2021年12月23日木曜日

税金1億700万円を使って真相を隠さなければならなかった森友事件のそもそも

12月15日、財務省の公文書改竄問題で自死した赤木俊夫さんの妻・雅子さんが国などに損害賠償を求めた裁判、それがいきなり強制終了した。
国が原告の請求をすべて認めて請求額の1億700万円全額を支払うと決めたからだ。

認諾」というらしい。
赤旗 2021.12.16付
これ以上裁判が進むと責任の所在が安倍に及ぶと国が判断し、それを回避するためには原告の請求を100%認め、税金で1億700万円支払うこともいとわない。
ということだろう。
どこまでこの国は腐敗していくのだろう。
底なしだ。

12月17日の赤旗では、ラジオやテレビ番組で紹介された次のような国民の声を載せている。

 ▇ 国費を使って真相解明を避ける。これが”公助”ですね。
 ▇ 金払ったんだからガタガタ言うなということ。二重に腹立たしい。
 ▇ 納得できる国民はいない。こんな税金の使い方は許せない。
 ▇ 安倍元首相の責任を追及すべきだ。来年夏の参院選で自民党を惨敗させるべきだ。
 ▇ この決定をした人は誰か、その説明を求めたい。

「この決定をした人は誰か」と問われたら、国が被告の裁判である以上、その決定は国の最高責任者である岸田首相によって成されたに決まっている。
総裁選で総理にしてもらった安倍に忖度したと考えるのが自然だ。
いや、忖度ではなく、直接安倍から岸田へ指示が出たのかもしれない。

赤木雅子さんは次のような抗議文を財務省に提出した。
赤旗 2021.12.18付

安倍の前代未聞の醜悪さはこの森友問題に限らないが、この稿では周知のこととは思うが森友問題を忘れないために、そもそも論をあらためてまとめておく。

森友学園(塚本幼稚園)の教育はどんなものだったのか

赤旗日曜版 2017.3.5付

🔶毎朝、「5箇条の御誓文」を朗唱する。


🔶毎朝、「日の丸」を前に「教育勅語」を暗唱させられるので、うちの子は旗を見ると「教育勅語」を唱えるようになった(上記赤旗記事)。



🔶運動会の選手宣誓で、園児らが「安倍首相がんばれ、安倍首相がんばれ。安保法制国会通過よかったです」と唱和(上記赤旗記事)。


🔶テレビで安倍さんをみた園児の中には、興奮してバンザイした子もいた(上記赤旗記事)。
🔶伊勢神宮への参拝・宿泊。
🔶トイレの時間が決められ、お漏らしをすると厳しく怒られることもある(上記赤旗記事の続きにある保護者談)。
🔶着替えのパンツを持って行くことは許されず、お漏らししてパンツをはかせてもらえず帰ってきたこともあった。汚れたままのパンツをそのままバッグに入れられたこともあった(上記赤旗記事の続きにある保護者談)。
🔶子どもが、片付けが間に合わなかったという理由で、幼稚園バスに乗せてもらえなかった(上記赤旗記事の続きにある保護者談)。

このような戦後の民主教育において考えられないような復古主義・人権無視を理念として実践する学校、しかも幼稚園が存在したことに驚愕する。
しかし、この幼稚園をいたく気に入ったお方がいた。
安倍晋三の妻、昭恵だ。

森友と昭恵の深い関係

以下、2018年3月16日の赤旗日刊紙に掲載された「こんなにある「森友」&昭恵氏 深い関係」の記事を借用して進める。
「深い仲」の表と写真①~⑥はその記事のものであり、以下の文章はその記事を参考にして書いた。
なお、記事本文そのものは、上記リンクから読める。

そもそものそもそもは、2012年9月頃(民主党政権時代)、籠池泰典(森友学園理事長)が新設予定の小学校に安倍晋三記念小学校と名付けたいと要請したことから始まる。

この後、昭恵は森友学園を頻繁に訪れるようになり、講演したり、籠池の妻である諄子とメル友になる。

なぜ昭恵がすぐ籠池夫妻とお友達になったかというと、要するに塚本幼稚園の教育実践(教育勅語の暗唱)を見て感動したから(写真②)。

この時点ですでに安倍夫妻はアウトだろう。

2014年12月に昭恵が塚本幼稚園で行った講演の演目は「ファーストレディとして思うこと」(写真③)。
こんな女が日本のファーストレディ?
ああ恥ずかしい。

さらに、2017年には「籠池先生の教育に対する熱き想いに感銘を受け」、建設予定の小学校の名誉校長になる(写真⑥)。
昭恵がまだ開校していない「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長になったときの「ごあいさつ」は次のようなものだ(写真⑥)
籠池先生の教育に対する熱き想いに感銘を受け、このたび名誉校長に就任させていただきました。瑞穂の國記念小學院は、優れた道徳教育を基として、日本人としての誇りを持つ、芯の通った子どもを育てます。そこで備わった「やる気」や「達成感」、「プライド」や「勇気」が、子ども達の未来で大きく花開き、其々が日本のリーダーとして国際社会で活躍してくれることを期待しております。
塚本幼稚園の教育を優れた道徳教育と言い、日本人としての誇りを持つ芯の通った子どもを育てますと続ける。
昭恵は籠池とぴったり波長が合ったのだ。

安倍晋三は森友の教育をどう評価したか

森友問題は新設予定の小学校を「安倍晋三小学校」と名付けたい籠池の要請から始まった。
安倍におもねり、建設のための寄付を募る道具として使いたい籠池の計略でもある。

この要請は昭恵に行ったものだが、昭恵は当然このことを晋三に伝える。
昭恵はこの要請を受けて塚本幼稚園を度々訪問し、籠池の教育方針や教育実践に感涙し、そのすばらしいことを晋三に伝える。
晋三は妻からそのことを聞き、妻と同様に感動したのだろう。

幼稚園の段階でここまで自分たちが理想とする教育をしてくれている。
「美しい国へ」「日本を取り戻す」という目標を実現する教育だ。
だがこの子たちが小学校へ上がったとき、今のままではそれまでの教育が無駄になる。
何としても森友学園教育を小学校で継続させたい。
そのためには森友学園の小学部をつくらなければいけない。

森友側と安倍側の思惑は一致したのだ。
だから、信じられないけれど、一時は「安倍晋三記念小学校」と名付けることを安倍は喜んで了解した形跡がある。

しかしながら、安倍は自民党総裁に復帰し、総理大臣として第2次安倍政権発足と決まった時点でさすがにと思ったのだろう。
「安倍晋三記念小学校」の名付け構想は中断し、「瑞穂の國記念小學院」となる。

2015年9月の森友学園での講演で、昭恵は次のように述べている。
▶こちらの教育方針はすばらしいと主人も思っていた。
▶この幼稚園でやっていることが本当にすばらしいんですけども、ここから普通の公立の学校に行くと、せっかくここで芯ができたものが、またその学校に入ったとたんに揺らいでしまう。
▶安倍晋三記念小学校としたいと当初言われた。もし名前をつけるなら総理大臣をやめてからにして。
総理大臣をやめたら「安倍晋三記念小学校」でOKと思っていたところがすごすぎる。
また、この講演の際、籠池は昭恵から「安倍晋三からです」といって100万円渡されたと言っている。
安倍夫妻は本気で森友学園の小学校を作って欲しかったのだろう。

ここまでが森友問題のそもそもだ。
そもそもから腐り果てている。

赤旗の記事にはそもそもから発展する土地売買のことまで触れているが、この稿では触れない。


◆ トキワツユクサ(ツユクサ科ムラサキツユクサ属)◆

トキワツユクサ 2015.5.9撮影 近所の川土手
このトキワツユクサは、2018年に五島列島の福江島で初めて見たようなことを以前のブログに書いている。何のことはない。2015年に近くの散歩コースですでに見ていた。

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