2023年6月22日木曜日

岸田政権 異次元の大軍拡 ③5年後に軍事費GDP比2%という異次元の無謀

赤旗 2013.6.17付
6月16日、軍拡財源法案(防衛費増額の財源確保法案)が国会で成立した。
この法律の中にはさまざまの信じがたいような財源確保策が含まれているが、突き詰めて言えばこれからの5年間で軍事費の総額を43兆円確保するという。

ただこれだけではそれがどの程度のものなのかピンとこない。
現行と比較してみよう。
昨年度の軍事費は5.4兆円。
5年間で43兆円を単純に5で割ると8.6兆円だから、今年度から毎年8.6兆円の予算になるかというとそうではない。

ちなみに今年度の軍事費は6.8兆円だ。

5.4兆円からいきなり8.6兆円では3.2兆円の増加になり、ちょっとやりすぎかなということで、1.4兆円の増加にしている。

この増加量を毎年繰り返していくと

 2023年度 5.4+1.4=6.8兆円
 2024年度 6.8+1.4=8.2兆円
 2025年度 8.2+1.4=9.6兆円
 2026年度 9.6+1.4=11兆円
 2027年度 11+1.4=12.4兆円 

となって、5年間の総額が48兆円となって、43兆円より5兆円も多くなってしまう。
そこで、今年は1.4兆円の増だったが、次年度から毎年1兆円増で計算すると、

 2023年度 6.8兆円
 2024年度 7.8兆円
 2025年度 8.8兆円
 2026年度 9.8兆円
 2027年度 10.8兆円

これで計44兆円になって、5年間総額43兆円に近くなった。

なんか変な計算をしているようにも思うが、言いたいことは、5年後の軍事費は10.8兆円で、2022年度の5.4兆円のちょうど2倍になるということ。

つまり、5年後からは毎年11兆円規模の軍事費となり、昨年度までの2倍にしようという魂胆だ。

戦後、日本の軍事費の推移は次のようになっている。

赤旗 2022.5.19付
1990年代末まで軍事費は伸びているが、その後はほぼ停滞している。
赤旗 2023.4.27付
今後5年間で軍事費2倍化というのは、このグラフを見ても異次元だ。

ちなみに現時点で世界各国の軍事費と比較すれば、5年後には憲法9条で戦力を放棄したはずの日本が世界第3位の軍事大国になる。

軍事費の推移を見るには上記グラフのように実額で表す方法と、GDP比で表す方法がある。

戦後70年あまりの軍事費の推移をGDP比で表したグラフが見つからないので、昔の東京新聞のグラフを載せる。

軍事費のGDP比は、1961年度以降は1.2%で推移していたが、1967年度からは1.0%を切っている。

東京新聞
1976年に、三木武夫政権が、軍事費はGDP(当時はGNP)比1%以内という枠を閣議決定した。
これは、憲法で規定された平和国家主義を意識したものだろう。

以後10年間政府は予算編成においてこの1%枠を守っていたが、1986年に中曽根内閣がこの枠を撤廃した。

「日本列島不沈空母」発言に象徴される軍拡論者だった中曽根だが、実際に1%を超えたのは3例(1987年~1989年)のみで、最大でも1.013%(1988年度)であり、事実上1%枠は守られていたと言えよう。
中曽根をもってしても、憲法の平和主義を意識せざるを得なかったのだろう。

1990年代後半まで軍事費は右肩上がりに伸びているが、GDPも伸びていたのでGDP比では1%以内に抑えられていた。

2012年に第2次安倍政権が発足して、軍事費は再び増加傾向にあったが、あのウルトラ右翼の安倍でもGDP比1%を超えることはなかったのだ。
*とはいえ、安倍は首相辞任後、まるで遺言でもするかのように軍事費のGDP比2%化を提言していた。

結局、軍事費がGDP1%を超えたのは、中曽根時代の3回と2010年の1回の計4回しかなかった(しかも、最大で1.013%)。

それを岸田は事もなく超え、しかも5年後には2%にするという法案を今国会で通した。

まさに異次元の軍拡だ。
いったい岸田の頭の中はどうなっているのだろう。
何か信念らしきものを持っているようにも見えず、つるっとしたような顔でこともなく信じられないようなことをする。


◆ ヤブカンゾウ(ススキノキ科ワスレグサ属)◆

ヤブカンゾウ 2019.7.6撮影 近くの川土手
以前このブログに載せた時にはユリ科として紹介したが、WEB上の花木図鑑には「以前はユリ科とされていましたが、DNA解析を元に、今はススキノキ科に分類されています」とある。また、次のようにも書かれている。「藪萱草には「愛の忘却」「悲しみを忘れる」「憂いを忘れる」といった花言葉があります。どの花言葉も、古くから「忘れ草」と呼ばれ、親しまれたことに由来しています。また、「一夜の恋」という花言葉もあります。こちらは藪萱草の花が朝咲いて夕方にはしぼむ「一日花」であることから来ているようです。

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