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2019年12月11日水曜日

中村哲 死去 受け入れがたい

中村哲が死んだ。
呆然としてしまう。

なぜ彼のような人が殺されなければならなかったのか。
60万人以上のアフガン人の命を支えてきた彼を、これからも自分のすべてをかけてアフガンのためにつくそうとしている彼を同じアフガン人が殺すのか。

この不条理を受け入れることはできない。

NHKは2016年にETV特集で放送した「武器ではなく 命の水を ~医師・中村哲とアフガニスタン」を追悼番組として12月7日に再放送した。
あらためて視聴し、ほかには代えがたい日本の誇りを失った悲しみがおそう。

赤旗 2019.12.6 一面コラム

12月8日のサンデーモーニングの冒頭、関口宏が「なんでこの方がそういう目にあうのか」という。

つづけて女性キャスターが「今世界で一番必要とされる人だったんじゃないですか」という。

最後の“風を読む”のコーナーでは、あの博学冷静な涌井雅之が少し声を震わせるかんじで次のようにいう。

「私は何もしなかった。中村先生がご存命の間に自分のできることをいっしょにやりたかった。そのことが苦しい」

アフガン人も「真の英雄を失った」と追悼する。

赤旗 2019.12.7
共産党の志位委員長は12月5日の記者会見で

「憲法9条に基づく国際貢献とは何かということを身をもって体現された方だった」
「世界にとっての損失だ」

と哀悼の意をあらわした。

12月7日、中村哲の遺体は、それが入った棺をアフガンのガニ大統領に担がれて、日本への帰国となった。
アフガニスタン・カブール軍兵士と共に中村哲さんの棺を担ぐガニ大統領(中央) 共同通信
日本国憲法は前文で次のように日本国民としての理想と決意を述べている。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。

小泉純一郎が総理大臣になって以来、急速に失われてきたこの崇高な理想と使命、そして世界からの信頼は、かろうじて中村哲によって持ちこたえてきたのではなかったか。

その中村哲が死んだ。
そのことを思うたび涙がにじんでくる。

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