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2019年2月10日日曜日

外国人技能実習生の奴隷労働は広く知れ渡ったのか

2018.11.6 野党合同ヒアリング
先に「入管法改定と『奴隷労働』」というタイトルで投稿した時期('18.12.2)は、入管法が衆議院を通過したものの、参議院での論戦に向けて野党は国会内で所轄官庁や技能実習生からの合同ヒアリングを引き続き実施したり、法務省が失踪技能実習生の聴取票のコピーをさせないものだから人海戦術で全2870枚を書き写したりして技能実習生の労働実態を暴こうと努力していたころだ。

結局入管法改定案はいつもの安倍政権の強権によって成立したのだが、そのとき立憲民主党の枝野はぶら下がり取材で「技能実習生のひどい労働実態が明らかになっただけでも成果はあった」みたいなことを言っていたが、そうなのだろうか。

というのも、NHKを見ている限り、外国人労働者の受け入れ体制がどうの、こんなにうまくいっている職場もあるよみたいな重要ではあるが「奴隷労働」という視点をはずした報道ばかりが目立ったからだ。

が、ネットで「外国人実習生 奴隷」で検索してみると、あふれんばかりの奴隷労働の実態がヒットする。
これを見ると枝野のいうことも当たっているのかなと思ってしまう。

今回は、前回の補足をしておきたいと思う。

前回以後明らかになった衝撃的な事実は、技能実習生の死亡者数の多さだ。
赤旗 2018.12.14付
野党はこの死亡事案について

 ▷死亡事案174件について、労災が適用されている事案
 ▷死亡事案の元資料となる「技能実習生実施困難時届出書」の原票の提出
 ▷2010年~17年までの実習生の労災件数

などを各省庁に文書で回答するよう求めていたが、法務省は拒否、他省庁も曖昧な答弁に終始している。

奴隷労働の闇に触れたがらない安倍政権だが、私が疑念に思うのは、技能実習生制度が始まったのは1993年のことであり、すでに25年が経過しているということだ。
この間、幾度となくこの奴隷労働の問題は表面化し、その改善のために法改正もなされてきた。
それでもいっこうにこの問題は解決されず、まるで放置されてきたようだ。

私がまじめに赤旗の切り抜きを始めたのは2012年のころからだが、その中で技能実習生に関する一番古い記事は2013年の次のようなものだった。
赤旗 2013.4.4付
以後も次のような見出しで赤旗に掲載されていく。

 2014.06.25 外国人を不法・奴隷労働 諫早干拓地内の農場で
 2015.08.26 外国人奴隷労働やめよ 実習制度 徳島労連が県に要望
 2016.07.29 外国人「奴隷労働」 根絶を求めて提言 全労連
 2018.05.16 低賃金・暴力が深刻 外国人労働制度拡大は性急
 2018.08.11 日本社会の「人身売買」

ネットで少し調べて見ると、長崎県労連などが2009年頃から中国人実習生の問題を中心に積極的に取り上げていることがわかる。
それ以前の問題もたくさんあったに違いないが、調べていない。

2018.12.9 サンデーモーニング
昨年末12/9のサンデーモーニングで、私はあまり好きになれないコメンテーターの古田大輔が次のような発言をしたことが興味深かった。

「この問題は長年議論してきた。
10年前の改正のときに取材をしていたが、そのときも奴隷労働だと、労働者の人権を守らないといけないといって改正したのだが、それで守られていたはずだった。
が、実際ふたを開けてみたら、2015年からの3年間で69人の方がなくなっている異常な状況、むしろ状況は改善されていなかった。
この間10年間議論する猶予があったはずなのに、実際の審議時間は20時間しかなかった(今国会で)。
首相も69人亡くなったことは今初めて聞きましたと。
どれだけ議論がなされなかったかということに衝撃を覚える」

まったく私も同感だ。
野党も含めて、いったい政治は何をしているのかと思う。
そして今回の入管法改正で状況はよくなるという見通しはまったくなく、その奴隷労働をさらに広げるという見方がもっぱらだ。

日本という国はどこまで落ちていくのだろうか。


 佐渡ドンデン山シリーズ⑫  ◆ ツリガネニニンジン(キキョウ科ツリガネニンジン属)◆

ツリガネニンジン 2017.9.30撮影
花序ががきれいな輪生になっていないので、本当にツリガネニンジンかどうかちょっと自信がなかったが、登山口から少し下ったところの草原地帯には立派なツリガネニンジンが咲いていた。
ツリガネニンジン 2017.9.30撮影

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