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2013年11月7日木曜日

カジノに狂奔する日本のリーダーたち

10月の赤旗にはカジノ関連の記事が9本載った。
日本のリーダーたちは、よってたかってこの「美しい国」をギャンブル国家にしたくてたまらないようすだ。

カジノといえばすぐに石原慎太郎が思い浮かぶ。
1999年の都知事選(1期目)で「お台場カジノ構想」というものを打ち上げた。
都知事になっての2002年、都庁内でカジノのデモンストレーションをしたときには、そのあまりもの破廉恥さに多くの国民が唖然としたのではないか。

石原に次いでのカジノ男は橋下徹だ。
2010年の府知事時代にはギャンブリング*ゲーミング学会というところで次のような弁をふるってカジノ合法化を訴えた。

「(日本は)ギャンブルを遠ざけてお坊ちゃま、お嬢ちゃまの国になっている。ちっちゃい頃からギャンブルを積み重ね、勝負師にならないと世界に勝てない」

橋下は2008年の府知事選以来一貫してカジノカジノと叫んでいる。

その石原と橋下がいっしょになって日本維新の会を作ったわけだが、この品性下劣な2人がカジノを言ってる分には似合いの発言ということで冷めた目で見ていられる。
ところが、昨今の状況はそんなことをいってられないほど切迫したものがある。
だからこその赤旗記事になるのだが。

赤旗日曜版2013.7.14付から
国際観光産業振興議員連盟という超党派の組織が2010年にカジノ合法化をめざして設立された。
通称カジノ議連という。

今年4月に開かれたカジノ議連の定期総会で、組織の新役員が決定した。
安倍と麻生はそれまでも最高顧問だったのだが、それに石原慎太郎と小沢一郎が加わった。
副会長には谷岡郁子の名も見える。
社民党と共産党はいないが、超党派でカジノを推進しようってわけだ。

4/23現在の名簿では、自民党85人、民主党23人、維新の会16人、公明党8人、みんなの党5人、生活の党2人、みどりの風1人、計140人となっている。

国会議員が束になってカジノを推進しようとしていることじたいがあきれはててしまうが、それをまた各地の自治体がカジノを誘致しようと動いていることを知れば、いったいこの日本のありようはどうだと暗くなる。

赤旗2013.10.6付から
10/24に小樽で開かれたカジノ推進派の集会「日本カジノ創設サミット」で、カジノ議連副会長の野田聖子は、現在開会中の臨時国会に議員立法でカジノ合法化法案を提出すると明言し、次のように述べた。

「新しい観光をつくることはアベノミクスの成長戦略の要。その中核であるカジノは、日本の観光産業に活を入れる起爆剤になる」

同集会で、高橋知事は「(カジノは)北海道にとってどうしても誘致したい施設」とあいさつし、小樽市長は「北海道全体が一丸となって誘致にとりくまなければならない」と述べた。

北海道のようなすばらしい自然に恵まれた観光資源の豊かな地域が、一丸となってカジノを誘致しなければならないとはとても悲しいことだ。

10/24の赤旗に「文化芸術 財源はカジノで!」という記事が載った。
下村博文文科相が「スポーツ振興」を名目に実施したサッカーくじを引き合いに出して、文化芸術予算の財源として「カジノの売上の相当部分を文化芸術に特化した財源として活用する」というプランを表明したとある。

下村はカジノ議連の顧問(現在は副会長らしい)ではあるが、文部科学省の大臣だ。
「文化芸術立国の実現のための懇話会」という文科相の私的懇談会の中での発言だ。
つまり文科相としての立場で発言し、そのプランを主導している。

下村は自身のブログに次のように書いている(2011.6.9付)。

「今回の東日本の復興計画に私はカジノを入れたらどうかと考えている」
「沖縄とかお台場とか候補地の名前が上がっていたが、大震災の後を受け、まずは仙台でスタートしたらどうだろう」

このブログを書いたときは野党の一議員だったのだが、今は文部科学省の大臣なのだ。
それが「文化芸術の予算はカジノで」などと言ってはばからない。

まあスポーツ予算も文部科学省が胴元になってサッカーくじをしているぐらいだから、今回のことも整合性がとれてはいる。

それにしても彼らはこの「美しい国」をいったいどうするつもりなのか。

――ここから転載(赤旗2013.10.6付)
地域経済「滅び」の道
ノンフィクションライター 若宮健さん

 カジノ解禁をねらう政治家たちは、カジノの大きな負の部分を知らなすぎるか、それを隠して「国際観光」「経済効果」などときれいな事をならべている。

 韓国やマカオのカジノをみても、ギャンブル依存症でホームレスになる人、自殺に追い込まれる人が後をたたない。犯罪者集団が流れ込み、買春の横行など風紀の悪化、青少年への影響は計り知れない。雇用が増えるどころが、まともな産業は成り立たず、地域の経済は衰退するばかりだ。

 地域のために、わらをもつかむ思いでカジノに期待する人もいるだろう。しかし、活性化どころか「滅び」に向かうのがカジノだ。

 政治家がどんなきれいなことをいっても、バクチはすべて負ける人の犠牲の上に成り立っている。西洋のバクチを解禁し、そのバクチの上がりのおこぼれにあずかろうなどというのは、あまりにさもしく、情けないことだ。

(赤旗2013.10.24付)
大きな害 言語道断な話
フリーライター 古川美穂さん

 そもそもカジノはギャンブルであり、日本では禁じられています。なぜ法で禁じられているかといえば、それだけの大きな弊害があるからです。カジノを推進している政治家は、どれだけそれをわかっているのでしょうか。

 一番の問題はギャンブル依存症です。日本では深刻さが十分理解されていませんが、成人男子の推定有病率は9.6%とされ、全国に200万とも400万ともいわれる患者がいる。実態把握も不十分で、満足な治療体制もないのに、どうしてこの日本に新たなギャンブル施設をつくるなどという話になるのでしょうか。

 文部科学大臣という青少年の健全育成に重い責任を負う立場の人が、カジノを文化政策に組み込むなど信じられない。言語道断です。

 先月、カジノ観光施設の成功例とされているシンガポールを視察しました。まるで日本の巨大パチンコホールのような雰囲気で、現地の人の中にも入りびたりとなり、依存症になっている人がいる。そうした負の側面から目を背けてはいけません。やはり日本にカジノはつくるべきでないと思います。


◆ ハナニガナ(キク科ニガナ属) ◆
ハナニガナ 2013.5.27撮影 深入山
前回載せたニガナの兄弟みたいな花。ニガナの花びらは5枚(ときに6枚)だが、ハナニガナは7枚以上あって少し華やか。

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