12.22 TBS「サンデーモーニング」から |
河野洋平といえば、細川連立政権ができて自民党が戦後初めて野党に下ったときの自民党総裁だ。
総裁になりながら総理大臣になれなかった唯一の人と思って当時気の毒に思ったりした。
従軍慰安婦に関する「河野談話」でも歴史に名を残した。
つまり、自民党でありながら立派な人なのだ。
彼はサンデーモーニングのレギュラーコメンテーターのひとりであり、過去何度もこの番組でお目にかかった。
彼の発言で腹立たしく思った記憶がない。
元政治家でいえば、田中秀征もこの番組に出るのだが、彼の場合はいちいちムカついてしまう。
今回のサンデーモーニングでは、安倍政権の一連の動きについて次のようにコメントした。
12.22 TBS「サンデーモーニング」から |
外国でもっともいやな話ですが、国民を戦争に駆り立てるのは簡単だと。
敵が攻めてくると言えばいい。
それでも立ち上がらない国民に対しては、愛国心が足らないと言えばそれですむという話がある。
今日本で言われている、行われようとしていることは、こういう昔の一番いやな話に近づいているような気がしてしかたがない。
今度の防衛大綱の最後も愛国心まで書き添えている。
つまり、こういうことに賛成しないやつは愛国心が足りない、それではいかんのだと、そんなふうにすら聞こえる。
ひじょうに危険な方向に向かって、じりじりどころかすたすたと歩きかけているようにしか感じない。
なんとかこれを止めなければいけないと思うのだが、今の政権にはブレーキがついていないような感じがする。
赤旗は今日まで5回シリーズで「『戦争する国』への暴走 新安保戦略の危険と矛盾」という連載をした。
今日の最終回の見出しは「周辺国との関係 軍事的対抗と『愛国心』」だ。
まさに河野洋平の主張と合致する。
河野洋平は保守の人だと思うのだが、その良識には脱帽してしまう。
――ここから転載(赤旗2013.12.23付)
周辺国との関係 軍事的対抗と「愛国心」
冷え込む中国、韓国との関係をどう改善するのか。「国家安全保障戦略」が出した〝答え〟は中国に対する軍事的対抗色を前面に押し出すことでした。対話による外交的解決は後景に追いやられました。
水陸両用戦能力
「戦略」は、中国による尖閣諸島をめぐる対応や防空識別圏の設定をあげ「力による現状変更の試みと見られる対応を示している」
と強く批判しました。
「戦略」に基づく新「防衛大綱」に盛り込まれたのは、南西諸島防衛強化を口実にした水陸両用作戦能力の強化。「中期防衛力整備計画」(中期防)には水陸両用車や垂直離着陸機オスプレイの導入、戦闘機、護衛艦の増強が書き込まれました。
韓国国会は19日の本会議で、日本の集団的自衛権行使容認の動きの中止を求める決議を賛成多数で可決しました。安倍政権の「軍拡」方針に懸念と反発が広がっています。
軍事的対抗色の強さは、北朝鮮への対応にも表れています。
「大綱」「中期防」は「弾道ミサイル攻撃への対応」として、「ミサイル発射手段等に対する対応能力のあり方についても検討の上、必要な措置を講ずる」と明記。「敵基地攻撃能力」の保有に道を開きました。
ゆがんだ歴史観
「戦略」は、韓国を「地政学的にもわが国の安全保障にとって極めて重要な国」と位置づけ、連携強化を打ち出しました。
しかし、過去の植民地支配と侵略戦争を美化する安倍首相の歴史認識や「慰安婦」問題をめぐり日韓関係は冷え込んだまま。韓国との関係改善の前に歴史認識問題が大きく横たわっています。
さらに、「戦略」は、「わが国と郷土を愛する心を養う」との文言を盛り込みました。
国民の内心に踏み込む「愛国心」の強要は時代錯誤であり、世界でも異常な姿勢です。同時に、誤った歴史観にたった「愛国心」の強要は、韓国や中国との関係改善のために求められる歴史認識問題への配慮とは相いれません。
軍拡競争でなく外交打ち出せ 山口大学副学長(政治学) 纐纈厚さん
今回の「戦略」について中国側の関心も高いものがあります。
もちろん過剰な軍拡や軍事的な緊張感をあおる行為、硬直的な姿勢など、中国にも問題があります。
しかし、それをいい口実にして、日本が軍拡の道をたどれば、軍拡のシーソーゲームが始まってしまいます。
今、米国と中国、日本と中国ともに、それぞれ経済的に密接な関係にあります。その意味で、平和への可能性も含んでいるし、逆に軍事になだれ込む危険もあります。そのときに大事なのは、憲法9条の精神に立ち戻ることです。
戦後、日本国憲法の上に立って出発した日本は、正常な外交関係を取り戻し、その中で平和的な解決、平和的な国家間関係をつくっていくのが、本来のあり方のはずです。
そうした平和主義、戦後民主主義の原点に立ち返って、軍備に頼らない外交姿勢をいまこそ打ち出していくことが非常に重要です。
◆ ヒルガオ(ヒルガオ科ヒルガオ属) ◆
ヒルガオ 2013.6.17撮影 |
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