それに書籍売上ベスト10というのが載っていて、ずっと以前から「医者に殺されない47の心得」という本が上位にランクされていた。
最新号では8位になっている。
気になっていたところ、姉が読んだというので、貸してもらって先日読んでみた。
昨年は大櫛陽一の「100才まで生きるコレステロール革命」を読んで驚天動地だった。
今回の本は「47の心得」だから、驚天動地×47といったところか。
本の内容は、カバー裏にある著者本人による紹介文と目次を見れば概要がわかる。
医者を40年やってきた僕が、いちばん自信をもって言えるのは「病院によく行く人ほど、薬や治療で命を縮めやすい」ということです。医者にかかればかかるほど検査が増えて「異常」が見つかり、薬を飲んだり手術をするハメになる。薬のほとんどに病気を治す力はなく、副作用は大きい。がんが見つかると、いきなり胃や子宮を切り取られたり、死ぬほど苦しい抗がん剤治療をさせられる。こうして命を縮めます。「信じる者は救われる」と言いますが、医者を簡単に信じてはいけない。本書では、医療や薬を遠ざけ、元気に長生きする方法を解説していきます。
近藤 誠 (コンドウ マコト) |
心得1 「とりあえず病院へ」。あなたは医者の"おいしい"お客様
心得2 「老化現象ですよ」と言う医者は信用できる
心得3 医者によく行く人ほど、早死にする
心得4 「血圧130で病気」なんてありえない
心得5 血糖値は薬で下げても無意味で、副作用がひどい
心得6 世界一売れるコレステロール薬の「病気を防ぐ確率」は宝くじ以下
心得7 がんほど誤診の多い病気はない
心得8 「早期発見」は、実はラッキーではない
心得9 「がんだったから、仕方ない…」と考えてはいけない
心得10 健康な人は医療被ばくを避ける。CT1回でも発がんリスクあり
心得11 医者の健康指導は心臓病を招く
■第2章 患者よ、病気と闘うな
心得12 一度に3種類以上の薬を出す医者を信用するな
心得13 軽い風邪で抗生物質を出す医者を信用するな
心得14 「抗がん剤を使えば寿命が延びる」と言う医者を信用するな
心得15 がんの9割は、治療するほど命を縮める。放置がいちばん
心得16 「医者から薬をもらう」を習慣にしてはいけない
心得17 痛みはこわくない。モルヒネを正しく使えば、安全に長生きできる
心得18 がんの痛みは完璧にコントロールできる
心得19 安らかに逝くとは「自然に死ねる」ということ
■第3章 検診・治療の真っ赤なウソ
心得20 がん検診は、やればやるほど死者を増やす
心得21 「乳がん検診の結果は、すべて忘れなさい」
心得22 胃を切り取る前に、知っておきたいこと
心得23 1センチ未満の動脈瘤、年間破裂率は0・05%
心得24 断食、野菜ジュース、免疫療法…医者たちの「がん詐欺」に注意
心得25 「免疫力」ではがんを防げない
心得26 よくある医療被害 ケーススタディ
■第4章 100歳まで元気に生きる「食」の心得
心得27 体重、コレステロールを「減らさない」健康法を選ぶ
心得28 ピンピン100歳への体づくりは「毎日タマゴと牛乳」から
心得29 ビールは1日にロング缶2本までなら「百薬の長」
心得30 ビタミン・ミネラルの摂りすぎで早死にする
心得31 コラーゲンでお肌はぷるぷるしない。グルコサミンはひざに直接届かない
心得32 「高血圧に塩はだめ」はウソ。自然塩より精製塩のほうが安心
心得33 コーヒーは、がん、糖尿病、脳卒中、ボケ、胆石、シワを遠ざける
■第5章 100歳まで元気に生きる「暮らし」の心得
心得34 24時前後にどっぷり眠る「超」早寝早起き健康法のすすめ
心得35 石けん、シャンプーを使わないほど、肌も髪も丈夫になる
心得36 大病院にとってあなたは患者ではなく被験者
心得37 「手当て」でストレスを癒す
心得38 しゃべって、笑って、食べて。口を動かすほど元気になる
心得39 よく歩く人ほどボケにくい
心得40 インフルエンザ・ワクチンを打ってはいけない
心得41 「ほっときゃ治る」を、いつも心に
■第6章 死が恐くなくなる老い方
心得42 ポックリ逝く技術を身につける
心得43 喜怒哀楽が強い人ほどボケない
心得44 100歳まで働き続ける人生設計をする ほか
心得45 いきなり進行がんが見つかったらどうするか
心得46 ロウソクが消え入るような、転移がんの自然死
心得47 リビングウィルを書いてみよう
心得47 リビングウィルを書いてみよう
近藤 誠 (こんどうまこと)
1948年生まれ。73年、慶應義塾大学医学部卒業。同年、同大学医学部放射線科入局。79~80年、米国へ留学。83年より同大学医学部放射線科講師。がんの放射線治療を専門とし、患者本位の治療を実現するために、医療の情報公開を積極的にすすめる。乳房温存療法のパイオニアとして、抗がん剤の毒性、拡大手術の危険性など、がん治療における先駆的な意見を一般の人にもわかりやすく発表し、啓蒙を続けてきた功績をたたえられ、2012年「第60回菊池寛賞」を受賞。著書に『患者よ、がんと闘うな』『がん放置療法のすすめ』(ともに文藝春秋)ほか多数。
近藤誠を知らなかったのだが、調べてみると、1996年刊行の「患者よ、がんと闘うな」がベストセラーになっていたりして、けっこう昔から有名な人だった。
経歴を見てもわかるように近藤の専門はがんだ。
がんについて、私のような一般人にとっては本当に驚愕するようなことを言っている。
検診によって見つからなくてもいいがんが見つかり、その結果治療を受けて苦しんだあげく命を縮めている。
がんはほっとくにかぎる。
このような主張をにわかに信じることができるだろうか。
しかし、さまざまなデータを引き合いに出してこのようなことを言われると、ほとんどの人は心を動かされるのではないか。
たとえば心得8の「『早期発見』は、実はラッキーではない」という章では、次のようなことが書かれている。
多くの健康な人々を集めて、くじ引きで「検診」「放置」などのグループに分けて、研究、追跡する方法を「くじ引き試験」と言います。これは信頼度の高い方法です。
欧米では肺がん。肺がん、大腸がん、乳がんのくじ引き試験が多数行われ、「検診をしてもしなくても。死亡率は同じ」と実証されています。
肺がんでは、アメリカのメイヨークリニックで9千人のヘビースモーカーを11年間、旧チェコスロバキアでは喫煙男性6300人を3年間、くじ引き試験で追跡したら、いずれも検診群の死者の方が多かった。
日本では、1989年に「がん検診をやめた村」、信州の泰阜村で明らかにがん死が減りました。胃がんなどの集団検診をやめたら、その前の6年間は、胃がんの死亡率が村民死亡者の6%、89年からの6年間は2.2%と半分以下に激減しています。
検診を受けると不要な治療をされて、手術の後遺症、抗がん剤の副作用、精神的なストレスなどで早死にする人が多くなる、と考えられます。
よく「がんが見つかったけど早期だったから、手術できれいに取ってもらえた。私はラッキー」と言う人がいますが、実は無駄な手術で損をしたんです。どんな最新鋭機を使って早期発見をしても、本物のがんはそのはるか前、できてすぐに、あちこちに転移しています。
大櫛陽一は「コレステロールは高い方が長生き」と言っていたが、近藤誠もがんについて常識とは真逆なことを言っている。
私はがん患者ではないにもかかわらす驚愕するぐらいだから、がんの当事者にしてみれば驚天動地というのは決して大げさではないだろう。
大櫛はコレステロールや血糖以外のことに関してはあまり多くを語っていないが、近藤はがん以外のことについても驚くようなことをたくさん言っている。
私自身のことだが、5年ぐらい前から乾燥肌で苦しんでいる。
頭、脛、前腕の外側の3カ所だ。
10月に入って、翌年の梅雨入りまで続く。
手当てしないとたまらなくかゆくなる。
予防や症状を抑えるためにいろんなことをしてきたが、今年の2月ごろからはシャンプーをやめて、頭も体も石けんを使うようにしていた。
ところが、近藤誠は心得35で「石けん、シャンプーを使わないほど、肌も髪も丈夫になる」といっている。
五木寛之は髪を洗うのは1年に盆暮れの2度だけだったが、最近は1ヶ月半に1度だけらしい。
彼の頭髪は80才にしてふさふさということだ。
石けんまで使うなと言われて、うなってしまったが、先週からそのようにしている。
私の場合、ふさふさの髪を欲しているわけでなく、乾燥肌の改善を求めているのだが。
五木寛之といえば、冒頭紹介した地域情報紙の書籍売上ベスト10で彼の「なるだけ医者に頼らず生きるために私が実践している100の習慣」という本が第4位に入っている。
コレステロールに関しては(それ以外の多くも)、近藤誠は大櫛陽一と同じことを言っている。
心得27「体重、コレステロールを『減らさない』健康法を選ぶ」の章で次のように言う。
僕は最近、がん放置を選んだ患者さんには「ステーキでもトロでもイクラでも、おいしいと思うものを何でも食べて、少し太った方が長生きする」とアドバイスしています。
がんでない方も同じです。相撲取りのような太りすぎは寿命を縮めますが、日本人の健康調査を見ると、メタボにさしかかる程度の小太りが一番長生き、コレステロールが高いほど長生きしています。正常細胞を丈夫にすることが、がんへの抵抗力を高めるのです。
「コレステロールが高いほど長生き」という言い方にはどうしても不信感を覚えてしまう。
大櫛陽一の本には次のようなグラフが載っている。
大櫛陽一「100才まで長生きできるコレステロール革命」から |
しかし、これはあくまでLDLが140以下のデータだ。
現在の標準医療では、LDLは70から139が基準範囲だ。
140を超えてもLDLは高いほど長生きかどうかが知りたいのだ。
大櫛の本の同じページに次のグラフがある。
現在の標準医療では、LDLは70から139が基準範囲だ。
140を超えてもLDLは高いほど長生きかどうかが知りたいのだ。
大櫛の本の同じページに次のグラフがある。
大櫛陽一「100歳まで長生きできるコレステロール革命 |
140以上のデータがあるが、これを見る限り、140以上でLDLが高い方が長生きかどうかはっきりしない。
まして、200とかそれ以上の場合、本当に長生きできるのか?
大櫛にしても近藤にしても、たとえば「LDLコレステロールが190以下であれば高い方が長生きできる」という言い方をしてくれればいいのに。
ただ「コレステロールが高いほど長生き」ではたいへんなミスリードをすることになりはしないか。
実は大櫛の本には巻末に付録のようにして彼らが決めた年齢別の基準値の表が載っている。
たとえば「60~64才の基準範囲」は下表。
「基準範囲」であれば、他の問題がなければ薬物治療などを必要としない範囲で、「目標範囲」とは生活習慣改善の目標とする範囲と説明がある。
ここが私には理解できないところだ。
「コレステロールは高いほど長生き」といいながら、一方で、基準範囲とか目標範囲とかがある。
基準範囲を超えればコレステロールは高いほど危険とはっきり言ってほしい。
大櫛の場合はこのようにグラフや表があって、読者がいろいろ考える余地があったのだが、近藤の場合は「コレステロールが高いほど長生き」と言いっぱなしだ。
責任ある主張と言えるのか。
このようにコレステロールについてしつこく述べているのは、私自身の問題があるからだ。
2003年から10年来コレステロールの薬を飲んでいる。
最初はメバロチンから始め、途中でリポバスにする。
1日1錠で、2~3カ月おきの血液検査では、LDLはほとんど139以下に抑えられていたが、中性脂肪が高いので総コレステロールはいつも220(基準上限値)を超えていた(230前後)。
食生活や運動にいくら気をつけても改善しないので、これはもう体質ということで半分あきらめ気分で薬を続けていた。
できるだけ薬を減らしたいので、2011年9月、リポバスを1日1錠から隔日にしてようすをみたいと私からお願いした。
その2カ月後の結果はLDLが163で2003年以後の最高値。
たしかに薬効はあったのだ! と認識した。
先生からリポバスより効き目があるリピドール(ジェネリックのアトルバスタチン錠5mg)にしてはと提案があり、アトルバスタチンを隔日に飲むことにした。
その2カ月後の結果はLDLが138!
リピドールを毎日飲むのと同じぐらいの効果が出た。
まして、200とかそれ以上の場合、本当に長生きできるのか?
大櫛にしても近藤にしても、たとえば「LDLコレステロールが190以下であれば高い方が長生きできる」という言い方をしてくれればいいのに。
ただ「コレステロールが高いほど長生き」ではたいへんなミスリードをすることになりはしないか。
実は大櫛の本には巻末に付録のようにして彼らが決めた年齢別の基準値の表が載っている。
たとえば「60~64才の基準範囲」は下表。
大櫛陽一「100才まで長生きできるコレステロール革命」から |
ここが私には理解できないところだ。
「コレステロールは高いほど長生き」といいながら、一方で、基準範囲とか目標範囲とかがある。
基準範囲を超えればコレステロールは高いほど危険とはっきり言ってほしい。
大櫛の場合はこのようにグラフや表があって、読者がいろいろ考える余地があったのだが、近藤の場合は「コレステロールが高いほど長生き」と言いっぱなしだ。
責任ある主張と言えるのか。
このようにコレステロールについてしつこく述べているのは、私自身の問題があるからだ。
2003年から10年来コレステロールの薬を飲んでいる。
最初はメバロチンから始め、途中でリポバスにする。
1日1錠で、2~3カ月おきの血液検査では、LDLはほとんど139以下に抑えられていたが、中性脂肪が高いので総コレステロールはいつも220(基準上限値)を超えていた(230前後)。
食生活や運動にいくら気をつけても改善しないので、これはもう体質ということで半分あきらめ気分で薬を続けていた。
できるだけ薬を減らしたいので、2011年9月、リポバスを1日1錠から隔日にしてようすをみたいと私からお願いした。
その2カ月後の結果はLDLが163で2003年以後の最高値。
たしかに薬効はあったのだ! と認識した。
先生からリポバスより効き目があるリピドール(ジェネリックのアトルバスタチン錠5mg)にしてはと提案があり、アトルバスタチンを隔日に飲むことにした。
その2カ月後の結果はLDLが138!
リピドールを毎日飲むのと同じぐらいの効果が出た。
それでアトルバスタチンを隔日で続けたのだが、2カ月後に145、さらに2カ月後(2012年7月)に160と上がり続ける。
その160の数値が出る1週間ぐらい前に大櫛陽一の「100才まで長生きできるコレステロール革命」を読んだのだ。
で、大櫛の基準表を見ると、LDLの基準値上限は186(55~59歳)になっている。
他の問題がなければ薬物治療などを必要としない範囲内だ。
幸い私は酒たばこはしないし、血圧は低めだし、肥満でもないし、ということで思い切って薬をやめてようすをみたいと先生に申し出た。
ついでに大櫛陽一のこの本を知っているかと先生に聞いたりしている。
1カ月後に検査してみるということで先生は了解してくれた。
そしてその結果は188!(総コレステロールは282)
薬を飲まないと私のLDLコレステロール値は190近いものになるのだ。
それでも大櫛の示す基準値上限186と大差はない。
私はここでも薬を飲まずにようすをみたいと主張。
なぜか先生も同意してくれる。
薬をまったくやめて7カ月以上たった今年の3月、検査をした。
LDLが180前後でおさまってくれればという希望もむなしく、結果は200という驚くべき過去最高値。
総コレステロールも299でこれまた最高記録。
なぜか中性脂肪だけが142と基準値内におさまっている。
これで私の気持ちもめげた。
アトルバスタチンの隔日服用を再開した。
先生は毎日飲んでほしかったのだろうが。
そして3カ月後の先週、アトルバスタチン再開の結果は、LDL150、中性脂肪116、総コレステロール243というみごとな薬効が示されることになった。
LDLと総コレステロールはこれでも標準の基準値を超えているので、常識的な医者であれば、薬を毎日にしなさい(2倍に増やす)とすすめるところだろう。
私の先生は自分の意見を先に言わず、私の考えを先に聞こうとする。
私は内心喜んでいた。
LDLが180以下であればうれしいなと思っていたところ、150まで下がっていたからだ。
私は大櫛の「コレステロールは高いほど長生きする」という主張を、大櫛の示す基準範囲内であれば高いほど長生きというように読み替えている(彼もそのようにはっきり言えばいいのに)。
したがって、LDLは60~64歳の基準範囲上限値183以下であれば安心できるのだ。
だから、150という結果が出て、一瞬また薬をやめようかと気持ちが動いたが、このまま隔日で続けることにした。
先生も同意してくれる。
これが今の私の現状だ。
今思うのは、薬を3日に1度にしてもよかったかなということだが、まあ今回もらった薬を隔日に飲んだあと(100日後)また考えることにしている。
私の実体験が示すように、コレステロールの薬(一般的にスタチン)は確実に数値を下げてくれるということはまちがいない。
大櫛と近藤は薬効を否定しているのではなく、コレステロールを下げる意味がないと言っている。
逆に高いほど長生きできると。
もう一度言おう。
大櫛は自ら基準範囲表を示して「高いほど」に歯止めをかけている。
近藤は高いほど長生きといっているだけだ。
本当にそれでいいのか。
私は高脂血症の当事者だから、彼らの主張のその部分には敏感に反応してしまう。
同じようにがんの当事者は近藤の主張に大いに心乱されるだろう。
すべてのがん患者が近藤誠の診察を受けるわけにはいかないのだ。
この2時間もあれば読めてしまうような本に自分の命をゆだねてしまっていいものか。
悩みは尽きないだろう。
近藤誠は昨年菊池寛賞を受賞している。
菊池寛賞とはどのようなものかWikipediaで見ると、「菊池寛の提唱で、先輩作家の業績をたたえ、敬意を表すために制定された賞」とある。
自分の提唱で自分の名を冠した賞を創設するとは恐れ入る。
菊池寛死後、作家に限らず個人、団体に与えられるようになった。
創設以来の受賞者を見ていると、実に興味深い。
まさに玉石混淆だ。
このような賞は拒否するところに価値があるのではないか。
と思っていたら、私の尊敬する本多勝一は1964年に自分が取材執筆した連載記事で朝日新聞が受賞したとき、後に賞品を返上している。
先週の土曜日の中国新聞には近藤の「医者に殺されない47の心得」のCMが大きく載っていた。
「上半期売上ベスト1(実用書部門)」と言う文字が目を引く。
菊池寛賞受賞やこのような新聞の宣伝により、この本はますます売れていきそうだ。
けっこうなことだと思う。
そうして、もっともっとメディアで取り上げられるべきだ。
朝まで生テレビやワイドショー、NHKのためしてガッテンなどでも取り上げればいい。
NHKの日曜討論のテーマにしてほしいぐらいだ。
患者や家族などの当事者にしてみれば、1秒でも早くなにが正しいのかを知りたいのだ。
最後に余談だが、大櫛陽一の「100歳まで…」は昨年、かかりつけの脳神経外科と内科の先生にそれぞれこの本をご存じかとたずねることができた。
今回の「医者に殺されない47の心得」はカバンに入れて持っていったにもかかわらず、内科の先生にたずねる勇気が出なかった。
◆ ハハコグサ(キク科ハハコグサ属) ◆
春の七草でいうゴギョウ(オギョウ)が本種だ。めずらしい野草ではないが、最近市街地ではほとんど見なくなった。写真は河原で。ピンクはユウゲショウ。
その160の数値が出る1週間ぐらい前に大櫛陽一の「100才まで長生きできるコレステロール革命」を読んだのだ。
で、大櫛の基準表を見ると、LDLの基準値上限は186(55~59歳)になっている。
他の問題がなければ薬物治療などを必要としない範囲内だ。
幸い私は酒たばこはしないし、血圧は低めだし、肥満でもないし、ということで思い切って薬をやめてようすをみたいと先生に申し出た。
ついでに大櫛陽一のこの本を知っているかと先生に聞いたりしている。
1カ月後に検査してみるということで先生は了解してくれた。
そしてその結果は188!(総コレステロールは282)
薬を飲まないと私のLDLコレステロール値は190近いものになるのだ。
それでも大櫛の示す基準値上限186と大差はない。
私はここでも薬を飲まずにようすをみたいと主張。
なぜか先生も同意してくれる。
薬をまったくやめて7カ月以上たった今年の3月、検査をした。
LDLが180前後でおさまってくれればという希望もむなしく、結果は200という驚くべき過去最高値。
総コレステロールも299でこれまた最高記録。
なぜか中性脂肪だけが142と基準値内におさまっている。
これで私の気持ちもめげた。
アトルバスタチンの隔日服用を再開した。
先生は毎日飲んでほしかったのだろうが。
そして3カ月後の先週、アトルバスタチン再開の結果は、LDL150、中性脂肪116、総コレステロール243というみごとな薬効が示されることになった。
LDLと総コレステロールはこれでも標準の基準値を超えているので、常識的な医者であれば、薬を毎日にしなさい(2倍に増やす)とすすめるところだろう。
私の先生は自分の意見を先に言わず、私の考えを先に聞こうとする。
私は内心喜んでいた。
LDLが180以下であればうれしいなと思っていたところ、150まで下がっていたからだ。
私は大櫛の「コレステロールは高いほど長生きする」という主張を、大櫛の示す基準範囲内であれば高いほど長生きというように読み替えている(彼もそのようにはっきり言えばいいのに)。
したがって、LDLは60~64歳の基準範囲上限値183以下であれば安心できるのだ。
だから、150という結果が出て、一瞬また薬をやめようかと気持ちが動いたが、このまま隔日で続けることにした。
先生も同意してくれる。
これが今の私の現状だ。
今思うのは、薬を3日に1度にしてもよかったかなということだが、まあ今回もらった薬を隔日に飲んだあと(100日後)また考えることにしている。
私の実体験が示すように、コレステロールの薬(一般的にスタチン)は確実に数値を下げてくれるということはまちがいない。
大櫛と近藤は薬効を否定しているのではなく、コレステロールを下げる意味がないと言っている。
逆に高いほど長生きできると。
もう一度言おう。
大櫛は自ら基準範囲表を示して「高いほど」に歯止めをかけている。
近藤は高いほど長生きといっているだけだ。
本当にそれでいいのか。
私は高脂血症の当事者だから、彼らの主張のその部分には敏感に反応してしまう。
同じようにがんの当事者は近藤の主張に大いに心乱されるだろう。
すべてのがん患者が近藤誠の診察を受けるわけにはいかないのだ。
この2時間もあれば読めてしまうような本に自分の命をゆだねてしまっていいものか。
悩みは尽きないだろう。
近藤誠は昨年菊池寛賞を受賞している。
菊池寛賞とはどのようなものかWikipediaで見ると、「菊池寛の提唱で、先輩作家の業績をたたえ、敬意を表すために制定された賞」とある。
自分の提唱で自分の名を冠した賞を創設するとは恐れ入る。
菊池寛死後、作家に限らず個人、団体に与えられるようになった。
創設以来の受賞者を見ていると、実に興味深い。
まさに玉石混淆だ。
このような賞は拒否するところに価値があるのではないか。
と思っていたら、私の尊敬する本多勝一は1964年に自分が取材執筆した連載記事で朝日新聞が受賞したとき、後に賞品を返上している。
先週の土曜日の中国新聞には近藤の「医者に殺されない47の心得」のCMが大きく載っていた。
「上半期売上ベスト1(実用書部門)」と言う文字が目を引く。
菊池寛賞受賞やこのような新聞の宣伝により、この本はますます売れていきそうだ。
けっこうなことだと思う。
そうして、もっともっとメディアで取り上げられるべきだ。
朝まで生テレビやワイドショー、NHKのためしてガッテンなどでも取り上げればいい。
NHKの日曜討論のテーマにしてほしいぐらいだ。
患者や家族などの当事者にしてみれば、1秒でも早くなにが正しいのかを知りたいのだ。
最後に余談だが、大櫛陽一の「100歳まで…」は昨年、かかりつけの脳神経外科と内科の先生にそれぞれこの本をご存じかとたずねることができた。
今回の「医者に殺されない47の心得」はカバンに入れて持っていったにもかかわらず、内科の先生にたずねる勇気が出なかった。
◆ ハハコグサ(キク科ハハコグサ属) ◆
ハハコグサ 2013.5.6撮影 |
私は、献血が趣味ですが、基準値は250までです。その根拠は
返信削除献血出来る人は、おおむね健康です。その方達の
平均値が、250との事です。ご参考までに…
献血趣味人さん、コメントありがとうございます。
返信削除250というのはLDLではなく、総コレステロールの基準上限値のことですね。
私もそのあたりが妥当なのかなと思っています。
そうです。総コレステロールの事です。又、検査機関に依り、数値の誤差が
削除若干有ります。私は、同日に1時間ずらして、2つのクリニックで血液検査を
しましたが、総コレステロールで、22の誤差が有りました。
総コレステロールはHDLとLDLをたし、中性脂肪の1/5を加えたものです。
返信削除中性脂肪は変動が大きく、食後ぐんと上がり、それから徐々に下がってきます。
食事をして間もないときに検査をし、さらに1時間後に検査をすると、中性脂肪がかなり下がっていると思われます。
私など300から200ぐらいになりそう。
そうすれば100の1/5で20ほど総コレステロールは下がります。
というようにしろうとの私は考えてしまいます。
1時間後の結果の方が高いのであれば、この理屈は通用しませんが。
献血が趣味なもので、今年の7/26に、広島市内の「献血ルーム ピース」で献血して
返信削除来ました。東京から、青春18キップでの旅です。
さて、血液検査の誤差に付いてですが、1時間後に下がったケースも有れば
上がったケースも有り、さまざま…特に血糖は時間が経てば下がるのが
普通ですが、逆に上がったケースも有ります。
詳細は、私のブログで、紹介してますのでお暇の時に、のぞいて下さい。
ブログ名「アルゼンチンタンゴと献血、そして地ビール」
キーワードは、「タンゴ」と「献血」で出ます。
総コレステロール値が1時間後に上がったケースがあるということは、それは確かに誤差のようですね。
返信削除20程度の誤差というのはかなり大きいものだと思います。
「アルゼンチンタンゴと献血、そして地ビール」をのぞかせてもらいました。
とてもユニークな方ですね。
「お薦めの1曲」でタンゴを動画で見させてもらったら、いきなり平和公園が出てきてにんまりしました。