NHK「未来へ しあわせ運べるように ~福島子ども合唱団の7年~」 |
私もけっこう見てしまった。
今なお4万を超える避難者、いまだに遺体を探し続ける遺族、経済的打撃から立ち上がろうともがく人たち、帰還困難区域解除の実態、全国からの応援やメッセージ、「復興五輪」のまやかし等々、それぞれ胸を打ち考えさせられるものであった。
が、ここでは、番組が伝えようとした本筋から離れてしまうのだが、2つの番組で、特に印象に残った場面に触れる。
1つめは3月7日に放映された「未来へ しあわせ運べるように ~福島子ども合唱団の7年~」で、内容はNHKのWEBで次のように紹介されている。
阪神淡路大震災の後、神戸で生まれた復興の歌「しあわせ運べるように」。この歌は今、福島の子どもたちに歌い継がれ、被災した人々の心を支えている。犠牲となった家族や離ればなれになった友人、傷ついたふる里。原発事故による風評被害…。子ども達は様々な葛藤を抱えながら、それぞれの思いを歌に込めてきた。歌を通して“あの日”と向き合う、福島の子どもたち7年間の物語。
番組から 村田日和 以下同 |
天音(あまね 中3)と日和(ひより 小6)。
祖父母と曾祖母の3人を津波でなくしている。
ある日、合唱団のみんなは、つらい体験をした仲間の気持ちをどう受け止めるかをいっしょに考えた。
被災した小高区の写真を見ながら、合唱団の仲間は感じたことを言う。
それに対しどう思うかを先生が日和に聞く。
「自分の家だったらとか、自分ちの近くだったらと考えてくれた人がいっぱいいたんですけど、他人を見ているんじゃなくて、自分とおきかえて考えてくれるからうれしい」
みんなかわいそうだなという気持ちがあるみたいだけど、それに対して日和ちゃんはどんなふうに思う、と先生が聞き返す。
「かわいそうだなと思われるのは嫌じゃないですけど、なんかちょっと違うな」
「悲しいのは悲しいんですけど、今は前を向いている。
だから、過去の自分をかわいそうと言われるのはいいけど、今かわいそうと言われるのは納得がいかない」
最後は少し泣きそうな声になったが、涙を見せずに気丈にこのような自分の思いを表現した日和にテレビを見ているこちらは泣いてしまう。
よく被災者に対して安易に「かわいそう」「がんばれ」といった言葉がかけられるが、そこにふくまれる問題点を先生は指摘しようと思ったのだろう。
それに日和はみごとなまでに応えている。
2つめの番組については次回で投稿予定。
五島列島シリーズ㉒ ◆ スイカズラ(スイカズラ科スイカズラ属)◆
五島列島シリーズ㉒ ◆ スイカズラ(スイカズラ科スイカズラ属)◆
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