内閣総理大臣たる安倍晋三に対する評価はそれぞれまちまちだろうが、歴代首相のなかで、彼ほど露骨にバカ扱いされた例はあるだろうか。
かつて森喜朗がシンキロウだとか「サメの脳」だとかひどいことを言われたが(今でもそのようだが)、それとは比較にならないほど安倍晋三の場合は各方面各層からのバカ扱いが目につく。
●右の「アベ政治を許さない」のプラスターはすでにおなじみのものだが、この文字を揮毫した金子兜太は、なぜ「アベ」とカタカナにしたのかと問われて、「こんな政権に漢字を使うのはもったいない」と応えている。(赤旗日曜版 2015.7.26付)
●ルポライターの鎌田慧は東京新聞のコラム(2015.6.9)に次のような記事を載せている。
「安倍さん。後世の歴史に、日本を戦争の危機にさらした愚鈍の首相ではなく「平和的傾向を有し且つ責任ある政府を樹立して、占領軍を直ちに撤収させる」(ポツダム宣言12条)名臣として、名を遺したらどうですか」
●ここでポツダム宣言が出てきたのは、共産党の志位委員長が5/20の国会での党首討論で第2次世界大戦は日本の「世界征服」「侵略」とポツダム宣言で規定しているではないかとただしたとき、安倍が「(ポツダム宣言を)つまびらかに読んでおらず、承知していない」と答えたことによることはいうまでもない。
安倍が常日頃から「戦後レジームからの脱却」を政治的信条に掲げていることからして、ポツダム宣言をつまびらかに読んでいないという発言には本当に驚かされたものだ。
一説には、安倍が先の大戦を侵略戦争と認めたくないためにあえて自分の無知を装ったという話もある。
それはそれでバカげた話だ。
赤旗2015.7.8付 |
バカもここまで徹底すると笑うしかない。
●ついでにポツダム宣言についていうと、安倍は2005年の自民党幹事長代理だったとき、「Voice」という雑誌で、次のように言っている。(朝日新聞DIGITAL)
「ポツダム宣言というのは、アメリカが原子爆弾を二発も落として日本に大変な惨状をあたえたあと、『どうだ』とばかり叩きつけたものです」
ポツダム宣言が発せられたのは1945年7月26日。
広島への原爆投下は8/6で長崎は8/9。
この頃からバカだったんだな。
●安保法制案が閣議決定された(5/14)あと、ジャーナリストの斎藤貴男は赤旗(2015.5.16)で次のように言っている。
「どこまでも米国の手駒として働くと忠誠を誓い、その掌の上で“大日本帝国ごっこ”の<アジアの盟主>として『自己実現』したいのが安倍首相ではないでしょうか。そのために日本国民を差し出すものです。世界一恥ずかしい国のあり方です」
「世界一恥ずかしい国のあり方」をした安倍は世界一のバカということになる。
前回も書いたが、宮崎駿は2015/7/13の海外記者との会見で次のように言っている。
「その安倍首相は、自分が憲法の解釈を変えた偉大な男として、歴史に残りたいと思っているんだと思いますが、愚劣なことだと僕は思っています」
●これも前回触れたのだが、ペシャワール会の中村哲は赤旗日曜版2015.7.12付で次のように言っている。
「アフガニスタンから一時帰国して安倍さんの熱に浮かされたような演説を聞き、はっきり言って正気なんだろうかと思いました」
正気ではないこととバカとはどのような関係にあるのかはよくわからないが、愚劣も正気でないもバカも似たようなものだろう。
●小林節は、2015.7.24、日比谷野音での集会で次のように言った。
「『世論の力で法律案を廃案に追い込もう』と言っている方が多いのですが、これは諦めてください。相手はバカの壁です。覚悟を決めて悪事を働く人に、われわれは説教をしているようなものなのです」
バカの壁とはよくぞ言ったものだが、ではどうすればいいのかということでは、
「衆議院の総選挙で政権交代をさせない限り、これは終わらない。3割の票で7割の議席を取って威張っている殿様がいるわけです。だから我々は4割の票で8割の議席を取って、彼らの息の根を止めてあげれば、いいのです」
と言っている。
小林節はそれ以前の7/12の記者会見ですでに「安倍政権はバカの壁」発言をしている。
●1年ぐらい前から妻の知人が古くなった雑誌「週刊金曜日」を送ってくれるものだから、ついつい私もパラパラと拾い読みする。
漫画家の石坂啓がそれに連載コラムを書いているのだが、2015.9.11号に「お前馬鹿か」と題したものがあった。
――ここから転載
8月30日の国会前集会に私は「アベ政治を許さない」のプラカードの他に、バカでかいボードに「アベムカつく」と書いたパネルも掲げていた。
「戦争させない」や「9条守れ」といった思い思いのカードの中にあっても、やや行儀の悪いほうの類いではあったろう。しかしギッシリの人々の頭上に、国会に向かって掲げられていた一枚には負けた。
「お前馬鹿か」の5文字だけ。
……すばらしい。ジーンとシビれて見入ってしまった。そうです、馬鹿なんです、あの人。これだけの市民がやめろと言ってる、憲法学者も弁護士も裁判官も違憲だと言ってる、ママも若者も教師も教授も作家もミュージシャンも、年齢職業を超えた人々がこんなに声を上げているのに彼のオツムには入らない。
私の周囲は原発事故のころから週末の抗議集会に参加している友人たちが多いのだが、この戦争法案が加わっていつどこで集会があるのか、仕事の調整や人との約束にせわしく追われている。妹はスケジュール表に書き込みながら「まったく馬鹿のおかげで忙しくてかなわん!!」と腹を立てている。
そう、みんなヒマで出かけてるわけではないのだ。やむにやまれず、時間をやりくりして、交通費をかけて労力を使っている。永田町でも国会議事堂前でも、地下鉄を降りたはいいが地上に出るだけでもどれほど時間がかかることか。人の波でまず動けない。封鎖されてる出口や使えなくされてるトイレにもジッと従い、ここにいるみんなは同志なのだからと列を崩さない。馬鹿にわかるか。
8・30は雨だった。カバンから雨具を取り出すこともすぐにできないほどの、ラッシュアワー並みにぎゅうぎゅうの人。濡れてもかまわないという気持ちでいる人の、どれほど多かったことか。馬鹿が許せないからだ。
(後略)
転載ここまで――
ここまで痛烈な発言もすごいなと思う。
一国の首相を週刊誌といえど、ここまで罵倒できるとは。
日本って自由でいいななんて変に感心してしまう。
●9月に国連総会があり、よせばいいのに安倍が出かけて演説した。
演説そのものは聴衆ガラガラの状態で安倍もなさけない思いをしたのではないだろうか。
安保法制成立でオバマにもほめてもらいたかっただろうに無視されたみたいで。
問題は9/29の記者会見でのできごとだった。
赤旗2015.10付 |
赤旗も正直に書けばいいのに。
「世界が驚いた不見識」ではなく、「世界が驚いた安倍のバカ」と。
追記(2015.11.4)
今回のブログを書く前には意識していたのだが、書いている段になってすっかり忘れていたことがあった。
同志社大学の浜矩子の発言だ。
彼女は以前からしきりにアベノミクスのことをアホノミクスと言っている。(例えばここ)
なぜ思い出したかというと、昨日広島市で彼女の講演会があったからだ。
体調は良くなかったのだが、ちょっと無理をして聞きに行った。
超満員で出入り口のドアにもたれるように座り込んで聞いた。
強い眠気があったりしてきちんと聞けていないのだが、期待していたような強烈な毒舌に満ちた話しではなかったように思う。
アホノミクスと言い続けてきたのだが、最近はそれでもがまんできなくてドを付けるようになったという。
つまり、ドアホノミクス。
◆ マユミ(ニシキギ科ニシキギ属) ◆
マユミ 2013.10.14撮影 |
久しぶり!
返信削除バカは安倍だけじゃないでしょう。維新の橋下、そんな奴を選んだ大阪市民。安倍自民を支えるバカ国民。
それらに対峙しているようにに見える「エセ社会主義」の冠を被ったファシスズム中国、北朝鮮。ついでに韓国。
要するに、みんな同じアジア型の専制主義(ファシズム、スターリニズム)の系統にある同じ穴のムジナですよ。
日本共産党は大丈夫ですか?
反安倍の受け皿となれない無能野党からこぼれた票を拾って浮上しただけだという自覚はあると思います。
かつてのスターリニズム体質を完全に総括し、訣別できたという自信がありますか。
あー、迂闊でした! まだ誰にも自分のブログを公開するつもりもなく、単なるブログ作成の練習段階のお遊びのはずだったのに、うっかりこのハンドルネームでコメントしてしまったんだー! あー恥ずかしい。
削除まもなく削除する予定なので忘れてください。
今も安倍内閣の支持率は40%以上ということや、先日の大阪ダブル選挙における結果など、いったいこの国の人々の神経はどうなっているのだろうかと思ってしまいます。
返信削除共産党については私自身まだよくわかりません。