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2013年6月29日土曜日

与那国島の自衛隊 「へいわなよなぐにじま、へいわってすてきだね」

昨日(6/28)の赤旗に次のような短信が載った。
赤旗2013.6.28付
与那国に自衛隊配備というのは前から気になっていたが、この短信をみるとそれが現実のものになろうとしている。

この自衛隊配備問題は、2008年に与那国島町議会が自衛隊誘致の決議を上げ、翌年に誘致を推進する現町長である外間守吉(ほかましゅきち)が町長選で当選したことで一気に現実味を帯びてきた。

この構図は過疎の町が原発を誘致してきた歴史とまったく同じではないか。

外間町長は当初基地設置の迷惑料として10億円を要求した。
10億円とひきかえに自衛隊基地を作ってもいいよと。
誘致というのは来て欲しいということであり、普通ならお金を払うから来てくださいというものだ。
自治体が企業誘致をするときも、税金やインフラ整備などさまざまな便宜を企業のために払って来てもらう。
来て欲しいくせに迷惑料を10億円よこせとはあきれ果てた町長だ。

ここは自衛隊の方が一枚上手で、1億5千万円なら出しましょうと金額提示。
外間は10億円はいっさい妥協できないと大見得を切るが、自衛隊側からそれなら行かないよとあしらわれるとあえなく轟沈。
年間1500万円の賃料で合意したというわけだ。

なお、外間は迷惑料を市町村協力費と言い直しているようだが、かわいそうなことにメディアは迷惑料という表現をそのまま使い続けているらしい。(以上Wikipedia「与那国島の防衛問題」参照)

それにしてもこのような大きなニュースを赤旗が短信ですますことが納得できない。
そこで橋本「慰安婦」暴言問題で痛快社説を書いた琉球新報をみると、次のように書いてあった。

――ここから引用(琉球新報2013.6.28

 与那国町と防衛省は27日、陸上自衛隊沿岸監視部隊などを与那国島に配備するため同省が町有地約21・4ヘクタールを年間約1500万円で借りることを定めた仮契約を締結した。左藤章防衛政務官と外間守吉町長らが同日、町役場で調印した。仮契約締結を受け、同省は町有地を使用している農業生産法人南牧場と補償交渉を進める。

 仮契約は、南牧場と町が結ぶ貸し付け契約の解除が条件と定めた。防衛省は町の協力を得ながら補償交渉を進め、南牧場の同意が得られれば本契約の「土地等賃貸借契約書」を交わす。

 南牧場は組合員8人で構成。自衛隊の誘致推進派と反対派が混在し、補償交渉は難航する可能性もある。

 町は自衛隊配備に伴う振興策を要求。仮契約は「地域振興に寄与する形で町長から要望される事業について沖縄防衛局長は最大限努力する」と明記した。防衛省はごみ処理場建設などを示し、建設費の町負担を軽減するよう調整している。

 調印式後、外間町長は記者団に「南牧場の皆さんに状況を説明し理解していただく。内々に話しているので理解は得られると思う」と説明。「南牧場との話が決着した時点でどんな要望があるか町民と話したい」と述べ、本契約前に町民説明会を開く考えを示した。

 左藤政務官は「2015年度末の配備完了が目標」と話した。

引用ここまで――

この記事は事実の報道だけだが、「仮契約」とある。
赤旗の記事は誤報に近いのではないか。

1年前に本ブログで「沖縄は独立を」と書いたが、当の沖縄で自衛隊誘致決議を上げる議会やそれを進める首長がいるのでは話にならない。

そこで与那国島のようすを知りたいとネットを検索していたら、「バンタ ドゥナンチマ カティラリヌン!」与那国島の明るい未来を願うイソバの会+与那国島の自衛隊誘致に反対する住民の会 という長い名前のブログを見つけた。
2012.5.6 平和行進与那国コース(右ブログから)

「与那国島に住むイソバ達が、島の明るい未来を願い、現在、島で起きている自衛隊誘致問題を撤回させる為、立ち上がりました。多くの皆様のご賛同とご協力を宜しくお願いします。「バンタ ドゥナンチマ カティラリヌン!」という言葉は、私達の与那国島を捨てられない!捨てない!守ろうよ!という意味が込められております」

というブログの紹介が書かれている。

最新の記事「仮契約書に調印」(6/28)の最後には

いかにも「中国が攻めてくるぞ。」とか「島民が賛成、反対で二分しており生活に支障をきたしている。」とマスコミが騒いでいますが一度島を見に来てください。
我々島民は毎日汗をかきかき平和に精一杯暮らしています。
我々の島を守るのは、この地にしっかり足をつけ踏ん張っている私たちです。
どぅなんとぅ(与那国人)の誇りが、防衛省であろうが 基地ブローカーであろうが撥ね返して見せます!

とあって、感動してしまう。
ぜひとも与那国島を見に行きたい。(いつのことになるやら)

ところで、今日の赤旗(6/29)に、先日行われた沖縄全戦没者追悼式において小学1年生が読んだ詩が載っていた。
赤旗2013.6.29付
広島の原爆死没者慰霊祭(平和記念式典)でもそうなのだが、このような場で小学生にしゃべらせることに関してはちょっと素直に受け取れないものがある。
まあそのことはおいといて、この小学生は与那国島の子だった。
詩の最後の方で、「へいわなかぞく、へいわながっこう、へいわなよなぐにじま、へいわなおきなわ、へいわなせかい、へいわってすてきだね」と言っている。

与那国島町議会、外間町長はこの子の言葉をどのような気持ちで聞いたのだろうか。


◆ キツネノボタン(キンポウゲ科キンポウゲ属) ◆
キツネノボタン 2013.5.6撮影
タガラシと思っていたのだが、今回よくみてみると、実がタガラシとすればずいぶん小さいことに気づいた。そこで調べてみると、キツネノボタンだった。あまりいい写真ではないが、キツネノボタンとはっきり認識できた初めての写真ではないかと思い載せた。実の形からコンペイトウグサの別名がある。キンポウゲの仲間だけあって、花弁がてかっている。

1 件のコメント:

  1. こんにちわ、与那国は数度行ったことががりますが、のどかな過疎の島です。人口は徐々に減ってきています。産業は農業・放牧・特産品販売・観光のみで、若者は石垣や本島の学校・仕事をしに出ています。病院も診療所があるのみで、急患はは緊急ヘリで石垣島へ搬送されます。今回の町長選挙は結果が拮抗していてどうなるか判りませんでしたね。県外の活動家などが選挙の三ヶ月前に住民票を移動すれば選挙権を得られるとの事でしたから。人口の少ない小さな島では民意が変な方向に向きかねない状況なのです。

    ところで、今回の自衛隊の駐屯は与那国島にとってのメリットは多大です。まず、島に自衛隊員が駐屯しますので、島での購買が促進されますし、町の財政・島民にとっても豊かになりますし、緊急の場合は病院関係の施設(隊)も使用できるでしょうし、台風などの災害の対応や、トウキビ農業の手伝い(ゆい:島民が動労力を出し合う制度)などにも対応が出来ると思います。なにしろ、離島の飛行場・航空機は赤字ですから、人が活発に動けば助かると思いますね。もっと沢山のメリットはありますが、今回はこれまでにします。

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