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2014年7月29日火曜日

配偶者控除 「103万円の壁」はない!

安倍という男は首相でありながら厚顔無恥の大ウソつきだ。

「福島第1原発の汚染水は港湾内に完全にブロックされている」
「原発の安全基準は世界一」
「消費税増税分はすべて社会福祉の充実のために使う」
「集団的自衛権行使容認によってむしろ戦争の危険はなくなる」

選挙で「この顔がウソをつく顔に見えますか」と言って、当選したらすぐにホゴにした中曽根も真っ青だ。

この安倍が次にねらっているのが教育勅語復活の道徳教育なのだから、本当に日本人は不幸としかいいようがない。

共産党の志位委員長は先日(7/15)の党創立92周年記念講演で、安倍政権がやっていることは「亡国政治」だといい、「このような内閣は、1日続けばその分だけ日本と国民に災いをもたらす」とまで言っている。

さて、この安倍が、というより安倍政権がといった方がいいのか、また新しいウソで庶民増税をしようとしている。
配偶者控除の見直しだ。

一般的なパターンとしては、夫がサラリーマンとして働き、その妻が専業主婦かパートなどの収入で家計を補助している場合だ。
もちろん夫と妻の立場が逆転していてもいいが、ここでは一般的なパターンで話を進める。

その妻の年収が103万円未満であれば夫の課税所得が38万円差し引かれて所得税が軽くなるというのが配偶者控除だ。
「103万円の壁」といって、扶養家族からはずれる「130万円の壁」と並んでよく知られている。

103万円近くまで年収がある妻は、これ以上働く条件があってもこの壁を気にして仕事をセーブする。
つまり、配偶者控除がなくなる結果、増える妻の収入以上に夫の所得が減ってしまうからだ。

私もそのように思っていた。

そこで、安倍は「女性が輝く」ためには「女性が収入を気にせず働けるようにする」ことが必要であり、配偶者控除を廃止・縮小しなければならない」という。

これを初めて聞いたとき、いつもの姑息なやり方だなと思った。
その当事者の幸福のためといいながらその当事者に不幸をもたらすやり方だ。

いろんな働き方ができるよといって派遣労働を拡大する。
自立を支援しますといって障害者福祉の自己負担を持ち込む。
現役世代の負担を軽くしようといって年金を削減する。
中学校や保育園を選べますよといって制度を改変する。
女性差別をなくすといって母性保護の規制をとりはらう。
働く時間を自分で決められますといって成果主義賃金制度を拡大する。

あげくの果てに、積極的平和主義といって戦争できる国にする。

103万円を超えるような働き方のできる女性がどのくらいいるのだろう。
その少数の恵まれた女性のために圧倒的多数の世帯が増税になるのだ。

本当に女性に活躍してほしいのなら、103万円を200万円ぐらいに引き上げたらどうだ!
とそのときは思った。

し・か・し
6/4付の赤旗をみてびっくりしてしまった。
103万円の壁はなかったのだ!

赤旗2014.6.4付
グラフの実線が現行の場合で、配偶者の年収が103万円を超えても世帯の可処分所得はずっと右上がりで130万円までいっさい壁はない。
このことは財務省も認めているらしい。

じゃあなぜ「103万円の壁」という誤った認識が広まっているのか。

配偶者控除の制度は1961年に導入されて、それ以後確かに「103万円の壁」(手取りの逆転現象)はあった。
だが、1988年に「配偶者特別控除」がつくられた。
妻の所得が103万円を超えても、141万円未満であれば夫の課税所得を妻の年収に応じて38万円~3万円控除できるようになったのだ。

その結果、「壁」は解消されたということだ。
現在「103万円の壁」というのは、妻の給与収入が103万円を超えると所得税負担が発生することをいうらしい。
そうであっても、世帯の総収入が逆転する「壁」はない。

どうしてこのような事実が広く知られていないのだろう。

政府が「骨太方針」の一つとしてこの配偶者控除見直しを検討していた頃、5/20のNHKのクローズアップ現代でこれがテーマになった。

国谷キャスターと宮本太郎(中央大学教授)の議論やVTRでの庶民の声は、この手取りの逆転現象という意味での「103万円の壁」は疑いのない明白な事実ということが前提になっていた。
私もそのときはそう思っていた。

これはどういうことだろうか。
NHKや宮本太郎が「103万円の壁」は現実にはないということを知らないのだろうか。
知っていて知らぬふりをしているのだろうか。

さっそくNHKに問い合わせてみよう、という元気は今のところない。

政府が6/24に発表した「骨太の方針」にこの配偶者控除見直しは入らなかった。
さすがにここまで露骨なウソはつけないと判断したのだろうか。
これまでさんざん露骨なウソをつきまくってきた安倍政権が、今回だけ自らを恥じたというのも信じかねる。

それにしても、なぜ「103万円の壁」はないという事実を世間に知らしめないのだろう。
赤旗にしても、先ほど引用した記事以外には見あたらない。
今現在、実際にこの壁があると信じて働き方を抑えている女性はたくさんいると思う(男性も)。
政府の意図とそれを忖度するNHKのせいばかりではないと思う。

最後に腹立たしいことを言っておく。

この配偶者控除が廃止されたなら、平均的な家庭(年収500万円~600万円)で年間7.1万円の増税になる。
安倍政権が消費税増税を含め、庶民に増税を強いる理由の第一は、法人税減税の財源確保なのだ。


◆ ニラ(ヒガンバナ科ネギ属) ◆

ニラ 2013.9.16撮影
この花を撮影した時期だったか、近くの親戚からたくさんのニラをもらい、ニラのチジミを作った。Wikipediaには次のようにある。「栄養価が高く、スタミナが付く食材として利用されている。β-カロテンやビタミンA、ビタミンC、カルシウム、リン、鉄などのミネラルに富み、匂い成分のアリシンがビタミンB1と結合してその吸収を良くし、代謝機能、免疫機能を高め、疲労回復に役立つ。また、整腸作用があり、昔より胃腸(特に下痢)に効く野菜として親しまれ、症状が重い時はニラの煮汁を飲んでも効果がある」。

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