今もおそろしくて長時間はキーボードを打てない。
参議院選挙は自民党が圧勝してうんざりだが、そこは共産党が躍進したので精神的バランスがなんとかとれている。
マスゴミといわれてもしょうがないだろう。
今日はTPPのこと。
昨年末の衆議院選挙で、自民党はTPP反対を掲げて圧勝した。
安倍はさっそく民主党顔負けの公約違反をしてTPPの交渉参加を決めた。
とくに農業関係者は裏切られた思いが強かっただろう。
今回の参院選では、群馬のJA幹部が共産党の街頭演説で「自分の生活を自分で守るために、日本共産党を、命の続く限り、これからも組織をあげて支持いたします」と訴えて感動をよんだ(と思う)。
――ここから転載(赤旗2013.7.17付)
生活守るため命続く限り共産党を支持
JAにったみどり 橋場代表理事組合長の訴え
16日、群馬県高崎市で市田忠義書記局長を迎えて開かれた日本共産党街頭演説で、新田みどり農業協同組合(JAにったみどり)の橋場正和代表理事組合長が応援演説をしました。紹介します。
私どもは日本共産党支持を決めました。TPP(環太平洋連携協定)を含めていろいろな問題、いろいろな政策がいつもぶれて、国民受けをするような選挙のための政策を打ち出している民主党には、つくづく嫌気がさしました。自分たちの気持ちを、自分たちの生活を守ってくれる日本共産党に、これからの政治をお任せしたいという気持ちでいっぱいであります。
私ども農業団体も久しく自民党一党でありましたけれども、今度の選挙は自主投票と決めさせていただきました。そこで私は一番早く、日本共産党支持を表明いたしました。
40年間にもわたって、自民党の役員、あるいは今まで県議会の幹事長をしている方の後援会長もしてきました。しかしながら自民党も先日脱退をいたしました。誰のためでもありません。自分のためであります。自分たちの仲間の生活を守るためであります。
今日は、大勢の党員のみなさんに呼びかけをするのではなくて、私同様に今まで共産党とほとんど無縁に近かった、支持もしなかった人たちに、私どもの心の声をぜひ聞いていただきたい。
自分たちの生活を守るためには、自分たちの現状をよく理解していただいた上で政策を前面に出し、どんな世の中でも自分たちが幸せに暮らせるような政党を支持していきたい。その気持ちでいっぱいであります。
私はいわば自民党の異端者かもしれません。それで結構であります。自分の生活を自分で守るために、日本共産党を、命の続く限り、これからも組織をあげて支持いたしますので、お集まりのみなさんにもご了解をいただければと思います。
生活を守っていただけるのは、日本共産党以外にどこの政党でもありません。正しい声を日本の政治に反映しようではありませんか。そのためには、みなさんのご支持ご支援が、今まで以上に力を込めて、熱を持って頑張らなければいけないと思います。私も一生懸命頑張ります。みなさん一緒になって頑張りましょう。
転載ここまで――
北海道選挙区ではJAは初めて自民党を推薦も支持もせずに自主投票にした。
青森のJAは自民を推薦せずに共産党、生活の党、無所属の3人を推薦した。
「にったみどり」のある群馬も山本一太を推薦せず。
鳥取も自主投票。
遅きに失したとはいえ、農業関係者の大量の票が自民党から離れると喜んだ。
ところが結果は自民圧勝。
定数1の選挙区(31)では、岩手と沖縄を除いてすべて自民党が独占。
定数2以上の16の選挙区でも大阪を除いてすべてトップ当選(大阪は2位当選)。
いったいどういうことだろうと不審に思っていたところ、全中の萬歳章会長の次のコメントを読んで腰が抜けそうになった。
――ここから引用
第23回 参議院議員通常選挙結果についての談話
今回の選挙の結果、与党の自民党・公明党が参議院の過半数を大きく超える議席を確保したことは、農業政策を安定的かつ強力に実行する上で心強く、大いに期待するところである。
一方で、今回の参議院選挙では、TPP 交渉への参加表明により、JA グループが推す組織内候補である山田としお氏にとって厳しい戦いであったが、こうした状況の中で、比例で上位当選を果たしたことは、TPP に反対する我々の強い思いが反映された結果である。
また、選挙区においては、JA グループのTPP 交渉に対する運動や考え方に賛同する政策協定等を全国農政連との間で結んだ方々も数多く当選を果たした。
政府・与党は、この結果をしっかりと受け止め、今後のTPP 交渉に臨むとともに、与党・国会の決議や公約を遵守し、我が国の国益を守り抜くための対応を徹底して貫いてくれるものと確信している。
政府・与党は、農業・農村の所得倍増を目指した戦略を策定し、実行するとしており、JA グループとしても、活力ある農業・地域づくりに向けて、6月に取りまとめた提言で示したJA グループ自らの取り組みを具体化・実践し、「農業者の所得増大」と「食料自給率・自給力の向上」という目標の実現に向けて、全力で取り組む所存である。
我々は、広く国民の理解を得ながら、協同組合としての農業・地域経済における役割を果たす覚悟であり、政府・与党には我々の取り組みに対する予算、税制、そして真に農業者に資する規制改革における支援を期待する。
また、選挙区においては、JA グループのTPP 交渉に対する運動や考え方に賛同する政策協定等を全国農政連との間で結んだ方々も数多く当選を果たした。
政府・与党は、この結果をしっかりと受け止め、今後のTPP 交渉に臨むとともに、与党・国会の決議や公約を遵守し、我が国の国益を守り抜くための対応を徹底して貫いてくれるものと確信している。
政府・与党は、農業・農村の所得倍増を目指した戦略を策定し、実行するとしており、JA グループとしても、活力ある農業・地域づくりに向けて、6月に取りまとめた提言で示したJA グループ自らの取り組みを具体化・実践し、「農業者の所得増大」と「食料自給率・自給力の向上」という目標の実現に向けて、全力で取り組む所存である。
我々は、広く国民の理解を得ながら、協同組合としての農業・地域経済における役割を果たす覚悟であり、政府・与党には我々の取り組みに対する予算、税制、そして真に農業者に資する規制改革における支援を期待する。
TPP 問題や新農政の確立、農業・JA 批判への対応など重要な農政課題が山積するなか、当選された方々には、わが国の食料・農業・農村の発展にご尽力をいただくことを切に願う次第である。
平成25年7月22日
全国農業協同組合中央会
会長 萬歳 章
引用ここまで――
JAトップの会長は、自民党圧勝を歓迎したわけだ。
もういうべき言葉がない。
今月22、23日とブルネイでTPP交渉の閣僚会合が開かれた。
甘利がなぜかうれしそうな顔をして参加していた。
以下の鈴木教授の話から、TPPの実態をしっかりとらえておこう。
――以下転載(赤旗2013.8.8付)
TPP交渉 「国益」主張せず市場明け渡す
ここまで屈辱的とは
環太平洋連携協定(TPP)交渉に日本が正式参加しました。並行して、日米交渉もはじまりました。この時点でTPP問題をどうみるか。東京大学大学院教授の鈴木宣弘さん(農学博士)に聞きました。 聞き手 渡辺健
東大大学院教授 鈴木宣弘さんに聞く
政府は、情報開示が不十分だという批判に対し、〝交渉に参加していないから中身がわからない″〝参加すれば情報がわかる″といっていました。参加したら、〝4年間は交渉の中身が秘密だから情報は出せません″という。
勝手に決めて露骨な譲歩も
いつまでたっても国民には何も開示しないで、勝手に決めてしまう。TPP交渉とはそういうものだと改めて明らかになりました。
信じられないことは、「守るべきものを守る」ために交渉に参加するんだといっていたのに、日本のTPP交渉団が何を守りたいか、いっさい表明しなかったことです。
農林水産品の関税、国民皆保険、食の安全基準など「守るべき国益」について、国会でも自民党でも決議しています。私たちの市民グループは、決議を英訳してアメリカなど交渉参加国に配りました。〝日本がそう簡単には譲らないことを覚悟してくれ、それでも参加を認めるのか″と。ほかの参加国は、今回のマレーシア会合で日本の交渉団が、「日本が守るべき国益」を持ち込んでくると思っていた。ところが、日本の交渉団は、いっさい主張しなかった。「各国『肩すかし』予想反し日本主張せず」(「東京」7月26日付)です。
逆に、露骨な譲り方を相変わらずしています。その最たるものが、米国の保険会社アフラック(アメリカンファミリー生命保険)の日本市場強奪です。
日本郵政のかんぽ生命について、米国側は「競争条件を同じにしてくれ」と要求。アフラックが日本市場の7割を占めるがん保険は、かんぽ生命が新商品を当面発売しないと約束させられました。それにとどまらず、「提携強化」で、日本のすべての郵便局でアフラックのがん保険を売る。まさに市場を完全に売り渡したわけです。
米国の狙いは、郵政マネーとか日本の資金を米国にもっていくことです。それをいとも簡単に日本側から「はいどうぞ」と明け渡した。TPPを象徴しています。米国企業による日本市場の強奪です。
日本側は、「守るべきもの」をいっさい主張しない。すべてを失う交渉をやる。なんと屈辱的か。わかっていたことですが、ここまで露骨とは、思いもしませんでした。
国民生活より米企業の利益
米国のTPP戦略は、TPP交渉を利用しながら、日本郵政など個別の問題は、2国間交渉で従わせればいいというものです。日米交渉で、大きなテーマになる食の安全は国民生活に直結する問題です。
米国は、日本の食の安全基準というのは厳しすぎる、緩めろという。BSE(牛海綿状脳症)対策としての米国産牛肉の輸入規制は、日本のTPP交渉参加の「入場料」として、すでに緩和させられてしまいました。
遺伝子組み換え(GM)食品の表示をなくすことは、米バイオ化学メーカーのモンサントが世界に広めたいことです。同社は、遺伝子組み換え作物の種の世界シェア(市場占有率)が9割です。
表示ができなくなったら大変ですよ。何を食べているのかわからない。小麦もコメもGMになって、日本人の食べ物が完全にGMで独占されるようになると、消費者も選ぶことができません。生産者もモンサントの種子を買わないと、生産できない。じやあ、GM食品が安全か。フランスの実験結果があります。いままでの実験は3カ月でよかったので、ネズミに、がんはみつからなかった。ネズミに2年、一生分食べさせたら、がんだらけになってしまった。
人間はGM食品を十数年しか食べていない。80年食べたらやっぱり心配だと思う。せめて、表示して選べるようにしてくれといっているのに、それさえダメだという。米国の農業主席交渉官は、モンサントの前ロビイストです。露骨ですよね。
医療問題も重大です。米国の保険会社や製薬会社にとって、自分たちの利益を拡大するうえで、日本の公的保険制度が邪魔になる。自由診療を拡大し、先端医療保険を拡大するため、混合診療を解禁しろという。薬の値段を安くできるように公的な委員会で決めているのは、自分たちのもうけを阻害しているから、やめろ、薬の特許期間を長くしろという。
自動車は、すでに日本の交渉参加の「入場料」として、米国の自動車関税の撤廃猶予(25~30年を要求)など大幅に譲歩させられました。さらに、日本が軽自動車に税制上の優遇をしているのはけしからん、米国の車が売れるように軽自動車の区分をやめろ、米国の最低輸入台数を決めろ―などと迫ってくるのは必至です。
暴走をとめるうねり今こそ
参院選の結果、安倍政権の経済政策「アベノミクス」が評価され、TPP交渉参加も評価されたなんて思われたら、とんでもないことです。
「アベノミクス」というのは、円安に誘導し、解雇を自由にし、賃金は抑制する。輸入食品とか生活必需品は高くなり、人々の暮らしは苦しくなる。ほんの一握りの国際展関しているような企業だけが、もうけを拡大する。そのために、なんでもやるというのが、「アベノミクス」です。米国と日本のほんの一握りの企業の利益を貫徹させる。「アベノミクス」の完結編がTPPです。
自民党に対決する政党として格差社会をなくせ、原発ゼロ、TPP交渉から撤退しろと主張した政党、共産党が唯一躍進しました。
対立軸として、いまの政権党の暴走を止める力として、共産党がここまで伸びたわけです。共産党もその期待にぜひ応えてほしい。覚悟をもって、暴走を止めてほしい。
TPPの産業への影響について、私たちが内閣府と同じモデルで計算しても、トータルではマイナスです。もっともっと幅広い人たちが連帯して、国の暴走を食い止めるうねりをつくりだす必要があります。
◆ ハリエンジュ(マメ科ハリエンジュ属) ◆
ハリエンジュとキジバト 2013.5.14撮影 |
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