見るともなしに見ていたら、前園という元サッカー選手が深い感傷に浸り、涙目になりながらかつての感動を思い起こしている。
川口という有名なキーパーがあの試合は自分にとってもベストゲームだったと絶賛している。
私も後半残り13分で1点差に追い込まれたところまではいい試合だったんだなと思った。
しかしその後はしらけてしまう。
追い込まれた日本が何をしたかというと、徹底的な時間稼ぎだ。
ドーハの悲劇は時間稼ぎが下手だったから起こったと言わんばかりに、時間稼ぎに徹したことを自画自賛している。
前園はコーナーキックの時わざと転んだりする。
そのような時間稼ぎの作戦を容認するばかりでなく、すばらしいたたかいだったと感動的に思い出す選手たちや、それをヒーローたちの名勝負と銘打って番組編成するNHKとはいったいなんだろう。
サッカーという競技をおとしめているのではないか。
サッカーの時間稼ぎというスポーツ精神に反する卑怯な行為については何度もこのブログでレッドカードを出してきた。
しかし、試合中継を見ていてもそれを批判するような解説は一度も聞いたことがない。
のみならず、「あとは時間をどのようにうまく使うかですね」みたいな言い方で時間稼ぎを推奨するような解説ばかりだ。
サッカージャーナリストの大住良之はその否を言い続けている。
つい先日の赤旗に彼のコラムが載った。
――ここから転載(赤旗2013.10.10付)
Jリーグの挑戦 フェアに徹してなお強い
サッカージャーナリスト 大住良之
Jリーグは昨年から「プラス・クオリティー・プロジェクト」を実施しています。試合の魅力を向上させるため、レフェリーに対する異議や遅延行為をなくすことを主目的にした活動です。
サッカーの試合は前後45分ずつの計90分間。最近では前後半に「アディショナルタイム(追加時間)」を加え、実際には95分間程度になるのですが、そのなかで実際にポールが動いている時間(アクチュアルタイム)が何分あるかというと、意外に短い。昨年のJ1の平均で55分間といった程度なのです。90分間としても、実に35分間にもわたってプレーが止まっているのです。
ボールがタッチラインやゴールラインを出たり、反則が起こるとプレーが止まります。スローインやゴールキック、そしてFKなどで試合が再開されるまではプレーが止まります。仕方がない時間もあります。しかし、レフェリーに対する異議や勝つために時間を浪費しようという遅延行為は、選手の心がけ次第でなくすことができます。それをすすめていくのが、「プラス・クオリティー・プロジェクト」なのです。
そして活動2年目の今季、その成果は出始めているようです。
第28節までの252試合で「異議」と「遅延行為」に出されたイエローカードは合計86枚。ほぼ3試合に1枚の割合です。昨年は全34節306試合で151枚。2試合で1枚の割合でしたから、かなり減っていると言えます。
異議と遅延行為の数が少ないのはサンフレッチェ広島、浦和レッズ、そして柏レイソルの3チームで、それぞれ1回しかありません。広島は優勝した昨年もイエローカードが少なくフェアプレー賞を受賞しましたが、ことしも「反則ポイント」が最も少なく、「フェアプレーレース」でも首位を独走しています。
今季、その広島と優勝を争っている浦和がやはり異議や遅延行為による警告が少なく、「反則ポイント」も広島に次いで少ないというのは注目すベき点でしょう。
今季第27節までに集計したチームごとの「アクチュアルタイム」では、広島が1試合平均61分02秒で1位、浦和が58分30秒で2位となっていることも、興味深いところです。
今期この2チームと優勝を争っている横浜F・マリノスは52分09秒で最下位ですから、「長くプレーすれば勝つ」とは言い切れませんが、フェアプレーに徹してなお強いのは、ブロとして誇っていいことだと思うのです。
◆ セイヨウヒキヨモギ(ゴマノハグサ科セイヨウヒキヨモギ属) ◆
セイヨウヒキヨモギ 2013.5.26撮影 |
0 件のコメント:
コメントを投稿