2019年11月6日水曜日

NHK「逆転人生 中国のカリスマ日本語教師」 すごいものを見てしまった

2019.10.21 NHK放送
毎週月曜日の夜にNHK総合で「逆転人生」という番組がある。
いつも観ているわけではないが、10月21日はたまたま「ニュース9」の流れで観てしまった。

中国のカリスマ日本語教師 涙の青春スピーチ」という題目で、NHKの番組紹介には次にように書いてある。

草彅剛と山里亮太がスタジオで大感動! 中国で大人気、名門の北京大学や清華大学で教べんをとるカリスマ日本語教師・笈川幸司さん(49)。実はかつて、売れないお笑い芸人だった!? 尖閣諸島に端を発する激しい反日デモ。そのさなかに開催された、知られざる奇跡の日本語大会。集まった中国の若者たちの、涙の日本語メッセージを大公開! あのSMAP北京公演、舞台裏の感動秘話も熱く語った。話題の美人過ぎる中国語教師も登場!」

笈川幸司の逆転人生なるものはたしかに感動的なものだったが、ただそれだけでブログに投稿する気になったのではない。
「涙の青春スピーチ」という題目からすると、その部分に草彅剛と山里亮太がスタジオで大感動したのかもしれないが、私がひどく大感動した場面は、この番組紹介の中では触れられていない。

番組で触れられる中国人の気質(単純に一般化はできないが)を表す3つの場面にいたく感じるものがあったのだが、なかでもその一つには本当にすごいものを見てしまったというまさに大感動場面だった。

日本で夢破れた笈川は中国人の婚約者と共に中国に渡ったのだが、そんな情けない将来性もないような男との結婚に猛反対する彼女の母親のせいで結婚はできなくなる。
おめおめ日本に帰ることもできず、途方にくれる笈川に手をさしのべたのは、結婚に猛反対した彼女の母親。
その母親が毎日笈川に食事をさせ、さらには日本語教師としての職を紹介する。

そんなことってある? って感じだが、敵であっても困っている人には情けをかける気質は中国人特有とまでは言わないが、ちょっと強いものがあるような気がする。
すぐに連想するのは、敗戦時に満州に取り残された多くの民間の日本人の子どもを引き取って育てた例だ。
後に「中国残留孤児」として社会問題になっていくが、15年にわたる日中戦争の中で、日本により想像を絶するような地獄の災厄にあわされた中国人が、その怨念の的である日本人の子を育てる。
もちろん、その中には奴隷労働力として使うためとか、人身売買目的とか邪悪な例もたくさんあったわけだが、本当にわが子同然に愛情を持って育ててくれた中国人がたくさんいたのだ。

中国人の育ての親をもった残留孤児の物語はそれこそ実話、ドラマ、映画、小説などを通してたくさん見聞きしてきたが、もっとも忘れられないのが山崎豊子の「大地の子」だ。

この長編小説の中で、残留孤児である陸一心は陸徳志夫妻に育てられるのだが、この陸徳志の一心を愛する心情の強烈さは私の心に焼き付いて離れない。
もちろん、別の中国人に育てられた一心の妹は奴隷のように扱われ、悲惨な最期を遂げるのだが。

「逆転人生」の中で次に感じ入ったのは、スタジオで笈川が話したひとつのエピソードだ。

電車の中で母に抱かれた幼児が大きな声で泣き出したら、日本なら周りの人たちは眉をひそめたり迷惑そうな顔をするが、中国では学生もおじさんもまわりのみんながよってたかって泣いている子をあやそうとするらしい。

このような話はずっと以前に中国人がいかに子どもをかわいがるかの例として何かの記事で読んだことがある。
切り抜きを探し回ってみると、6年前のその記事が見つかった。
我ながらびっくり。
赤旗 2013.6.4付
おまけに次のような記事も見つけたので掲載する。
赤旗 2017.4.12付
話しが展開しすぎてしまったが、最後の大感動場面に移ろう。

笈川が激しい反日の中で苦悶していたとき、日本では東日本大震災が起こっていた。
中国の放送局が大震災の現地で取材をしている場面を笈川はテレビで見る。
そこでインタビュアーとして映っている男性はかつての笈川の教え子だった。
中国テレビ局の日本駐在記者として働いていた張くんだ。

流ちょうな日本語で年老いたに男性にインタビューしている。












わずか50秒足らずの映像だが、このようなすごい出来事がこの世にはあるのだ。
「すごい」という形容詞は語彙力のなさを証明しているようで(事実そうなので恥ずかしい)あまり使いたくないが、ここではあえて使う。
テレビ局の職員であるインタビューアが、「人の心がほしい」と言われて自然な形でその人を抱擁するなんてことが日本で起こりうるだろうか。

反日の嵐の中で苦悩していた笈川は、このテレビ映像を見て奮い立ち、彼の再逆転人生が始まる。
笈川を含めたスタジオの面々は涙涙。
もちろん私も涙。

この番組がYouTubeにアップされていないかとさがしたが、日本のサイトでは短い紹介版のようなものしかなかった。
ところが中国からアップされていた。
たとえばここ

なぜか、張君のインタビュー部分のみをカットした動画もあったりして、この番組は中国でも大きな話題になり、私などにはうかがい知れない微妙なものがあるのかもしれない。
ということで、動画がなくなってもいいように私が編集した番組のハイライト(3分弱)をアップしておく(違法なのかな?)。


蛇足ながら、私はどこの国であれ、どのような民族であれ、いい人もいれば悪い人もいるのであって、特定の人種や民族の優位性を認めるものではない。


 五島列島シリーズ⑰  ◆ ヒルザキツキミソウアカバナ科マツヨイグサ属)◆

ヒルザキツキミソウ 2018.5.6撮影 福江島
福江島の北の端、柏崎という所の海岸。遣唐使の最後の寄港地で、ここから大陸へ向けて出航していたらしい。ヒルザキツキミソウのこのような大群落など広島では見たことがない。花が少ししぼんでいてヒルザキツキミソウのパッチリ感がないのでちょっと自信がないがほぼまちがいないだろう。

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