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2013年3月4日月曜日

原発と活断層 日米のちょっとした大きなちがい

3.11の福島原発事故の反省から生まれた原子力規制委員会。
昨年の9月に発足して以来、その人事の国会同意をめぐって論議を呼んでいる。

が、最初の仕事であった原発の敷地内を走る断層調査では、原発推進勢力にとっては厳しい結論を出し、がんばっているなという印象を受けた。

ところが、新しい安全基準を作成する段になって、どうかと思われるような案が出てきたり、不祥事があったりしてその評価は一定しないように思える。

原発と活断層については、先日録画しておいた日本テレビのNNNドキュメント「活断層と原発、そして廃炉 アメリカ、ドイツ、日本の選択」(2013.1.27放送、リンクは動画)を興味深く観た。

番組最初にとりあげられたアメリカのボデガ原発(カリフォルニア州)の部分を紹介する。

原子炉を設置するための縦穴を12mまで掘ったとき、底の岩盤に小さな断層が現れた。

穴の側面にも40㎝の小さなずれが見られた。
この縦穴から東へ300mのところに長大で活動的なサンアンドレアス断層があることもあってだろうが、このボデガ原発の建設は中止になり、その跡地は今は野生生物の楽園になっている。

元原子力委員会の手引き検討委員会というところで委員をしていた中田高という人がいる。
島根原発の活断層を発見した人だという。
中田氏が原子力安全委員会に提出した報告書(番組から)

この中田氏がボデガ原発の建設中止になった経緯をまとめ、東電東通原発建設のための報告書を原子力安全委員会に提出した(2010年6月)。

現在建設中の東電東通原発は福島事故のため工事進捗率9.7%でストップしている。
すでにある東通原発は東北電力のものであり、ここで出てくる東通原発はその横に東電が新しく建設中のものだ。

番組に出演した中田氏は次のように言う。
東通原発の断層・平面図(番組から)

ボデガ原子炉設置場所に出てきた断層というのは、そんなに大きな断層ではない。
ズレはわずか40㎝であり、活動したのも40万年前から4万年前までに一度。
そんな活動性の低い断層であっても、原子炉の地盤にあるものは避けるべきだという典型的な事例だ。


東通原発の断層・断面図(番組から)
こんなに活断層のおそれがあるたくさんの断層のま上に、わざわざ原子炉を置く必要はない。
仮にこれがズレることのない断層だと主張されても、こんなにキズだらけのところにわざわざつくる必要があるのか。

アメリカ(ボデガ)は1本の断層で建設がストップした。
日本(東通原発)は中田氏の異議にもかかわらす、2010年12月に建設許可がおりた。

番組はさらに続くのだが、紹介はここまで。

日本は4枚のプレートがせめぎ合う地球上でもまれに見る地震大国だ。
地盤が活断層だらけなのは当然のこと。
赤旗2013.1.4付
こんな日本にそもそも原発をつくろうなどと考えることがとんでもないまちがいだったのだ。
そのうえチェルノブイリ、スリーマイル、フクシマと続いてもさらに新しくつくろうとする。
気が狂っているとしかいいようがないではないか。

◆ カイツブリ(カイツブリ目カイツブリ科カイツブリ属) ◆
カイツブリ 2013.2.7撮影 トリミングあり
しょっちゅう散歩で行く場所だが、はじめてカイツブリを見た。以後、いつ行ってもここにいるのを目にする。知らない間はいても目に入らないのだ。

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