子弟に苦恥的財産を遺与しないようにするならば、子々孫々の永久完全なる慶福を導迎しようとすれば、最大急務は民族的独立を確実にすることである。
二千万各個人が方寸の刃を懐にし、人類の通性と時代の良心が正義の軍と人道の干戈とで護援する今日、我が進んで勝ち取るのにどんな強さが挫かせられるだろうか、退いて作すのに何の志が展するだろうか。
丙子修好條規以来時々種々の金石盟約を食んだとして、日本の信の無さを罪しようとするものではない
学者は講壇で、政治家は実際で我が祖宗世業を植民地視し、我が文化民族を土昧人遇し、ただ征服者の快を貪るだけで、我が久遠の社会基礎と卓越する民族心理を無視するものとして、日本の義の少なさを責めようとするものではない
自己を策励することに急ぐ我は他を怨尤する暇はない。
現在を綢繆することに急ぐ我は宿昔を懲弁する暇はない。
今日我の所任はただ自己の建設にあるだけで、決して他を破壊することにあるのではない。
厳粛な良心の命令によって自家の新運命を開拓しようとするものであり、決して旧怨や一時的感情によって他を嫉逐排斥するものではない。
旧思想、旧勢力に覇靡されている日本為政者の功名的犠牲である不自然で不合理な錯誤状態を改善匡正して、自然で合理な政経の大原に帰還させようとするものである。
当初民族的要求に出されない両国併合の結果が、畢竟姑息的威圧と差別的不平と統計数字上虚飾の下で利害相反する両民族間に永遠に和同することのできない怨溝を去益深造させた今来実積をみよ。
勇明果敢をもって旧誤を廓正し真正な理解と同情とを基本とする友好的新局面を打開することが、彼と我が間の遠禍召福の近道であることを明知すべきではないだろうか。
二千万含憤蓄怨の民を威力で拘束することは東洋の永久の平和を保障する理由にならないだけでなく、これによって東洋安危の主軸としての四億万中国人の日本に対する危懼と猜疑を濃厚にし、その結果として東洋全局の共倒同亡の悲運を招致することは明らかである。
今日我の朝鮮独立は朝鮮人に正当な生栄を遂げさせると同時に、日本を邪路から出て東洋支持者としての重責を全うさせ、中国に夢にも逃れられない不安恐怖から脱出させ、東洋平和に重要なる一部をなす世界平和、人類幸福に必要な階段とさせるものである。
これがどうして区々たる感情上の問題なのであろうか。
ああ新天地は眼前に展開された。
威力の時代は去って道義の時代が来た。
過去全世紀に錬磨長養させられた人道的精神は、今や新文明の曙光を人類の歴史に投射し始めた。
新春は世界に来て万物の回蘇を催促しつつある。
凍氷寒雪に呼吸を閉蟄したのも一時の勢いとすれば和風暖陽の気脈を振舒するのも一時の勢いであり、天地の復運に際し世界の変潮に乗じた我はなんらの躊躇なく、なんら忌憚することもない。
我に固有の自由権を護全し生旺の楽を飽享し、我に自足の独創力を発揮し春満てる大界に民族的精華を結紐すべきである。
我らはここに奪起した。
良心は我と同存し、真理は我と併進する。
老若男女は陰欝な古巣から活発に起来して、万彙群象とともに欣快な復活を成し遂げる。
千百世祖霊は我らを陰佑し、全世界気運は我らを外護する。
着手はすなわち成功であり、前頭の光明に驀進するのみである。

 公約三章

一、今日我らのこの行動は正義、人道、生存、尊栄のための民族的要求であり、自由的精神を発揮するものであり、決して排他的感情に逸走してはならない
一、最後の一人まで、最後の一時まで民族の正当な意思を快く発表せよ
一、一切の行動は秩序を最も尊重し、我の主張と態度をあくまで光明正大とすること

朝鮮建国四千二百五十二年三月一日 朝鮮民族代表
      孫秉熙   吉善宙   李弼柱   白龍城   金完圭
      金秉祚   金昌俊   權東鎭   權秉悳   羅龍煥
      羅仁協   梁甸伯   梁滿默   劉如大   李甲成
      李明龍   李昇薫   李鍾勳   李鍾一   林禮煥
      朴準承   朴熙道   朴東完   申洪植   申錫九
      呉世昌   呉華英   鄭春洙   崔聖模   崔 麟
      韓龍雲   洪秉箕   洪基兆


 佐渡ドンデン山シリーズ⑭  ◆ シシウド(セリ科シシウド属)◆

シシウド 2017.9.30撮影
セリ科の仲間は区別がつきにくい。特にミヤマシシウドとシシウドなどは特にわかりずらく、標高から考えると、これはミヤマシシウドかもしれない。まわりのキク科の花はおなじみのノコンギク。

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